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第14章 魔法学院卒業編
108.実践練習
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卒業前にイベントが行われることになった。そのため、午前の授業の拳闘の講座では、予行を兼ねての練習が始まった。卒業イベントは、パーティーでの参加が基本で、パーティー通りのバトルを行うトーナメントになっている。
今の所、参加チームは、分からないが、魔法学院以外からも、参加できるオープンなイベントらしい。そのため、冒険者のパーティーも、参加するし、兵士のパーティーも参加する。
条件は、人数が5人以下ということだけだ。殺傷性が高い攻撃は禁じられている。私達のパーティーは、折角だから、記念に参加しようということになった。
「今日は、卒業前のイベントに向けて、練習をします。それぞれのパーティーに分かれてください」
私達は、パープルを除いた4人で、参加する。私とミユとフヨウとエルミアだ。いつも、一緒に、ダンジョンに潜っているので、息はぴったりだ。問題があるとすると、制限された中でのバトルだということだ。
私の模倣は、どんな初歩的な魔法でも、相手を殺してしまう。だから、火球ですら、放つことができない。だから、私は、剣を使った攻撃に徹することにした。
参加パーティは、13パーティになったようだ。
兵士達のパーティーが2つ、冒険者のパーティーが3つで、残りが魔法学院のパーティーになっていた。
クルドも、パーティーを組んで、参加するみたいだ。怪我をしなければいいけど。まあ、私には、関係のないことだけど。
練習も、参加するパーティー同志の対戦を中心に行うようだ。それ以外の人たちは、前の授業と同じ打ち込みに練習することになった。
「それでは、参加するパーティーは、こちらに集まってください。抽選をします」
アイリス先生が、皆に声を掛けた。すると、参加予定の8つのパーティーが、アイリス先生の傍に集まって来た。
「代表者1名、こちらから、くじを引いてください」
アイリス先生が用意しているくじを各パーティーの代表者が、1つずつ、引いて行く。私が引いたのは、3番のくじだった。
「それでは、番号順に並んでください。そして、隣同士のパーティーに戦って貰います」
それぞれのパーティーは、戦いが開始できるように、一定の間隔をあけて、対峙した。
「本番と同じルールで、戦ってもらいます。よろしいですね。それでは、始め」
私達は、その後もアイリス先生の元、練習を行っていった。いよいよ、明日は、イベント本番だ。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
今日は、イベント本番だ。イベントに参加するパーティーは、代表者が、順にくじを引いて行った。
参加するパーティーは、13組で、その中に、魔法学院の生徒のパーティーは、8組だ。その他に、冒険者のパーティーが3組、兵士のパーティーが、2組あった。
クルドのパーティーが1番くじを引いたと聞いた。直ぐに、第1試合が始まるので、急がないと、試合前に会うことができない。私は、一言、応援の言葉を掛けたいと思って、探したが、もう、闘技場に入っていた。仕方がないので、観客席から、応援することにした。
応援席に引き返すと、クルドのパーティーが闘技場に入ってくるところだった。
「クルド、頑張って!」
私は、大声で、クルドに声援を送った。よく、分かるように、手を振って、クルドがこちらに気が付くまで、繰り返した。
「やあ、キリ、応援ありがとう。頑張るよ」
クルドも、手を振って、答えた。
第1試合は、魔法学院の生徒同士の戦いになった。クルドは、剣で、相手のパーティーのタンクは、槍を持っていた。一般的に、槍の方が、有利とされている。
「それでは、始め!」
係の先生の号令と共に、試合が始まった。
クルドと相手のタンクとの戦いに、後衛の黒魔導士の魔法が放たれてくる。
クルドは、槍の攻撃をうまく、かわしながら、接近戦に持ち込んだ。これで、剣が有利な間合いになった。
クルドのパーティーの白魔導士が、光魔法で、目くらましを放った。一瞬、相手のタンクが怯んだところを、クルドの剣が、胴に打ち込まれた。
「グァアー」
相手のタンクは、堪らず地面に膝をついた。そこに、クルドが再度攻撃を仕掛けようとした。そのとき、相手のパーティーから、降参の合図が上がった。
「それまで、打ち方やめ!」
係の教師の声で、クルドも攻撃を止めた。
「クルドのパーティーの勝ち!」
私は、また、手を振りながら、クルドに声を掛けた。
「クルド、よくやったわ」
「応援、ありがとう。キリも、頑張れよ!」
「はい、分ったわ」
私達のパーティーは、11番のくじを引いたので、今日の6試合目に出場することになった。13番くじを引いたパーティーは、1回戦、不戦勝だ。私達は、兵士のパーティーとの対戦になった。
兵士のパーティーは、全員が剣を持っており、全員がタンクであり、魔導士でもある。厄介なパーティーだ。そこで、フヨウが、事前に戦い方を検討しようと皆に声を掛けて来た。
それで、一旦、闘技場の外で、相談することになった。
「フヨウ、何か、考えがあるの?」
私は、フヨウに、尋ねた。
「特には、ないけど、私とエルミアが、ペアで、相手の1人と戦おうと思っている」
「それなら、残りの4人を足止めしないといけないね」
