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第10章 魔法学院ミユ編
82ー1.魔法学院のイベント(1)
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後期試験前に魔法学院内の対抗戦が行われることになった。魔法学院の生徒であれば、誰でも参加することができる。その内容は、5人以下のグループでの対抗戦ということだ。魔法学院なので、当然、魔法での技術を競うことになる。
私達も、参加することにした。それも、パーティー名をそのまま使って、エントリーすることにした。私達は、いつも通りの食堂での打ち合わせを行った。
「今度の対抗戦って、どんな内容か知っている?」
私は、皆に、聞いて見た。
「私、知っているよ」
エルミアが、直ぐに返事をした。
「詳しく、教えてくれる」
「いいよ。5人以下のグループでの参加は、知っているよね。それで、私達のパーティーで参加することにしたのね。実際の対抗戦は、初級ダンジョンで行われるの。そこで、魔物を倒して、そのポイントを競うというわけ」
「そうか。ダンジョンで、魔物を狩るのね」
「そうよ。そこで、どのような魔物を狩るか、その段取りが必要なの」
「ポイントは、どうなっているの?」
私は、疑問な点をエルミアに聞いて見た。
「魔物の強さに応じて、3段階に分けられているの。A、B、Cで、Aは、1匹で、1ポイント。Bは、1匹で、3ポイント。Cは、1匹で5ポイント。制限時間内での総ポイント数で、勝敗が決まるの」
「魔物を倒した時の証拠品は、パープルに回収してもらうわ」
「うん。いいよ」
「私達だったら、Aでも、Bでも、Cでも同じ程度の手間で倒せるね」
「そうだね。そんなに、違いはないと思う」
フヨウも私の意見に同意してくれた。
「それじゃ、Cから狩り始めて、B、Aと狩って行くのはどう?」
「「賛成」」
私達は、対抗戦の計画を大雑把に立てた。まあ、それで、十分勝ってしまうと思うけどね。でも、ミユが念のために一度、対抗戦のダンジョンを見ておきたいというので、皆で潜ってみることにした。
「それじゃ、行くよ」
いつも通り、皆が、私の腰に抱き付いた。それから、私達は、転移魔法で、初級ダンジョンの入り口付近に移動した。
「ここが、会場になるのね」
ミユが、私に確認した。
「そうだね。」
エルミアが、補足した。
「ここは、第20階層までしかないの。それに、ダンジョンマスターは、ポイントの対象じゃないの。多分、教師が危険だと思っているのね。だから、ポイントの対象外にして、無駄に戦闘しないように決めたと思うわ」
「それじゃ、潜ってみる?」
私が、皆に聞いて見た。
「ねえ、キリのスキル探索で、どの程度分かるの?」
「どういう意味?」
「どの階層に、どの魔物が、何匹いるかって、今の場所でも分かるの?」
「分かるよ。全体を大雑把に探索することと、特定の階層を詳しく探索することができるよ」
「そうか。それなら、実際に潜る必要はないね」
フヨウが、皆に同意を求めた。それでも、ミユは、少し、心配そうな顔をしている。
「それじゃ、対抗戦の開始前に、私がスキル探索で、ダンジョンの中を調べるから、それをミユがマップに起こしてくれる?」
「はい、任せて」
やっと、ミユも安心したみたいだ。何故か、この対抗戦に意欲を示しているミユだが、詳しい事情を聴いていないので、少し、不思議な気がした。
「ねえ、クルドも参加するようよ」
「ふーん、そうなんだ」
私は、エルミアの情報にそっけなく答えた。
「キリ、気にならないの?」
「どうして、私が気にする必要があるの?」
「キリ、自分が言ったこと覚えていないの?」
「エルミア、何よ。私が、何かした?」
「もう、キリが、クルドを焚き付けたのよ」
「どうして、そうなるの?」
「クルドが、タンクとして、練習をしているって、知ってる?」
「知らないよ」
「だから、タンクとして、やっていけることをこの対抗戦で示すつもりなのよ」
「ふーん、それで?」
「キリ、クルドをパーティーに入れるつもり?」
「そんな、気持ちはないよ。だって、タンクは、フヨウがいるじゃない」
「そんなことは、分かっているわ。でも、クルドはどうするの?」
「パーティーにタンクは2人もいるの?」
「いらないわ」
「それなら、決まりね。クルドは入れないよ」
「それは、キリが直接、クルドに言ってね。私は知らないよ」
「別に、言わなくてもいいじゃない? パーティーに入れないだけだもの。それに、私、パーティーに入れるって、言ったかなぁ?」
「まあ、対抗戦が終わってからのお楽しみね」
エルミアは、呆れたような顔をして、私に意見を言うのを止めてしまった。どうして、あんなにクルドの事を気にしているのか、全く分からなかった。まあ、いいか。その内に、分かるだろう。
