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第10章 魔法学院ミユ編
86.ミユの入学試験
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もうすぐ、魔法学院の入学試験が始まる。今年は、ミユが受験する予定だ。魔法学院で相談してみると、今年も特別枠で5人入学できるそうだ。
特別枠での入学試験は、例年と同じで、実技試験と面接になる。実技試験は、ダンジョンに隠されたアイテムをいかに早く持ち帰るかを競う。面接は、学院長と3名の上級教師による口頭試問だ。面接は、形式だけで、実技試験で、ほぼ合格が決まる。
この特別枠での合格者は、入学金の金貨10枚以外、入学から卒業するまでのすべての費用が免除される。
指定されているダンジョンは初心者用ダンジョンで、最下層の階層でも、第20階層までしかない。
ミユは、試験会場のダンジョンに一人で潜って練習するみたいだ。まあ、何度も潜っているダンジョンだから、大丈夫だと思うけど、少し心配なので、パープルに様子を見て貰うことにした。
暫くして、ミユとパープルが戻って来た。
「ミユ、どうだった?」
「はい、大丈夫です。試験の時でも心配ないです」
「良かった。変な魔物が出て来やしないかと、心配」
「そんなことは、ないです」
「でも、少し心配」
こうして、ミユの入学試験の準備は万全の状態になった。そして、いよいよ、入学試験の日になった。
ミユは、しっかり準備して、試験会場の初級ダンジョンに向かっていった。
私は、ミユが心配で、隠密魔法で姿を消して、後を追いかけた。誰にも見つからないように潜んでいたんだけど、パープルに見つかってしまった。パープルは、私を見つけると、隠密魔法で、消えているのに、飛び付いてきた。その為に、ミユにばれてしまった。
「キリ、何しているの」
ミユは、私に小さな声で問い詰めた。
「ごめん、ミユの事が心配で、つい、来てしまったの」
「不正行為で、私が不合格になってもいいの?」
「わかったわ」
私は、ミユに怒られて、少し、しょげてしまった。パープルにも、隠密魔法を掛けて、誰にも見られていないことを確認して、転移魔法で魔法学院の自分の部屋に移動した。
そして、二人の隠密魔法を解除した。
「もう、パープルったら、ミユに怒られてしまったじゃない」
「でも、キリが黙って行くからだよ。キリが心配」
「分かったわ。私が悪かったわ。ごめんね」
私は、仕方がないので、部屋で、結果を待つことにした。暫くすると、結果が発表されるって、聞いたので、急いで発表場所に向かった。
そこには、エルミアも、フヨウも立っていた。そこに、ミユがゆっくりと歩いてきた。
「どうだった?」
私は、掲示板を見ずに、ミユに合否を尋ねた。
「無事、合格しました。これで、同じ、魔法学院の生徒になりました」
「良かったね。ミユ、これからもよろしくね」
皆、ミユが合格したことを自分のことのように喜んだ。
「ミユ、学年は、一つ下になってしまったけど、聴講生として、合格した科目は卒業科目に含まれるって、マルグリット先生が言っていたよ」
「本当、それなら、一緒に卒業もできるそうね」
「頑張ってね。一緒に卒業しようね」
「はい」
私は、これから試験を受けることもないので、魔法学院の生活は退屈な物になってしまいそうだ。そこで、新たに何か、目標を持つことを考えた。
まず、これまで、放っておいた地下基地の整備から始めることにした。これまでに、各国に作っていた施設を順番に回って、改良していくことにした。
最初に選んだのは、トード王国だ。というのも、この国のド-トムント、マ-セイ、エアフ-ト、リグーリの各街には、兵士を作る工場も設置しているし、サーバーを作り、ネットワークにも参加させているので、キリの組織としては、中心の国にできると思ったからだ。
私は、魔法学院の授業の合間に、それぞれの街の施設を見るために、転移魔法で移動した。