ミユが、フヨウを補足した。
「分かったわ。私が、4人を足止めするわ。それと、ミユに強化して貰うね」
「はい、準備しておきます」
簡単な打ち合わせを終えて、私達は、また、観客席に戻っていった。
今の所、参加チームは、分からないが、魔法学院以外からも、参加できるオープンなイベントらしい。そのため、冒険者のパーティーも、参加するし、兵士のパーティーも参加する。
条件は、人数が5人以下ということだけだ。殺傷性が高い攻撃は禁じられている。私達のパーティーは、折角だから、記念に参加しようということになった。
「今日は、卒業前のイベントに向けて、練習をします。それぞれのパーティーに分かれてください」
私達は、パープルを除いた4人で、参加する。私とミユとフヨウとエルミアだ。いつも、一緒に、ダンジョンに潜っているので、息はぴったりだ。問題があるとすると、制限された中でのバトルだということだ。
私の模倣は、どんな初歩的な魔法でも、相手を殺してしまう。だから、火球ですら、放つことができない。だから、私は、剣を使った攻撃に徹することにした。
参加パーティは、13パーティになったようだ。
兵士達のパーティーが2つ、冒険者のパーティーが3つで、残りが魔法学院のパーティーになっていた。
クルドも、パーティーを組んで、参加するみたいだ。怪我をしなければいいけど。まあ、私には、関係のないことだけど。
練習も、参加するパーティー同志の対戦を中心に行うようだ。それ以外の人たちは、前の授業と同じ打ち込みに練習することになった。
「それでは、参加するパーティーは、こちらに集まってください。抽選をします」
アイリス先生が、皆に声を掛けた。すると、参加予定の8つのパーティーが、アイリス先生の傍に集まって来た。
「代表者1名、こちらから、くじを引いてください」
アイリス先生が用意しているくじを各パーティーの代表者が、1つずつ、引いて行く。私が引いたのは、3番のくじだった。
「それでは、番号順に並んでください。そして、隣同士のパーティーに戦って貰います」
それぞれのパーティーは、戦いが開始できるように、一定の間隔をあけて、対峙した。
「本番と同じルールで、戦ってもらいます。よろしいですね。それでは、始め」
私達は、その後もアイリス先生の元、練習を行っていった。いよいよ、明日は、イベント本番だ。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
今日は、イベント本番だ。イベントに参加するパーティーは、代表者が、順にくじを引いて行った。
参加するパーティーは、13組で、その中に、魔法学院の生徒のパーティーは、8組だ。その他に、冒険者のパーティーが3組、兵士のパーティーが、2組あった。
クルドのパーティーが1番くじを引いたと聞いた。直ぐに、第1試合が始まるので、急がないと、試合前に会うことができない。私は、一言、応援の言葉を掛けたいと思って、探したが、もう、闘技場に入っていた。仕方がないので、観客席から、応援することにした。
応援席に引き返すと、クルドのパーティーが闘技場に入ってくるところだった。
「クルド、頑張って!」
私は、大声で、クルドに声援を送った。よく、分かるように、手を振って、クルドがこちらに気が付くまで、繰り返した。
「やあ、キリ、応援ありがとう。頑張るよ」
クルドも、手を振って、答えた。
第1試合は、魔法学院の生徒同士の戦いになった。クルドは、剣で、相手のパーティーのタンクは、槍を持っていた。一般的に、槍の方が、有利とされている。
「それでは、始め!」
係の先生の号令と共に、試合が始まった。
クルドと相手のタンクとの戦いに、後衛の黒魔導士の魔法が放たれてくる。
クルドは、槍の攻撃をうまく、かわしながら、接近戦に持ち込んだ。これで、剣が有利な間合いになった。
クルドのパーティーの白魔導士が、光魔法で、目くらましを放った。一瞬、相手のタンクが怯んだところを、クルドの剣が、胴に打ち込まれた。
「グァアー」
相手のタンクは、堪らず地面に膝をついた。そこに、クルドが再度攻撃を仕掛けようとした。そのとき、相手のパーティーから、降参の合図が上がった。
「それまで、打ち方やめ!」
係の教師の声で、クルドも攻撃を止めた。
「クルドのパーティーの勝ち!」
私は、また、手を振りながら、クルドに声を掛けた。
「クルド、よくやったわ」
「応援、ありがとう。キリも、頑張れよ!」
「はい、分ったわ」
私達のパーティーは、11番のくじを引いたので、今日の6試合目に出場することになった。13番くじを引いたパーティーは、1回戦、不戦勝だ。私達は、兵士のパーティーとの対戦になった。
兵士のパーティーは、全員が剣を持っており、全員がタンクであり、魔導士でもある。厄介なパーティーだ。そこで、フヨウが、事前に戦い方を検討しようと皆に声を掛けて来た。
それで、一旦、闘技場の外で、相談することになった。
「フヨウ、何か、考えがあるの?」
私は、フヨウに、尋ねた。
「特には、ないけど、私とエルミアが、ペアで、相手の1人と戦おうと思っている」
「それなら、残りの4人を足止めしないといけないね」
ミユが、フヨウを補足した。
「分かったわ。私が、4人を足止めするわ。それと、ミユに強化して貰うね」
「はい、準備しておきます」
簡単な打ち合わせを終えて、私達は、また、観客席に戻っていった。
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