二人キリの異世界冒険 (Information Teacher's Second Life)【完結】

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第10章 魔法学院ミユ編

78.更なるレベルアップ

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 今日は、久しぶりにマジック・スクールのパーティーで、初級ダンジョンに潜っていく。今回は、最下層が目標だ。出発の前に、皆で、食堂で、朝食を取った。そして、弁当を詰め込んだ。新たな仲間になったフヨウは、今日は都合が悪いということで、欠席だ。そして、まだ、冒険者登録も終わっていないので、次回、登録も済ませるつもりだ。

 「さあ、準備ができたね」

 「「はい」」

 「今日は、最下層まで行きたいから、途中は、出来るだけすっ飛ばしていくよ。いい?」

 「「はい、準備できています」」

 「それじゃ、移動するよ」
 
 皆が、私の腰に抱き付いたのを確認してから、転移魔法を起動した。私達は、初級ダンジョンの入り口まで、移動し、係員に冒険者IDを見せて、手数料を支払った。

 「途中までは、パープルと私が先頭で、魔物を倒しながら進んで行くね。遅れそうになったら、声を掛けてね」

 「はい。頑張って、付いて行きます」

 エルミアが張り切っている。ダンジョンにも、慣れて来たようだ。ミユは、黙って、皆を強化した。

 「スキル魔力耐性向上
 スキル物理攻撃向上
 スキル攻撃速度向上」

 私は、パープルの後ろで、範囲魔法を連続で、放ちながら進んで行った。パープルは、私が狩り損ねた魔物を素早く狩って行った。そして、出現した魔石を拾ったり、証拠品を回収したりと大忙しだ。

 「火壁ファイア・ウォール
 火壁ファイア・ウォール
 火壁ファイア・ウォール

 一気に第8階層まで、潜って来た。

 「ここで、一旦、休憩しながら、この後の事を確認するわね」

 「「はい」」

 「冒険者ギルドで皆もダンジョンマップを貰ったと思うけど、それによると、この初級ダンジョンは、第20階層が最下層で、レベル30までの魔物しかいないの」

 「はい、確認しました」

 エルミアが、私の説明に返事をした。ミユも黙って、頷いている。

 「これから、私が、闇魔法で、結界を張るよ。これによって、皆は、レベル50までの魔物の攻撃は無効にできるよ」

 「「はい、わかりました」」

 私は、闇魔法で、結界を皆を覆うように張った。

 「それじゃ、行くよ」

 「「はい」」

 私達は、ワーウルフやゴブリンの群れを蹴散らしながら、最下層を目指して進んで行った。もう、オークやサーペイントの群れも特に問題なく狩ることが出来ている。

 「さあ、次が最下層よ。ここに、ダンジョンマスターがいるわ。この初級ダンジョンでは、レッド・ドラゴンがダンジョンマスターよ」

 「「はい」」

 「気を抜かずに、戦うわよ」

 ミユが、念のため、皆を強化した。

 「スキル魔力耐性向上
 スキル物理攻撃向上
 スキル攻撃速度向上」

 「今回は、ミユとエルミアが、レッド・ドラゴンを倒してね」

 「「はい」」

 「レッド・ドラゴンの炎息ファイア・ブレスには注意してね。レッド・ドラゴンが大きな口を開けて、少し溜めを創ったら、炎息ファイア・ブレスが来るよ」

 「はい、分かりました」

 エルミアが、元気に返事をした。ミユは少し不安そうだ。

 「ミユ、何か、確認したいことがあるの?」

 「私も、レッド・ドラゴンを倒すのですね」

 「そうだよ。これで、レベルアップが出来るからね」

 「でも、どんな攻撃をしたらいいのか? 教えて」

 「レッド・ドラゴンは、火魔法に耐性を持っているから、風魔法か、水魔法だね。ミユは、光魔法が使えるから、炎息ファイア・ブレスの時に、口の前にバリアを張ってもいいよ」

 「分かりました。やってみます」

 「頑張ってね」

 私は、ミユやエルミアが、レッド・ドラゴンを攻撃しやすいように、その他の魔物を狩ってしまうことにした。

 「パープル、行くわよ」

 「うん。キリ、背中に乗ってね」

 私は、パープルの背に乗って、最下層のレッド・ドラゴン以外を狩り始めた。

 「風壁ウィンド・ウォール
 風壁ウィンド・ウォール
 風壁ウィンド・ウォール

 残った魔物をパープルが鋭い爪で狩って行った。直ぐに、最下層には、レッド・ドラゴンだけになった。

 「ミユ、エルミア、頼んだよ」

 「「はい」」

 ミユが、光魔法で、レッド・ドラゴンの口の前に、バリアを張った。そして、光魔法で、光球ライト・ボールをレッド・ドラゴンの目の前に出して、一時的に見えなくした。

 「風カッターウィンド・カッター

 エルミアが、魔法を放ったが、レッド・ドラゴンの硬い鱗に跳ね返された。やはり、威力が足らないようだ。

 仕方がないので、私が、少し、手伝うことにした。

 「エルミア、私と同じ所に攻撃して!
 風カッターウィンド・カッター
 風カッターウィンド・カッター
 風カッターウィンド・カッター

 私が攻撃したところの鱗が剝がれ落ちて行った。そこに、エルミアの攻撃が続いた。

 「風カッターウィンド・カッター
 風カッターウィンド・カッター
 風カッターウィンド・カッター

 「グゥワー」

 レッド・ドラゴンの叫び声がダンジョン中に響き渡った。

 大きな魔石が、レッド・ドラゴンから飛び出した。そして、ダンジョンコアが現れた。だが、今回は、そのまま放置することにした。そうすれば、また、ダンジョンマスターが復活する。そして、もし、ダンジョンコアを持ち出すと、このダンジョンが制圧されてしまう。つまり、ただの洞窟に変わってしまう。
 
 「ご苦労様、やったね」

 「はい、頑張りました」

 「キリのお陰です。私だけでは、無理でした」
 
 「次は、一人でも大丈夫だよ」

 私達は、ダンジョンを後にして、まずは、身体を休めるために、魔法学院の自分たちの部屋に戻る事にした。

 「さあ、帰るわよ」

 皆が、私の腰に抱き付いたのを確認して、転移魔法で、魔法学院の私の部屋に移動した。

 「それじゃ、今日は、ここで、解散しましょうか」

 「「はい」」

 私は、パープルと一緒に、ベッドに入った。ふかふかの尻尾を抱いて、寝ることにした。
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