今日は、トード王国のド-トムントの施設を点検する予定で、パープルと共に、転移魔法で移動した。
「ここは、マナドールが管理しているだけだったね」
「うん、そうみたい」
私は、工場とサーバーを点検した。特に問題はないようだ。それから、保管している2万体のマナドールの状態を確かめた。以前作ったものだが、正常に動くようだ。ただ、制御用のソフトウェアの動作が遅いので、改良が必要だ。
私は、施設を見ながら、以前の問題点を思い出していた。マナコンの動作速度が遅いということと、マナドールの兵士としての能力が低いということだ。高速に動くように改良することが、最優先の課題だ。
自分一人で、開発していくことは、難しいと思われた。そこで、協力者を探すことにした。そこで、商業ギルドに求人依頼を出すことにした。まずは、このドートムントの街で、集めることにした。
私は、商業ギルドに入って行った。
「すみません。誰か、いませんか?」
「はい、少し待って下さい」
部屋の奥から、声が聞こえた。この街の商業ギルドには、余り客が入っていない。そのため、受付の人が部屋の奥で、別の仕事をしている。暫くすると、受付の係の人がやって来た。猫耳族の女性だ。猫耳族の年齢は私には分からないけど、若そうだ。
「お待たせしました。どのような依頼でしょうか?」
「サンライズ商店の物ですが、商業IDの更新をお願いします」
「それでは、商業IDを出してください」
私は、商業IDを受付に渡した。すると、受付の人は、また、奥の部屋に消えて行った。暫くして、新しい商業IDを持って、やって来た。
「はい、これで、更新は終わりました。できれば、年に1回は商業IDを使ってください。そうすれば、自動的に更新されますよ」
「わかりました。今後、注意します。ところで、求人依頼をしたいのですが、いいですか」
「はい、構いません。どのような内容ですか?」
私は、係の人に、依頼内容を伝え、書類にサインをして、商業ギルドを出た。1週間後にもう一度訪ねてくるように言われたので、一度、魔法学院の自分の部屋に戻る事にした。パープルと一緒に、転移魔法で自分の部屋に移動した。
特別枠での入学試験は、例年と同じで、実技試験と面接になる。実技試験は、ダンジョンに隠されたアイテムをいかに早く持ち帰るかを競う。面接は、学院長と3名の上級教師による口頭試問だ。面接は、形式だけで、実技試験で、ほぼ合格が決まる。
この特別枠での合格者は、入学金の金貨10枚以外、入学から卒業するまでのすべての費用が免除される。
指定されているダンジョンは初心者用ダンジョンで、最下層の階層でも、第20階層までしかない。
ミユは、試験会場のダンジョンに一人で潜って練習するみたいだ。まあ、何度も潜っているダンジョンだから、大丈夫だと思うけど、少し心配なので、パープルに様子を見て貰うことにした。
暫くして、ミユとパープルが戻って来た。
「ミユ、どうだった?」
「はい、大丈夫です。試験の時でも心配ないです」
「良かった。変な魔物が出て来やしないかと、心配」
「そんなことは、ないです」
「でも、少し心配」
こうして、ミユの入学試験の準備は万全の状態になった。そして、いよいよ、入学試験の日になった。
ミユは、しっかり準備して、試験会場の初級ダンジョンに向かっていった。
私は、ミユが心配で、隠密魔法で姿を消して、後を追いかけた。誰にも見つからないように潜んでいたんだけど、パープルに見つかってしまった。パープルは、私を見つけると、隠密魔法で、消えているのに、飛び付いてきた。その為に、ミユにばれてしまった。
「キリ、何しているの」
ミユは、私に小さな声で問い詰めた。
「ごめん、ミユの事が心配で、つい、来てしまったの」
「不正行為で、私が不合格になってもいいの?」
「わかったわ」
私は、ミユに怒られて、少し、しょげてしまった。パープルにも、隠密魔法を掛けて、誰にも見られていないことを確認して、転移魔法で魔法学院の自分の部屋に移動した。
