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第14章 魔法学院卒業編
105.ダンジョンでの演習
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1時間目の拳闘の講座の後、暫く休憩となった。午後から、ダンジョン内での演習になっている。各グループごとにダンジョン内の指定された魔物を倒して、その証拠品を持って帰ることが課題になっている。
私達は、今回の課題であるゴブリンを10匹倒すことに集中することにした。第5階層に、ゴブリンの群れがいることは、直ぐに分かったので、そこまで、一気に潜ることにした。そして、簡単にゴブリンを10匹狩って、ダンジョンを出た。
ダンジョンの外には、担当の教師が待って居た。
「ミユ、証拠品を渡して」
「はい」
ミユは、今回の課題の証拠品を渡した。それに引き換えて、終了証を渡してくれた。
「キリ、今回の課題は、何の役にも立たないね」
フヨウが、ガッカリした顔で、私に訊いた。
「確かに、そうね」
私も、同意した。
「それじゃ、教師に相談する?」
私は、フヨウに訊き返した。
「お願いして、いいか?」
「はい、いいわ」
私は、上級教師のマルグリット先生に相談することにした。魔法学院に戻って、マルグリット先生の部屋に行った。
「コン、コン、コン」
「はい、どなた?」
「キリです。入ってもいいですか?」
「いいですよ」
私は、中に入って、マルグリット先生に早速相談を始めた。
「私のパーティーは、既に、Sランクになっています。その為、ダンジョンでの課題が、物足りないのです」
「そうねぇ。特別に他の課題をこなして貰いましょうか? それでいいわね」
「はい、結構です。よろしく、お願いします」
マルグリット先生は、ダンジョン内での演習の担当教師に私達の事を話してくれた。それから、暫くして、担当教師から、話があった。
「キリ、マルグリット先生から、聞きました」
「はい」
「それで、課題の魔物と同じだけの魔物の数を、課題より強い魔物で、充当することを許可します。そして、そのダンジョンは、何処でも構いません」
「本当ですか?」
「はい、どのダンジョンで、課題を満たして、構いません。キリに任せます」
「ありがとうございました」
私は、結果をパーティーの皆に報告した。そして、今後の私達の課題は、フヨウが決めることになった。
私達は、いつも通りに、食堂に集合した。フヨウが皆に声を掛けた。
「今度は、上級ダンジョンに潜る予定だ。もともとの課題は、ワーウルフを10匹狩るという者だけど、私達は、サーペイントを10匹狩ることにするよ。いいかな?」
「フヨウ、いいわよ」
私は、直ぐに、賛同した。でも、エルミアが、少し、首を傾げた。何か、疑問があるようだ。そこで、私は、エルミアに、尋ねてみた。
「エルミア、何か、言いたいことがあるの? 遠慮しないで、言ってよ」
「うん。少し、何か違うような気がしているの」
「どういうこと」
「うまく言えないけど、今回は、私達のスキルアップのために、元々の課題と違う魔物を狩ることにしたよね」
「そうだよ。だから、ワーウルフより、強い魔物のサーペイントを選んだんだ」
「フヨウは、それでいいの?」
「エルミア、よく分からないよ。もっと、はっきり言ってよ」
フヨウが、少し、不機嫌になって来たようだ。折角、考えて来たのに、漠然と反対されて、納得いかないようだ。
「だから、サーペイントを10匹倒して、私達にパーティーが練習になるの? フヨウ一人でも、今なら、倒せるのじゃないの?」
「倒せると思うよ。僕、一人でも」
フヨウが、エルミアに答えた。そして、少し考え込んで、エルミアに、言いなおした。
「わかったよ。でも、レッド・ドラゴンは、10匹もいないよ」
