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第2章 魔法学院入学編
9-2.商人キリ現る(2)
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せっかくだから、大量生産できる方法を考えることにした。
「赤のポーションを取引したいのだけど。キリ姉は、どう思う?」
と、キリ姉に声を掛けた。
「そうね、アイテムボックスは高価で、1個当たりの収益も多きいけれど、そろそろ限界かな?」
「そうでしょ。だから、赤のポーションがいいと思うの。できれば、上級と特級だけを」
「初級だと、作れる人が多いからね。でも、上級とかだと、普通の冒険者は買えないよ」
「だから、大量に作って売れば、値段を下げれるでしょ。キリ姉も作るの手伝って」
「手伝うのはいいけど、私は光魔法が使えないよ」
とキリ姉はしょんぼりした。
「うん。キリ姉に手伝ってもらうのは、ポーション製造の管理と販売管理なの」
「そうね。キリは、管理能力に問題があるから。いいわよ」
と言われると、素直に喜べない。
「まず、工場だね。どこか、空き地がないかな?」
「えっ、どれだけ作るつもりなの」
キリ姉に呆れられたが、薬草を栽培する所から始めたいので、少し広めの土地が欲しい。
青のポーションを作るのには、ダンジョンの中で栽培しないといけないけど、赤のポーションであれば、普通の土地でも栽培が出来る。
赤のポーションを作るのには、ベースハーブとブラッディハーブが必要なので、少なくとも、ベースハーブは、工場の近くで栽培をしたいと考えた。
ブラッディハーブは、森の近くでないと生息していないけど、工夫すれば、ベースハーブと一緒に栽培できそうだと思っている。
工場と農園用の土地の購入は、サンライズ商店長に任せておいた。
数日後、サンライズ商店長から連絡があり、候補地をいくつか見せて貰った。その中から、キリ姉と相談して購入する物件を決めた。その土地は、街の北の端で、森やダンジョンに最も近い場所だった。
私は、まず、土魔法で、購入した土地を取り囲むように石壁を作った。そして、南側の壁に扉を1つ作った。それから、工場用の建物を作った。これは、2階建て、地下4階にした。外から見られても目立たないように考えた。
次に農園だ。薬草畑を工場の建物の横に作ることにした。今回は、ポーション用にベースハーブの苗を薬草畑一面に植えていった。収穫できるまでは、森やダンジョンまで行って必要なハーブを確保しないといけないが、まずは、大量生産の拠点が出来上がった。
キリ姉に一度ポーション作成に必要な薬草を採りに行きたいと、お願いした。
「そうねぇ。早い方がいいよね。今日、このまま行っちゃう?」
「はい」
私達3人は、そろって、ダンジョンに入っていった。必要な薬草はすぐに見つかった。場所を指示すると、パープルが素早く採取してくれる。最近は、慣れてきて、私が指示する前に取りに行っている。
「そろそろ、パープル一人に任せていいかも」
私が、キリ姉に聞いてみると、
「もう一人で、大丈夫みたいね」
「薬草採取はパープルに任せて、これからの事、相談しない?」
「はい、キリ姉。どこで?」
「特に危険な階層でもないし、パープルが採取しているのが見えるし、ここでいいんじゃない?」
「じゃぁ、ここで」
「魔法学院は、卒業まで、3年掛かってしまうけど、今のままでは、残る意味がないね」
「はい、今は図書館で勉強しているだけで、教師の授業はあまり役に立っていません」
「そうよね。魔法の基礎を勉強したいと思っていたけど、教師後について、詠唱しているだけ」
「キリ姉も、私も、詠唱がいらないしね。どうして、魔法学院の人は皆詠唱をするのかな?」
「たぶん、それぞれの魔法の機能を理解してないから、今自分が実行しようとしている魔法のイメージをマナに込めれていないからじゃないかな」
「でも、皆実行しようとしている魔法はすでに知っているでしょう。だったら、イメージもできるのじゃ」
「そうね、イメージはできそうね。それじゃ、キリは、どうしてだと思う」
「詠唱しないといけないと、先入観があるのでは?」
「どういうこと?」
「キリ姉は、誰かに魔法を習ったことがないでしょ。いつの間にか魔法を使っていたって」
「そうよ。魔法を使っている人を遠くから眺めていただけ。あんな風に魔法が使えたらと思って、やってみたら出来たの」
「魔法を最初に見たときに詠唱しているって分からなかったのじゃない。それに、もし聞こえていても、あんな古臭い言葉、小さい子には、マネできないもの」
「そうね、キリの言うとおりかも」
「そうすると、誰でも、無詠唱で、魔法が使えるってことじゃない」
「キリ姉、私も、そう思う」
「でも、詠唱って、魔法陣と同じで、イメージが曖昧でも実行できるから」
「まぁ、人それぞれかもしれないね」
「やりたい人だけが、無詠唱をすればいいって」
「そういうことね」
いつの間にか、この階層の薬草を取り終えたパープルが私の横で、寝転がっていた。
「あっ、もう終わったの。お利口ね」
と言いながら、私はパープルの頭を撫でてあげた。それに合わせて、パープルは、フサフサの尻尾を振っている。