そして、二人の隠密魔法を解除した。
「もう、パープルったら、ミユに怒られてしまったじゃない」
「でも、キリが黙って行くからだよ。キリが心配」
「分かったわ。私が悪かったわ。ごめんね」
私は、仕方がないので、部屋で、結果を待つことにした。暫くすると、結果が発表されるって、聞いたので、急いで発表場所に向かった。
そこには、エルミアも、フヨウも立っていた。そこに、ミユがゆっくりと歩いてきた。
「どうだった?」
私は、掲示板を見ずに、ミユに合否を尋ねた。
「無事、合格しました。これで、同じ、魔法学院の生徒になりました」
「良かったね。ミユ、これからもよろしくね」
皆、ミユが合格したことを自分のことのように喜んだ。
「ミユ、学年は、一つ下になってしまったけど、聴講生として、合格した科目は卒業科目に含まれるって、マルグリット先生が言っていたよ」
「本当、それなら、一緒に卒業もできるそうね」
「頑張ってね。一緒に卒業しようね」
「はい」
私は、これから試験を受けることもないので、魔法学院の生活は退屈な物になってしまいそうだ。そこで、新たに何か、目標を持つことを考えた。
まず、これまで、放っておいた地下基地の整備から始めることにした。これまでに、各国に作っていた施設を順番に回って、改良していくことにした。
最初に選んだのは、トード王国だ。というのも、この国のド-トムント、マ-セイ、エアフ-ト、リグーリの各街には、兵士を作る工場も設置しているし、サーバーを作り、ネットワークにも参加させているので、キリの組織としては、中心の国にできると思ったからだ。
私は、魔法学院の授業の合間に、それぞれの街の施設を見るために、転移魔法で移動した。
今日は、トード王国のド-トムントの施設を点検する予定で、パープルと共に、転移魔法で移動した。
「ここは、マナドールが管理しているだけだったね」
「うん、そうみたい」
私は、工場とサーバーを点検した。特に問題はないようだ。それから、保管している2万体のマナドールの状態を確かめた。以前作ったものだが、正常に動くようだ。ただ、制御用のソフトウェアの動作が遅いので、改良が必要だ。
私は、施設を見ながら、以前の問題点を思い出していた。マナコンの動作速度が遅いということと、マナドールの兵士としての能力が低いということだ。高速に動くように改良することが、最優先の課題だ。
自分一人で、開発していくことは、難しいと思われた。そこで、協力者を探すことにした。そこで、商業ギルドに求人依頼を出すことにした。まずは、このドートムントの街で、集めることにした。
私は、商業ギルドに入って行った。
「すみません。誰か、いませんか?」
「はい、少し待って下さい」
部屋の奥から、声が聞こえた。この街の商業ギルドには、余り客が入っていない。そのため、受付の人が部屋の奥で、別の仕事をしている。暫くすると、受付の係の人がやって来た。猫耳族の女性だ。猫耳族の年齢は私には分からないけど、若そうだ。
「お待たせしました。どのような依頼でしょうか?」
「サンライズ商店の物ですが、商業IDの更新をお願いします」
「それでは、商業IDを出してください」
私は、商業IDを受付に渡した。すると、受付の人は、また、奥の部屋に消えて行った。暫くして、新しい商業IDを持って、やって来た。
「はい、これで、更新は終わりました。できれば、年に1回は商業IDを使ってください。そうすれば、自動的に更新されますよ」
「わかりました。今後、注意します。ところで、求人依頼をしたいのですが、いいですか」
「はい、構いません。どのような内容ですか?」
私は、係の人に、依頼内容を伝え、書類にサインをして、商業ギルドを出た。1週間後にもう一度訪ねてくるように言われたので、一度、魔法学院の自分の部屋に戻る事にした。パープルと一緒に、転移魔法で自分の部屋に移動した。
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