「私も、分っているわ。だから、言うのをためらったの」
エルミアが、フヨウの顔を見ながら、囁くように言った。
「エルミア、分かったわ。一つの種類の魔物を10匹狩ろうと思わなければいいのじゃない?」
私が、エルミアに、提案した。
「そうね。それなら、いいわ」
エルミアも、笑顔になった。
「それじゃ、まず、レッド・ドラゴンを倒して、それから、階層を戻りながら、強い魔物を倒して行く?」
フヨウが、計画を変更した。ミユも、それに、頷いている。賛成のようだ。
「それじゃ、決まりね」
「「はい」」
私達は、上級ダンジョンに、転移魔法で、移動した。そして、その最下層に一旦潜り、レッド・ドラゴンを倒すことにした。
「それじゃ、最下層に転移魔法で、移動する? それとも、1階層ずつ、潜っていく?」
「「転移魔法!」」
皆が、一斉に叫んだ。私も、頷いた。私は、皆が私の腰に抱き付くのを確認してから、再度、転移魔法で、需給ダンジョンの最下層に移動した。
「さあ、着いたわ」
「僕が、行くよ。支援してね」
ミユが、フヨウを強化した。
「スキル魔力耐性向上、
スキル物理攻撃向上、
スキル攻撃速度向上」
「ありがとう。エルミア、行くよ」
「はい」
いつも通り、フヨウとエルミアが、レッド・ドラゴンに向かっていった。私は、土魔法で、レッド・ドラゴンの足を固定した。これで、空を飛ぶことが出来ないだろう。
ミユは、光魔法で、レッド・ドラゴンの目の前に光の球を爆発させた。レッド・ドラゴンは、暫くの間、何も見えなくなった。その一瞬の機会をフヨウが捕らえて、レッド・ドラゴンの逆臨に攻撃した。エルミアは、風魔法で、フヨウの身体を飛ばして、攻撃の速度を更に加速させた。
「ドリャー」
フヨウの剣が、レッド・ドラゴンの逆臨に突き刺さった。そして、鱗が割れて、落ちて行った。
すると、エルミアが、風魔法で、フヨウの持っている剣の所まで、飛んで行き、その剣を両手で、掴み、更に奥に押し込んだ。
「グウァー」
一気に、レッド・ドラゴンを倒した。飛び出した大きな魔石を拾って、次に魔物に向かった行くことにした。
私達は、今回の課題であるゴブリンを10匹倒すことに集中することにした。第5階層に、ゴブリンの群れがいることは、直ぐに分かったので、そこまで、一気に潜ることにした。そして、簡単にゴブリンを10匹狩って、ダンジョンを出た。
ダンジョンの外には、担当の教師が待って居た。
「ミユ、証拠品を渡して」
「はい」
ミユは、今回の課題の証拠品を渡した。それに引き換えて、終了証を渡してくれた。
「キリ、今回の課題は、何の役にも立たないね」
フヨウが、ガッカリした顔で、私に訊いた。
「確かに、そうね」
私も、同意した。
「それじゃ、教師に相談する?」
私は、フヨウに訊き返した。
「お願いして、いいか?」
「はい、いいわ」
私は、上級教師のマルグリット先生に相談することにした。魔法学院に戻って、マルグリット先生の部屋に行った。
「コン、コン、コン」
「はい、どなた?」
「キリです。入ってもいいですか?」
「いいですよ」
私は、中に入って、マルグリット先生に早速相談を始めた。
「私のパーティーは、既に、Sランクになっています。その為、ダンジョンでの課題が、物足りないのです」
「そうねぇ。特別に他の課題をこなして貰いましょうか? それでいいわね」
「はい、結構です。よろしく、お願いします」
マルグリット先生は、ダンジョン内での演習の担当教師に私達の事を話してくれた。それから、暫くして、担当教師から、話があった。
「キリ、マルグリット先生から、聞きました」
「はい」
「それで、課題の魔物と同じだけの魔物の数を、課題より強い魔物で、充当することを許可します。そして、そのダンジョンは、何処でも構いません」
「本当ですか?」
