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ハルカが倒れ、地面を赤く染めあげる。また、私のせいで1人喪うというのか。
「うぅっ...ぐうっ...うあああああああ!」
剣を引っ掴み、メラゾエルに斬りかかった。だが先程よりも更に強化されたのかコアにダメージが届かない。それどころかバキィン!!と音を立てて私の剣が砕けてしまった。首を掴まれ、そのまま木に叩きつけられる。それでもと殴りかかるもあっさり避けられてしまった。むきになって追いかけ何度攻撃を仕掛けても掠りもしない。2回目以降はともかく、最初の攻撃は油断しているうえに至近距離だったにも関わらずかわされ、受け止めた手をあっさり受け止め、殴り飛ばされた。あぁ、私はもうここで終わるのか...ハルカの体に刺さった剣を抜き、私の胸元に突き立て、そのまま振り落とうとした刹那
────────────────────────────
「グルルルギャア”ァァァァア”ア”ァァァ!!」
突然黒い影が私の体を横切り、メラゾエルを横倒しにしたのだ。その影の主顔と羽毛の色からカラスだと分かる。だが体は異様に細く、人の手を持った、この世の思えない何かだった。その黒い何かは鋭い爪で切りかかるが呆気なく吹き飛ばされ、巨木に叩きつけられ、腕がゴキゴキッと音を立てて折れるが即座に修復し、飛びかかる。嘴で鎧の一部を噛み砕き、コアに突き立てようとしたがまた投げ飛ばされる。
「グルルオオアアア”アァォ”アアァア!!」
なおもメラゾエルを殺さんと黒い生き物が動いていた。私はただ2体が争う場面を見ていたがハッとしてハルカの亡骸に視線を移したがそこには血溜まりだけ拡がっている。まさかアレがハルカだと言うのか。爪についた血が嘴の奥に吸い込まれると同時に黒い生き物の体が少し大きくなり、力も強くなったのかメラゾエルの腕を容易く喰いちぎったのだ。そのままメラゾエルを押し倒し、鎧を剥がし、コアどころかその肉を喰らったのだ。更に細い腕は段々と巨大な翼に、ゴキッ、ゴキッと音を立てて更にもう2枚翼が生え、目玉が6つに増えたのだ。その姿は私にも見覚えがあった。かつて天魔大戦争にて猛威を振るったソロモン第39の悪魔『マルファス』だ。
まさか、ハルカの正体が悪魔だったとは。『ハルカ』は自分の異変に気付いたのか驚いた様子で自分の翼を、足を見ていた。3つの目が私を見るとビクッと震え、木の間に隠れてしゅんとした様子で私を見た。その姿はまるで落ち込む犬のようで...
私がこっちにおいでと手を振るとズシン、ズシンと歩み寄った。
「大丈夫だ。」
頬を撫でるとギュウ、悲しそうに呟き、私の折れた手と手に付いた血をを舐めた。驚いたことに手が、体が凄まじい勢いで治ったのだ。これも、この子の力なのだろうか。
「君が治してくれたのか?..ありがとうな。」
まるで返事でもするようにギュア、と鳴いた彼女の目はとても優しい色をしていた。
「おいレイエス、何やってんだ!もう舞踏会始まって...うおっ?!こ、こいつ、悪魔じゃねえか!」
「大丈夫だ兄さん。この子は悪さはしない。」
『ハルカ』は兄さんをみると頭を下げ、まるで人間が王様に跪くような動きをした。
「うおっ...こ、こいつ...」
「そういえば君は『ハルカ』、と言ったな、君は、これからどうするんだ?」
『ハルカ』が首を振るのを見て私は兄さんの方に向いた。
「兄さん、この子を仲間に入れたいのだが、いいか?」
「は、はぁ?!...いや、お前の言う通りだな。悪魔だというのにコイツは人に危害を加えるようには見えん。手懐ければ戦力にできるかもしれないな。」
「『ハルカ』、君はどうしたい?」
ハルカは自身の体をヒトの体に戻すと私の方を見た。片方の足がいつの間にか生え揃って、月の光に映った赤い瞳がとても美しく輝いていた。
「僕も...レイエスさんたちの力になりたいです。僕を...仲間に入れてくださいっ!」
私は、ライアルと顔を見合わせると口元を緩ませ、迷いなく答えを言った。
「もちろんだ。君の力を私たちの元で使って欲しい。」
「っ!ありがとうございま(グゥ~)あぁっ...ごめんなさいっ...」
「なんだ、腹空かせてたのか!さぁ、早く帰ろう。美味い飯がまってるぞ!ガハハハハッ!」
「私達も行こう。これからも宜しくな、ハルカ。」
真っ赤な顔を浮かべたまま、ハルカは無言で頷き、震える手で差し出した私の手を取った。
