二人キリの異世界冒険 (Information Teacher's Second Life)【完結】

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第14章 魔法学院卒業編

110.イベントの終了

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 準決勝に残ったのは、クルドのパーティー、兵士のパーティー、冒険者のパーティー、そして、私達のパーティーになった。準決勝の前に、もう一度、くじを引いた。

 準決勝の第1試合は、私達のパーティーと兵士のパーティーとなった。クルドのパーティーは、第2試合で、冒険者パーティーとの対戦となった。

 私達は、直ぐに、係の教師に呼ばれて、闘技場に入って行った。今回も、兵士のパーティーなので、前回と同じように戦くのかと思ったら、フヨウが、違う戦い方を提案してきた。

 「キリ、今度は、僕は、一人で戦ってみるよ」

 「どうして?」

 「自分の力を試してみたいんだ」

 「分かったわ。それじゃ、残りの4人を私と、ミユと、エルミアで、相手するわ」

 「すまない」

 「気にしないで、いいわ」

 試合が終わって、観客席につくと、もう、クルドのパーティーが会場に入っていた。次の試合は、クルドのパーティーが冒険者のパーティーと対戦する。前の試合の様子では、クルドは、苦戦するだろう。

 私は、弱い方を応援したくなるので、クルドのパーティーが勝つように、応援するだろうなぁ。

 「クルド、勝ってね!」

 「やあ、キリ、応援ありがとう。必ず、勝つよ」

 「頑張ってね」

 私は、手を振って、クルドを応援した。クルドも、手を振って、返してくれた。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 かろうじてだが、クルドのパーティーが勝った。これで、決勝戦は、クルドのパーティーとの対戦となった。

 クルドのパーティーは、タンクのクルドと、剣士が2人、白魔導士と黒魔導士の5人のパーティーだ。私達より、剣士が1人多い、あるいは、黒魔導士が1人多い、ということだ。だから、私が、剣士兼黒魔導士にならないといけない。

 「フヨウ、いよいよ、決勝戦ね」

 「何とか、此処まで、これたね」

 「次の戦いは、どうする?」

 「相手のタンクは、僕に任せて」

 「いいよ」

 「エルミアは、剣士の相手だ。そして、キリも、剣士の相手をして欲しい」

 「いいわよ」

 「それじゃ、ミユは、相手の白魔導士と黒魔導士の相手ね」

 「ミユ、大丈夫?」

 「えぇ、問題ないわ」

 「それじゃ、頑張ろう!」
 
 「「はい」」

 ついに、決勝戦だ。私達は、闘技場に入って行った。クルドのパーティーも、既に、別の入り口から、入場していた。

 「それでは、用意は、いいですか?」

 「「はい」」

 「それでは、始め!」

 私達は、予定していた戦いの態勢に移動した。

 「ミユ、光魔法で、タンクに攻撃して!」

 私が、ミユに指示を出しながら、剣士の一人に向かっていった。そして、相手の黒魔導士に闇魔法で、結界を張って、魔法が放たれなくした。

 ミユの光攻撃で、怯んだタンクのクルドにフヨウが、襲いかかっている。エルミアも、相手の剣士と戦い始めた。

 私も、相手の剣士と剣を交えた。

 「カン、カン、カン」

 私は、剣を振って戦いながら、水魔法で、相手の足の下に水たまりを作った。

 「おっと、あぶない」

 相手の剣士が、足を取られたのを見て、すかさず、剣を左肩に打ち込んだ。

 「うぅ、まだまだ」

 「これでは、どうかな?」

 今度は、土魔法で、相手の剣士の左足に、重しを作った。左足を引きずるようになった相手の右肩に剣を振り下ろした。

 「うぅ」

 ついに、相手の剣士は、地面に膝をついた。そこで、腰までを土魔法で、埋めてしまい、最後の一振りを相手の右手に打ち込んだ。剣を落としたところを土魔法で、拘束して、動くことが出来なくした。

 周りを見ると、エルミアが、苦戦していた。ミユが、エルミアの所に向かっている。私も、急いで、エルミアの所に向かった。

 「キリ、ミユ、ありがとう」

 「3人で、一気に倒すよ」

 「はい」

 3人の攻撃に相手は、全く受けることが出来ずに、あっという間に倒してしまった。

 「フヨウ、大丈夫?」

 「まだまだ、いけるよ」

 「わかった」

 私達3人は、残っている白魔導士と黒魔導士の方に向かっていった。黒魔導士は、まだ、結界を破っていなかった。そのため、魔法攻撃をすることができないようだ。

 「黒魔導士から、倒すよ」

 「「はい」」

 魔法が放つことができない黒魔導士は、簡単に倒すことが出来た。そして、土魔法で、身動きが取れないように拘束した。

 それを見ていた白魔導士は、自ら、膝を折って、地面に座ってしまった。

 「さて、クルド、降参する?」

 「何をまだまだ」

 「クルド、周りを見てよ。もう、貴方一人だけよ」

 クルドは、フヨウから離れて、周りを見渡した。確かに、自分一人だけになっている。

 「分かった、降参する」

 「それまで、勝者、キリのパーティー!」

 私達のパーティーが優勝だ。卒業を前に、いい記念になった。最後に、クルドと挨拶をして、私達は、闘技場を後にした。

 後日、表彰式が、魔法学院で行われた。皆に祝福されて、嬉しくなった。こんな気分は、久しぶり。やっぱり、魔法学院に入学して良かった。

 キリ姉は、今頃、どうしているのか、急に気になった。一緒に、卒業したかったけど、今も、勇者ハルトと一緒に仲良くしているのかなぁ。

 卒業したら、一度会いに行こう。もちろん、ミユも連れてね。
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