「はい、どのダンジョンで、課題を満たして、構いません。キリに任せます」
「ありがとうございました」
私は、結果をパーティーの皆に報告した。そして、今後の私達の課題は、フヨウが決めることになった。
私達は、いつも通りに、食堂に集合した。フヨウが皆に声を掛けた。
「今度は、上級ダンジョンに潜る予定だ。もともとの課題は、ワーウルフを10匹狩るという者だけど、私達は、サーペイントを10匹狩ることにするよ。いいかな?」
「フヨウ、いいわよ」
私は、直ぐに、賛同した。でも、エルミアが、少し、首を傾げた。何か、疑問があるようだ。そこで、私は、エルミアに、尋ねてみた。
「エルミア、何か、言いたいことがあるの? 遠慮しないで、言ってよ」
「うん。少し、何か違うような気がしているの」
「どういうこと」
「うまく言えないけど、今回は、私達のスキルアップのために、元々の課題と違う魔物を狩ることにしたよね」
「そうだよ。だから、ワーウルフより、強い魔物のサーペイントを選んだんだ」
「フヨウは、それでいいの?」
「エルミア、よく分からないよ。もっと、はっきり言ってよ」
フヨウが、少し、不機嫌になって来たようだ。折角、考えて来たのに、漠然と反対されて、納得いかないようだ。
「だから、サーペイントを10匹倒して、私達にパーティーが練習になるの? フヨウ一人でも、今なら、倒せるのじゃないの?」
「倒せると思うよ。僕、一人でも」
フヨウが、エルミアに答えた。そして、少し考え込んで、エルミアに、言いなおした。
「わかったよ。でも、レッド・ドラゴンは、10匹もいないよ」
「私も、分っているわ。だから、言うのをためらったの」
エルミアが、フヨウの顔を見ながら、囁くように言った。
「エルミア、分かったわ。一つの種類の魔物を10匹狩ろうと思わなければいいのじゃない?」
私が、エルミアに、提案した。
「そうね。それなら、いいわ」
エルミアも、笑顔になった。
「それじゃ、まず、レッド・ドラゴンを倒して、それから、階層を戻りながら、強い魔物を倒して行く?」
フヨウが、計画を変更した。ミユも、それに、頷いている。賛成のようだ。
「それじゃ、決まりね」
「「はい」」
私達は、上級ダンジョンに、転移魔法で、移動した。そして、その最下層に一旦潜り、レッド・ドラゴンを倒すことにした。
「それじゃ、最下層に転移魔法で、移動する? それとも、1階層ずつ、潜っていく?」
「「転移魔法!」」
皆が、一斉に叫んだ。私も、頷いた。私は、皆が私の腰に抱き付くのを確認してから、再度、転移魔法で、需給ダンジョンの最下層に移動した。
「さあ、着いたわ」
「僕が、行くよ。支援してね」
ミユが、フヨウを強化した。
「スキル魔力耐性向上、
スキル物理攻撃向上、
スキル攻撃速度向上」
「ありがとう。エルミア、行くよ」
「はい」
いつも通り、フヨウとエルミアが、レッド・ドラゴンに向かっていった。私は、土魔法で、レッド・ドラゴンの足を固定した。これで、空を飛ぶことが出来ないだろう。
ミユは、光魔法で、レッド・ドラゴンの目の前に光の球を爆発させた。レッド・ドラゴンは、暫くの間、何も見えなくなった。その一瞬の機会をフヨウが捕らえて、レッド・ドラゴンの逆臨に攻撃した。エルミアは、風魔法で、フヨウの身体を飛ばして、攻撃の速度を更に加速させた。
「ドリャー」
フヨウの剣が、レッド・ドラゴンの逆臨に突き刺さった。そして、鱗が割れて、落ちて行った。
すると、エルミアが、風魔法で、フヨウの持っている剣の所まで、飛んで行き、その剣を両手で、掴み、更に奥に押し込んだ。
「グウァー」
一気に、レッド・ドラゴンを倒した。飛び出した大きな魔石を拾って、次に魔物に向かった行くことにした。
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