二人キリの異世界冒険 (Information Teacher's Second Life)【完結】

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第13章 Sクラスパーティー編

101.新たなダンジョンの制圧

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 私は、週末に終わらせるのには、更に、進んでおく必要があると考えた。そこで、パープルに尋ねた。

 「もう少し、潜るよ。いい?」

 「うん。元気だよ」

 「それじゃ、行くよ」

 「うん。キリ、背中に乗る?」

 私は、パープルの背中に乗って、一気に潜っていくことにした。

 「風壁ウィンド・ウォール
 風壁ウィンド・ウォール
 風壁ウィンド・ウォール

 私は、パープルの背中に乗ったまま、範囲魔法を放ち続けた。そして、スキル探索で、レベル50以上の魔物だけをチェックすることにした。

 「パープル、右の奥の魔物を倒すよ」

 パープルは、私の指示通りに動いてくれた。それで、ダンジョンの中を一気に潜っていくことが出来た。

 第30階層に達したときに、一度、食事休憩を取ることにした。今日は、ミユにお願いして、弁当を作って貰って来たの。これは、今日一番の楽しみ。なんせ、ミユの料理は、とても、美味しいの。

 私は、土魔法で、テーブルと椅子を作って、その上にアイテムボックスから、料理を出して、並べた。当然、パープルの大好物の肉料理もたっぷりある。

 「さあ、食べましょう」

 「うん。食べるよ」

 パープルは、肉の皿を手元に寄せると、一気に平らげた。それを見て、これは、足らないのかな? って、思って、急いで、もう一皿、肉料理を出した。それも、あっという間に、消えてしまった。

 「パープル、まだ、肉が食べたい?」

 「うん。もう少し欲しい」

 「分かったわ」

 私は、アイテムボックスから、もう一皿、肉料理を出して、テーブルの上に置いた。やっと、パープルも、普通のスピードで、食べるようになった。少しは、お腹が膨れたようだ。

 私も、料理に手を出して、食べながら、スキル探索で、ダンジョンの様子を調べた。ダンジョンの制圧は、皆と一緒に成し遂げたいので、最下層には、今日は行かない。でも、1日で、ダンジョンの制圧が出来るためには、せめて、第50階層ぐらいまでは、潜っておきたい。

 私は、パーティーで潜って来た時の為に、第30階層から、下の階層へ向かう出口付近に転移魔法用の魔法陣を描いて、闇魔法で、結界を張っておいた。これで、次来た時は、ここまで、一気に来ることが出来る。

 「パープル、今日は、第50階層まで潜りたいの。いいかな?」

 「うん。まだまだ、大丈夫」

 「それじゃ、また、潜るか」

 「うん」

 パープルの背に乗って、また、ダンジョンを潜り始めた。先ほどと同じように、弱い魔物は、範囲攻撃で狩って行った。

 「風壁ウィンド・ウォール
 風壁ウィンド・ウォール
 風壁ウィンド・ウォール

 スキル探索で、調べると、レベル60以上の魔物が各層に何匹かいる。しかし、それらの魔物は、群れにはなっていなかった。そこで、一旦、第50階層まで、魔物の数を減らしながら進むことにした。つまり、倒すのに時間が掛かりそうな魔物は、放っておいて、先を急いで行くことにした。

 私達は、これまで以上に、スピードアップすることが出来た。そして、ついに、予定した第50階層に到達した。取り敢えず、下の階層へ向かう出口付近に転移魔法用の魔法陣を描いて、闇魔法で、結界を張った。

 これで、今日の最低限の仕事は、終わった。週末に皆で来た時に、1日で、制圧できるはずだ。でも、もっと、詳しく調べておいた方が、安心なので、スキル探索で、この先は、1階層ずつ、調べておくことにした。

 「ダンジョンを調べておきたいから、少し、待っていてね」

 「うん。待っている」

 私は、土魔法で、テープると椅子を出して、アイテムボックスから、残っている料理を並べてあげた。

 「これでも、食べていてね」

 「うん」

 パープルは、椅子に座らずに、料理に飛びついて行った。これで、暫く、待って貰えるね。

 第51階層から、スキル探索で、細かく知らべていった。そして、その結果をメモの残しておいた。最下層のダンジョンマスターは、レッド・ドラゴンだった。特に問題なく、倒せそうだ。でも、できれば、フヨウとエルミアで、倒して欲しい。そこで、レベル50未満の魔物は、狩りつくしておくことにした。そして、万が一のことを考えて、最下層にも、転移魔法用の魔法陣を描いておくことにした。

 私は、パープルが料理を食べ尽くすのを待って居た。それには、それほど時間が掛からなかった。

 「キリ、もういいよ」

 「それじゃ、もう一度行くよ」

 「うん」

 私は、また、パープルの背に乗って、ダンジョンを潜って行った。そして、範囲魔法を放ち続けた。

 「風壁ウィンド・ウォール
 風壁ウィンド・ウォール
 風壁ウィンド・ウォール

 1階層ずつ、順番に潜って行った。そして、弱い魔物を倒し切った。ついに、最下層にやってきた。

 「パープル、ここで、少し休憩よ」

 「うん」

 私は、パープルの背中から降りて、隅に転移魔法用の魔法陣を描いて、闇魔法で、結界を張っておいた。ダンジョンマスターのレッド・ドラゴンは、レベル80の魔物だ。フヨウとエルミアで、倒せないことはないが、かなり苦戦しそうだ。でも、これも経験だね。

  私達は、一旦、魔法学院に戻って、ダンジョンの様子をフヨウ達に伝えることにした。
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