二人キリの異世界冒険 (Information Teacher's Second Life)【完結】

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第10章 魔法学院ミユ編

76.エルミアのレベルアップ

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 私達は、第3層でゴブリンに取り囲まれたパーティーを救ってから、更に下の階層に潜っていった。

 「もう少し、先に進もうか?」

 私が、皆に声を掛けると、直ぐに返事が返って来た。

 「「はい」」

  「それじゃ、今日は、第5階層を目標にするよ。それから、冒険者ギルドに行って、魔石などを買い取って貰うね」

 「はい、わかりました」

 エルミアが、私に返事をした。ミユも、黙って頷いていた。パープルは、私に抱き付いている。まあ、何処まで潜っても、パープルにとっては、同じだろう。

 「まず、スキル探索で、調べるね」

 私は、第5階層まで、スキル探索で、魔物を調べた。第4階層は、安息用の階層で、更に下の階層へ行くための休憩所が備わっている。今回は、特に疲れてもいないので、そのまま、第5階層へ行く予定だ。

 第5階層にはワーウルフがいた。ワーウルフ単体では脅威ではないが、通常10匹以上の群れて行動しているので、初心者は一気に襲われると危ない。それと、めずらしくサーペイントが1匹いた。

 「ワーウルフが群れでいるわ。それと、その奥にサーペイントが1匹いるよ」

 「ワーウルフは、火魔法で攻撃します。いいですか?」

 エルミアが、聞いてきた。そこで、討伐計画を確認することにした。

 「エルミアは、ワーウルフに集中してね。範囲攻撃で狩ることができるよ。サーペイントは、私が土魔法で、動きを止めるから、その後で、エルミアが風魔法で、倒してね。うまく、攻撃が聞かない様なら、私が倒すわ」

 「わかりました」

 「キリ、私は、どうするの?」

 「エルミアは、毒や麻痺の耐性がまだないから、サーペイントの毒を被ったら、直ぐに治療してくれる」

 「はい、準備しておきます」

 「それから、もし、急にサーペイントが攻撃方向を変えたら、光魔法で、目が見えないようにしてくれる?」

 「はい、大丈夫です」

 「それじゃ、行くわよ」

 「「はい」」

 私は、周囲の魔物を探りながら、パープルと共に先頭を進んで行った。暫くすると、13匹のワーウルフがこちらを窺っているの感じた。

 「エルミア、13匹のワーウルフがこっちに向かった来るよ」

 私は、皆に声を掛けて、注意を促した。

 「「はい」」

 ミユは、すぐさま、皆を強化した。

 「スキル魔力耐性向上
 スキル物理攻撃向上
 スキル攻撃速度向上」

 エミリアは、火壁ファイア・ウォールを起動していた。私は、サーペイントの動向に注意を向けていた。

 「火壁ファイア・ウォール

 エルミアの魔法が、先頭のワーウルフと共に数匹のワーウルフを倒した。

 「火壁ファイア・ウォール

 続いて、また、数匹のワーウルフも倒れた。

 「火壁ファイア・ウォール

 ほとんどのワーウルフを倒すことが出来た。後は、サーペイントの現れるのを待つだけね。すると、魔物を気配を感じた。私は、素早く、スキル探索を使って、魔物を探した。

 「気を付けて、前方の地面の下よ!」

 私は、大声をあげて、皆の注意を促した。そして、ミユに声を掛けた。

 「光球ライト・ボールを目にぶつけて」

 「はい。光球ライト・ボール

 地面が割れ、サーペイントが現れた。それと共に、ミユの光球ライト・ボールがサーペイントの動きを止めた。

 「エルミア、今よ」

 「はい、風カッターウィンド・カッター

 「もっと下よ。逆鱗を狙って!」

 「はい、風カッターウィンド・カッター

 5mを超す巨体を天井付近まで持ち上げて、エルミアを睨みつけながら、口を大きく開け、赤い舌を出した。

 「シュー、シュー、シュー」

 サーペイントは、不気味な音を上げながら、エルミアに近づいて来た。

 「火球ファイボール

 私が放った火球ファイボールがサーペイントの口の中で、大きな音とともに破裂した。

 「風カッターウィンド・カッター

 エルミアの魔力では、逆鱗を破壊することが出来ないようだ。仕方がないので、私が、逆鱗を破壊することにした。

 「風カッターウィンド・カッター

 今度は、逆鱗を破壊することが出来た。

 「エルミア、今よ」

 「はい、風カッターウィンド・カッター

 こんどは、胴体が叩き切られ、上半身が、床に落ちてきた。

 「注意して、まだ、魔石が出ていないわ。死んでいないわよ」

 「風カッターウィンド・カッター

 再度、エルミアが魔法を放った。サーペイントの魔石が飛び出した。私達は、計画通りに魔物を倒すことが出来た。

 「それじゃ、冒険者ギルドに移動するよ」

 私が声を掛けると、皆、私の腰に抱き付いてきた。何故か、これがルーチンになってしまったみたい。私達は、転移魔法で、冒険者ギルドに移動し、中に入っていった。そして、冒険者ギルドで、魔物の回収物を引き取って貰い、報酬金をそれぞれの冒険者IDに入れて貰った。

 「キリは、ミユとエルミアは、今回ランクアップしましたよ。どちらも、Dランクです」

 受付のシェリーが、私に教えてくれた。

 「ミユ、エルミア、聞いた? やったね」

 「はい、うれしいです」

 「私は、もっと上になりたい!」

 エルミアは、満足そうだが、ミユは、少し、不満なようだ。今回は、エルミアのレベルアップを中心に行動したから、ミユにとっては、物足りなかったのだと思う。

 「ミユ、ガッカリしないで、次には、ミユに頑張って貰うよ」

 「はい、頑張ります」

 私は、ミユの頭を優しく撫でてあげた。長くて艶やかな髪が綺麗だ。

 「キリ、私も」

 急に、パープルに抱き付かれた。

 「はい、分かったわ」

 私は、抱き付きて来たパープルの頭も撫でてあげた。パープルは、とても嬉しそうだ。フサフサの尻尾を振っている。 
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