二人キリの異世界冒険 (Information Teacher's Second Life)【完結】

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第11章 商人キリ活躍編

87.サンライズ商店の買い取り

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 これまで、余り商人としては、真剣に活動してこなかったけど、これからは、少し、考えを改めようと思った。

 というのも、あと1年で、魔法学院も卒業する。そして、その後は、何も考えていなかった。冒険者として、Sランクになるというのも、時間の問題で、特に、何か、頑張らなくても、達成できる目標になってしまった。

 それで、将来の事を考えると、何時までも、冒険者という訳にもいかないと思った。それで、商人として、もう一度、真剣に活動することにした。

 まずは、正式にサンライズ商店を自分たちの物にすることが大事だと思った。そこで、サンライズ商店の現在の店主に、買取の事を相談しに行った。

 「私は、別に、店主でなくてもいいです。今と同じように、給料を貰えたら、構いません」

 「それでは、この書類にサインしてください」

 「はい」

 これで、サンライズ商店の権利は、私の物になった。そして、現店主は、ただの従業員となった。実質は、何の変化もないのだけど、これで、自分の名前を公に出すことが出来る。これが、大きな違いの一つだ。

 次に、以前出していた求人依頼の結果を聞きに商業ギルドに行った。

 「すみません。サンライズ商店のキリと言いますが、先日の求人依頼の結果を聞きに来ました」

 「はい、少し待って下さい。書類を持ってきます」

 受付の猫耳族の女性は、胸に名札を付けていた。それには、チョートンという名前が書かれていた。

 「それでは、少し説明しますので、あちらのソファーにお座りください」

 私達は、テーブルの前のソファに対面になるように座った。チョートンは、テーブルの上に書類を並べていった。

 「これが、現在来ている希望者です」

 私は、書類の履歴書を手に取って、内容を確認していった。希望しているのは、出来るだけ若くて、住み込みが出来る者だ。適していそうな者が3人いた。

 「チョートンさん、この3人を雇いたいと思います。いつから、働いて貰えますか?」

 「急ぎますか?」

 「はい、できれば」

 「それでは、これから、ここに来て貰いますね」

 「はい」

 暫く待って居ると、商業ギルドに3人のドワーフの子供が現れた。少し、おどおどした感じで、私の前のソファに座った。

 「こちらが、先ほどの3人です」

 「私から、少し、確認していいですか?」

 「どうぞ、聞いてください」

 「まず、住み込みになりますが、よろしいですか?」

 「「はい」」

 3人とも、大丈夫なようだ。

 「それでは、今の年齢を教えてください。」

 「私は、10才です」

 「私は、9才です」

 「私も、9才です」

 左から、順番に年齢を言って貰った。いずれも、思っていたより若かった。これなら、大丈夫だろう。


 「分かりました。給料は、月に金貨30枚です。しかし、仕事ぶりを見て、上げて行きますので、最低の金額だと思ってください。それと、寮を用意します。こちらの費用は、いりません」

 「「はい」」

 「最後に、明日から、働けますか?」

 「「はい」」

 「わかりました。それでは、明日の昼にここに荷物を持って来て下さい」

 私は、チョートンに礼を言って、商業ギルドを後にした。直ぐに支店に転移魔法で移動して、地下に従業員が住む寮の部屋を作った。それと共に、作業場を用意した。まず1年は、ここで、これまで、私が研究してきた物を理解して貰うことにした。その理解度に応じて、次の仕事を用意する予定だ。

 翌日に私は、商業ギルドから、3人の授業員を連れて、支店の寮にやって来た。

 「ここで、 住み込んで貰います。部屋は、3人で、相談して、決めてください」

 「「はい」」

 3人は、相談して、部屋を決めて、荷物を運んでいた。

 「それでは、仕事内容を教えます」

 私は、3人を連れて、作業場にやって来た。ここには、マナドールやマナコンが配置されている。それと、データベースの端末も5台用意している。

 「それでは、こちらの機械から、使えるようにしてください」

 私は、3人をマナコンが1台ずつ置かれている机に案内した。1人1台のマナコンを使って貰う。

 簡単な説明をして、3人に実際に操作して貰った。最初は、おどおどして、操作していたが、次第に慣れて、色んな所に興味を持って、触っていた。

 「君たちは、読み書きや計算はできるの?」

 「「はい」」

 「このマナコンも計算ができるよ。試してみて」

 基本的な操作を教えた後は、自由にさせることにした。暫くしてから、3人に少し質問をした。

 「君たちは、料理ってできるの?」

 「「はい」」

 「食事は、いつもどうしているの?」

 「母が、作ってくれました」

 「「私も」」

 「そうか、それなら、どこかで、食事をするのがいいかな?」

 「ここで、自分で作りたいです」

 「「私も」」

 「そうか、それなら、料理が出来る様に、台所を作っておくよ。それから、材料は、街の店で、自由に買って貰っていいよ。料金は、サンライズ商店に請求するように言ってくれ」

 「「はい」」

 私は、急いで、台所を作って、必要な物を購入して配置した。そして、当面の仕事内容を指示して、魔法学院の自分の部屋に転移魔法で移動した。今日は、パープルと一緒に休むことにした。
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