「薬草も十分に集まったみたいね」
「これだけあれば、暫くは大丈夫ね」
サンライズ商店に納品するポーションだけであれば、1カ月は持つ量になっていた。
「赤のポーションを取引したいのだけど。キリ姉は、どう思う?」
と、キリ姉に声を掛けた。
「そうね、アイテムボックスは高価で、1個当たりの収益も多きいけれど、そろそろ限界かな?」
「そうでしょ。だから、赤のポーションがいいと思うの。できれば、上級と特級だけを」
「初級だと、作れる人が多いからね。でも、上級とかだと、普通の冒険者は買えないよ」
「だから、大量に作って売れば、値段を下げれるでしょ。キリ姉も作るの手伝って」
「手伝うのはいいけど、私は光魔法が使えないよ」
とキリ姉はしょんぼりした。
「うん。キリ姉に手伝ってもらうのは、ポーション製造の管理と販売管理なの」
「そうね。キリは、管理能力に問題があるから。いいわよ」
と言われると、素直に喜べない。
「まず、工場だね。どこか、空き地がないかな?」
「えっ、どれだけ作るつもりなの」
キリ姉に呆れられたが、薬草を栽培する所から始めたいので、少し広めの土地が欲しい。
青のポーションを作るのには、ダンジョンの中で栽培しないといけないけど、赤のポーションであれば、普通の土地でも栽培が出来る。
赤のポーションを作るのには、ベースハーブとブラッディハーブが必要なので、少なくとも、ベースハーブは、工場の近くで栽培をしたいと考えた。
ブラッディハーブは、森の近くでないと生息していないけど、工夫すれば、ベースハーブと一緒に栽培できそうだと思っている。
工場と農園用の土地の購入は、サンライズ商店長に任せておいた。
数日後、サンライズ商店長から連絡があり、候補地をいくつか見せて貰った。その中から、キリ姉と相談して購入する物件を決めた。その土地は、街の北の端で、森やダンジョンに最も近い場所だった。
私は、まず、土魔法で、購入した土地を取り囲むように石壁を作った。そして、南側の壁に扉を1つ作った。それから、工場用の建物を作った。これは、2階建て、地下4階にした。外から見られても目立たないように考えた。
次に農園だ。薬草畑を工場の建物の横に作ることにした。今回は、ポーション用にベースハーブの苗を薬草畑一面に植えていった。収穫できるまでは、森やダンジョンまで行って必要なハーブを確保しないといけないが、まずは、大量生産の拠点が出来上がった。
キリ姉に一度ポーション作成に必要な薬草を採りに行きたいと、お願いした。
「そうねぇ。早い方がいいよね。今日、このまま行っちゃう?」
「はい」
私達3人は、そろって、ダンジョンに入っていった。必要な薬草はすぐに見つかった。場所を指示すると、パープルが素早く採取してくれる。最近は、慣れてきて、私が指示する前に取りに行っている。
「そろそろ、パープル一人に任せていいかも」
私が、キリ姉に聞いてみると、
「もう一人で、大丈夫みたいね」
「薬草採取はパープルに任せて、これからの事、相談しない?」
「はい、キリ姉。どこで?」
「特に危険な階層でもないし、パープルが採取しているのが見えるし、ここでいいんじゃない?」
「じゃぁ、ここで」
「魔法学院は、卒業まで、3年掛かってしまうけど、今のままでは、残る意味がないね」
「はい、今は図書館で勉強しているだけで、教師の授業はあまり役に立っていません」
「そうよね。魔法の基礎を勉強したいと思っていたけど、教師後について、詠唱しているだけ」
「キリ姉も、私も、詠唱がいらないしね。どうして、魔法学院の人は皆詠唱をするのかな?」
「たぶん、それぞれの魔法の機能を理解してないから、今自分が実行しようとしている魔法のイメージをマナに込めれていないからじゃないかな」
「でも、皆実行しようとしている魔法はすでに知っているでしょう。だったら、イメージもできるのじゃ」
「そうね、イメージはできそうね。それじゃ、キリは、どうしてだと思う」
「詠唱しないといけないと、先入観があるのでは?」
「どういうこと?」
「キリ姉は、誰かに魔法を習ったことがないでしょ。いつの間にか魔法を使っていたって」
「そうよ。魔法を使っている人を遠くから眺めていただけ。あんな風に魔法が使えたらと思って、やってみたら出来たの」
「魔法を最初に見たときに詠唱しているって分からなかったのじゃない。それに、もし聞こえていても、あんな古臭い言葉、小さい子には、マネできないもの」
「そうね、キリの言うとおりかも」
「そうすると、誰でも、無詠唱で、魔法が使えるってことじゃない」
「キリ姉、私も、そう思う」
「でも、詠唱って、魔法陣と同じで、イメージが曖昧でも実行できるから」
「まぁ、人それぞれかもしれないね」
「やりたい人だけが、無詠唱をすればいいって」
「そういうことね」
いつの間にか、この階層の薬草を取り終えたパープルが私の横で、寝転がっていた。
「あっ、もう終わったの。お利口ね」
と言いながら、私はパープルの頭を撫でてあげた。それに合わせて、パープルは、フサフサの尻尾を振っている。
「薬草も十分に集まったみたいね」
「これだけあれば、暫くは大丈夫ね」
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