私達は、食事を終えて、それぞれの部屋に帰って行った。私は、パープルを抱き枕にして、暫く、昼寝を取ることにした。パープルのモフモフがタマラナイ。パープルも、私と昼寝をするのが、嬉しそうだ。尻尾が、私を包んでいる。これなら、いい夢が見れそうだ。
私は、対抗戦の事も、その後にある後期試験の事も、すっかり、忘れて、寝入ってしまった。
私達も、参加することにした。それも、パーティー名をそのまま使って、エントリーすることにした。私達は、いつも通りの食堂での打ち合わせを行った。
「今度の対抗戦って、どんな内容か知っている?」
私は、皆に、聞いて見た。
「私、知っているよ」
エルミアが、直ぐに返事をした。
「詳しく、教えてくれる」
「いいよ。5人以下のグループでの参加は、知っているよね。それで、私達のパーティーで参加することにしたのね。実際の対抗戦は、初級ダンジョンで行われるの。そこで、魔物を倒して、そのポイントを競うというわけ」
「そうか。ダンジョンで、魔物を狩るのね」
「そうよ。そこで、どのような魔物を狩るか、その段取りが必要なの」
「ポイントは、どうなっているの?」
私は、疑問な点をエルミアに聞いて見た。
「魔物の強さに応じて、3段階に分けられているの。A、B、Cで、Aは、1匹で、1ポイント。Bは、1匹で、3ポイント。Cは、1匹で5ポイント。制限時間内での総ポイント数で、勝敗が決まるの」
「魔物を倒した時の証拠品は、パープルに回収してもらうわ」
「うん。いいよ」
「私達だったら、Aでも、Bでも、Cでも同じ程度の手間で倒せるね」
「そうだね。そんなに、違いはないと思う」
フヨウも私の意見に同意してくれた。
「それじゃ、Cから狩り始めて、B、Aと狩って行くのはどう?」
「「賛成」」
私達は、対抗戦の計画を大雑把に立てた。まあ、それで、十分勝ってしまうと思うけどね。でも、ミユが念のために一度、対抗戦のダンジョンを見ておきたいというので、皆で潜ってみることにした。
「それじゃ、行くよ」
いつも通り、皆が、私の腰に抱き付いた。それから、私達は、転移魔法で、初級ダンジョンの入り口付近に移動した。
「ここが、会場になるのね」
ミユが、私に確認した。
「そうだね。」
エルミアが、補足した。
「ここは、第20階層までしかないの。それに、ダンジョンマスターは、ポイントの対象じゃないの。多分、教師が危険だと思っているのね。だから、ポイントの対象外にして、無駄に戦闘しないように決めたと思うわ」
「それじゃ、潜ってみる?」
私が、皆に聞いて見た。
「ねえ、キリのスキル探索で、どの程度分かるの?」
「どういう意味?」
「どの階層に、どの魔物が、何匹いるかって、今の場所でも分かるの?」
「分かるよ。全体を大雑把に探索することと、特定の階層を詳しく探索することができるよ」
「そうか。それなら、実際に潜る必要はないね」
フヨウが、皆に同意を求めた。それでも、ミユは、少し、心配そうな顔をしている。
「それじゃ、対抗戦の開始前に、私がスキル探索で、ダンジョンの中を調べるから、それをミユがマップに起こしてくれる?」
「はい、任せて」
やっと、ミユも安心したみたいだ。何故か、この対抗戦に意欲を示しているミユだが、詳しい事情を聴いていないので、少し、不思議な気がした。
「ねえ、クルドも参加するようよ」
「ふーん、そうなんだ」
私は、エルミアの情報にそっけなく答えた。
「キリ、気にならないの?」
「どうして、私が気にする必要があるの?」
「キリ、自分が言ったこと覚えていないの?」
「エルミア、何よ。私が、何かした?」
「もう、キリが、クルドを焚き付けたのよ」
「どうして、そうなるの?」
「クルドが、タンクとして、練習をしているって、知ってる?」
「知らないよ」
「だから、タンクとして、やっていけることをこの対抗戦で示すつもりなのよ」
「ふーん、それで?」
「キリ、クルドをパーティーに入れるつもり?」
「そんな、気持ちはないよ。だって、タンクは、フヨウがいるじゃない」
「そんなことは、分かっているわ。でも、クルドはどうするの?」
「パーティーにタンクは2人もいるの?」
「いらないわ」
「それなら、決まりね。クルドは入れないよ」
「それは、キリが直接、クルドに言ってね。私は知らないよ」
「別に、言わなくてもいいじゃない? パーティーに入れないだけだもの。それに、私、パーティーに入れるって、言ったかなぁ?」
「まあ、対抗戦が終わってからのお楽しみね」
エルミアは、呆れたような顔をして、私に意見を言うのを止めてしまった。どうして、あんなにクルドの事を気にしているのか、全く分からなかった。まあ、いいか。その内に、分かるだろう。
私達は、食事を終えて、それぞれの部屋に帰って行った。私は、パープルを抱き枕にして、暫く、昼寝を取ることにした。パープルのモフモフがタマラナイ。パープルも、私と昼寝をするのが、嬉しそうだ。尻尾が、私を包んでいる。これなら、いい夢が見れそうだ。
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