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第46話 騎士宿舎
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「要するにクロクロくんの膨大な魔力に耐え切れなくなってマシンが爆発したんだろうな」
騒ぎを聞いて駆けつけたドラチェフさんが説明してくれた。
「まあ、誰も怪我がなくて何よりだよ」
マシンのそばにいた俺とランドさんを含め中庭にいた騎士たち全員に向かってドラチェフさんが言う。
「とにかくこれでクロクロくんは晴れてわたしたち騎士団の仲間入りだ、おめでとう」
「あ、ありがとうございます」
それを聞いていた周りの騎士たちからも拍手が送られた。
そこへランドさんが近寄ってくる。
「すごいなお前、マジで何者なんだよまったく」
「すみませんでした、爆発に巻き込んでしまって」
「怪我してないんだから別にいいさ。それより仲間になった以上おれたちは平等だ。敬語なんか使わないでくれ」
「あ、は……ああ。わかった」
「おっと、そういえばまだ自己紹介していなかったな、おれはランドだよろしく」
「……俺はクロクロ、こちらこそよろしく」
俺がランドと握手を交わすと騎士のみんなから再び拍手が沸き起こった。
◇ ◇ ◇
「それにしてもドラチェフさん、俺の魔力が膨大だって本当ですか?」
騎士宿舎を案内してくれるというドラチェフさんと二人きりになった俺は不思議に思っていたことを訊いてみる。
「俺、ヒールも使えないんですよ」
「ん、そうなのかい? でもきみの魔力がすごいのは間違いないと思うけどね。じゃなかったらあんな爆発は起こらないよ」
「そうですか……」
「さ、ここがクロクロくんの部屋だ。風呂トイレ付きの一人部屋だから自由に使ってくれ」
「ありがとうございます」
案内されたのはかなり広く清潔感のある部屋だった。
部屋の中には騎士専用の鎧や剣も置かれている。
「食堂はここを真っ直ぐ行ったところにあるからね。いつでも好きな時間に利用できるよ」
「へー、そうなんですね」
「それと他の町の騎士団とのレクリエーション大会は一週間後だからそれまでは騎士として働いてほしい。まあ働くと言っても訓練や町の見回りがほとんどなんだけどね。それでいいかな?」
「はい、わかりました」
そうだ、忘れるところだった。
騎士になったのは町対抗の騎士たちによるレクリエーション大会に参加するためだったな。
武力や体力を競う大会だと言っていたからこれを機に少しは剣も扱えるようになっておくか。
「じゃあ今日は夜までは宿舎でゆっくりしていてくれ。夜になったらわたしと町の見回りに行こうか」
「はい」
それだけ話すとドラチェフさんは「じゃ失礼するよ」と颯爽と立ち去っていった。
俺は自分の部屋に入り大きなベッドにダイブする。
「ふぅ~……」
ベッドに横になって天井をみつめながらエメリアに教えてもらったヒールの使い方を思い返してみる。
「たしか深呼吸をしてから体の中の魔法力を手に集めるイメージだったか……」
俺は手を伸ばし、
「ヒール!」
と口にした。
……。
……。
……特に何も起こらない。
「なんだよ……やっぱり使えないじゃないか」
騒ぎを聞いて駆けつけたドラチェフさんが説明してくれた。
「まあ、誰も怪我がなくて何よりだよ」
マシンのそばにいた俺とランドさんを含め中庭にいた騎士たち全員に向かってドラチェフさんが言う。
「とにかくこれでクロクロくんは晴れてわたしたち騎士団の仲間入りだ、おめでとう」
「あ、ありがとうございます」
それを聞いていた周りの騎士たちからも拍手が送られた。
そこへランドさんが近寄ってくる。
「すごいなお前、マジで何者なんだよまったく」
「すみませんでした、爆発に巻き込んでしまって」
「怪我してないんだから別にいいさ。それより仲間になった以上おれたちは平等だ。敬語なんか使わないでくれ」
「あ、は……ああ。わかった」
「おっと、そういえばまだ自己紹介していなかったな、おれはランドだよろしく」
「……俺はクロクロ、こちらこそよろしく」
俺がランドと握手を交わすと騎士のみんなから再び拍手が沸き起こった。
◇ ◇ ◇
「それにしてもドラチェフさん、俺の魔力が膨大だって本当ですか?」
騎士宿舎を案内してくれるというドラチェフさんと二人きりになった俺は不思議に思っていたことを訊いてみる。
「俺、ヒールも使えないんですよ」
「ん、そうなのかい? でもきみの魔力がすごいのは間違いないと思うけどね。じゃなかったらあんな爆発は起こらないよ」
「そうですか……」
「さ、ここがクロクロくんの部屋だ。風呂トイレ付きの一人部屋だから自由に使ってくれ」
「ありがとうございます」
案内されたのはかなり広く清潔感のある部屋だった。
部屋の中には騎士専用の鎧や剣も置かれている。
「食堂はここを真っ直ぐ行ったところにあるからね。いつでも好きな時間に利用できるよ」
「へー、そうなんですね」
「それと他の町の騎士団とのレクリエーション大会は一週間後だからそれまでは騎士として働いてほしい。まあ働くと言っても訓練や町の見回りがほとんどなんだけどね。それでいいかな?」
「はい、わかりました」
そうだ、忘れるところだった。
騎士になったのは町対抗の騎士たちによるレクリエーション大会に参加するためだったな。
武力や体力を競う大会だと言っていたからこれを機に少しは剣も扱えるようになっておくか。
「じゃあ今日は夜までは宿舎でゆっくりしていてくれ。夜になったらわたしと町の見回りに行こうか」
「はい」
それだけ話すとドラチェフさんは「じゃ失礼するよ」と颯爽と立ち去っていった。
俺は自分の部屋に入り大きなベッドにダイブする。
「ふぅ~……」
ベッドに横になって天井をみつめながらエメリアに教えてもらったヒールの使い方を思い返してみる。
「たしか深呼吸をしてから体の中の魔法力を手に集めるイメージだったか……」
俺は手を伸ばし、
「ヒール!」
と口にした。
……。
……。
……特に何も起こらない。
「なんだよ……やっぱり使えないじゃないか」
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