「うぅっ...ぐうっ...うあああああああ!」
剣を引っ掴み、メラゾエルに斬りかかった。だが先程よりも更に強化されたのかコアにダメージが届かない。それどころかバキィン!!と音を立てて私の剣が砕けてしまった。首を掴まれ、そのまま木に叩きつけられる。それでもと殴りかかるもあっさり避けられてしまった。むきになって追いかけ何度攻撃を仕掛けても掠りもしない。2回目以降はともかく、最初の攻撃は油断しているうえに至近距離だったにも関わらずかわされ、受け止めた手をあっさり受け止め、殴り飛ばされた。あぁ、私はもうここで終わるのか...ハルカの体に刺さった剣を抜き、私の胸元に突き立て、そのまま振り落とうとした刹那
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「グルルルギャア”ァァァァア”ア”ァァァ!!」
突然黒い影が私の体を横切り、メラゾエルを横倒しにしたのだ。その影の主顔と羽毛の色からカラスだと分かる。だが体は異様に細く、人の手を持った、この世の思えない何かだった。その黒い何かは鋭い爪で切りかかるが呆気なく吹き飛ばされ、巨木に叩きつけられ、腕がゴキゴキッと音を立てて折れるが即座に修復し、飛びかかる。嘴で鎧の一部を噛み砕き、コアに突き立てようとしたがまた投げ飛ばされる。
「グルルオオアアア”アァォ”アアァア!!」
なおもメラゾエルを殺さんと黒い生き物が動いていた。私はただ2体が争う場面を見ていたがハッとしてハルカの亡骸に視線を移したがそこには血溜まりだけ拡がっている。まさかアレがハルカだと言うのか。爪についた血が嘴の奥に吸い込まれると同時に黒い生き物の体が少し大きくなり、力も強くなったのかメラゾエルの腕を容易く喰いちぎったのだ。そのままメラゾエルを押し倒し、鎧を剥がし、コアどころかその肉を喰らったのだ。更に細い腕は段々と巨大な翼に、ゴキッ、ゴキッと音を立てて更にもう2枚翼が生え、目玉が6つに増えたのだ。その姿は私にも見覚えがあった。かつて天魔大戦争にて猛威を振るったソロモン第39の悪魔『マルファス』だ。
まさか、ハルカの正体が悪魔だったとは。『ハルカ』は自分の異変に気付いたのか驚いた様子で自分の翼を、足を見ていた。3つの目が私を見るとビクッと震え、木の間に隠れてしゅんとした様子で私を見た。その姿はまるで落ち込む犬のようで...
私がこっちにおいでと手を振るとズシン、ズシンと歩み寄った。
「大丈夫だ。」
頬を撫でるとギュウ、悲しそうに呟き、私の折れた手と手に付いた血をを舐めた。驚いたことに手が、体が凄まじい勢いで治ったのだ。これも、この子の力なのだろうか。
「君が治してくれたのか?..ありがとうな。」
まるで返事でもするようにギュア、と鳴いた彼女の目はとても優しい色をしていた。
「おいレイエス、何やってんだ!もう舞踏会始まって...うおっ?!こ、こいつ、悪魔じゃねえか!」
「大丈夫だ兄さん。この子は悪さはしない。」
『ハルカ』は兄さんをみると頭を下げ、まるで人間が王様に跪くような動きをした。
「うおっ...こ、こいつ...」
「そういえば君は『ハルカ』、と言ったな、君は、これからどうするんだ?」
『ハルカ』が首を振るのを見て私は兄さんの方に向いた。
「兄さん、この子を仲間に入れたいのだが、いいか?」
「は、はぁ?!...いや、お前の言う通りだな。悪魔だというのにコイツは人に危害を加えるようには見えん。手懐ければ戦力にできるかもしれないな。」
「『ハルカ』、君はどうしたい?」
ハルカは自身の体をヒトの体に戻すと私の方を見た。片方の足がいつの間にか生え揃って、月の光に映った赤い瞳がとても美しく輝いていた。
「僕も...レイエスさんたちの力になりたいです。僕を...仲間に入れてくださいっ!」
私は、ライアルと顔を見合わせると口元を緩ませ、迷いなく答えを言った。
「もちろんだ。君の力を私たちの元で使って欲しい。」
「っ!ありがとうございま(グゥ~)あぁっ...ごめんなさいっ...」
「なんだ、腹空かせてたのか!さぁ、早く帰ろう。美味い飯がまってるぞ!ガハハハハッ!」
「私達も行こう。これからも宜しくな、ハルカ。」
真っ赤な顔を浮かべたまま、ハルカは無言で頷き、震える手で差し出した私の手を取った。
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