二人キリの異世界冒険 (Information Teacher's Second Life)【完結】

無似死可

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第2章 魔法学院入学編

8ー2.魔法学院での生活(2)

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 私は、アンティークを置いている商店を見て回ることにした。以前のような掘り出し物があるかもしれない。従魔のパープルも一緒だ。キリ姉は、冒険者ギルドで、他のダンジョンについての情報を集めるようだ。
 
 「すみません。店の中を見てもいいですか?」

 「はい、いいですが、どのような物が入り用ですか? お探ししますよ」

 「そうですね。アンティークを探しています。できれば、用途不明な物があれば、興味があります」

 「用途不明ですか。普通、使い道のないものは取引対象ではないので、思いつきませんね」

 「そうですね。それでは、この店で最も古いアイテムを見せてください。古ければ、武器でも置物でも、何でもいいので」

 「わかりました。こちらに来てください」

 「この棚の物が、私どもの商店で最も古い商品です」

 「ありがとうございます。少し見ますね。手に取ってもいいですか」

 「いいですよ。古い商品で、壊れやすいので、取り扱いには注意して下さい」

 「はい、わかりました」

 私とパープルは、案内された棚の前で、商品の品定めを始めた。すると、いつの間にかパープルが少し離れた場所から私を見ていた。

 「パープル、どうしたの? こっちにおいでよ」

と、私が声を掛けても、パープルは、首を振るだけで、私の方へは来ようとしない。

 「どうしたの? おいでよ」

と、もう一度声を掛けた。でも、先ほどと同じで、全く動こうとはしなかった。仕方がないので、私の方がパープルに近づき、再度、声を掛けた。

 「どうしたの?」

 「怖いの」

と小さの声で答えながら、震えていた。理由がわからにが、キリ姉との待ち合わせもあったので、

 「すみません。友達の体調が悪いので、帰ります。また、来ますね」

 「わかりました。気を付けてお帰りください」

 待ち合わせ場所で、冒険者ギルドで有益な情報を得たらしく、興奮したキリ姉がいた。

 「どうしたの? そんなに興奮して」

 「近くの中級ダンジョンで、ドロップアイテムが沢山出ているらしいの。しかも、低階層からも結構いいアイテムがドロップしているらしいの」

 「本当?」

 「本当よ。早い者勝ちって、感じ。早速、行きましょう。あなたが来るのを待ちわびていたの」

 「はい。すぐ行きましょう」

 私達は、あまり強い魔物が出ていないらしい、中級ダンジョンに、軽装で潜ることにした。早い者勝ちだから、遅れをとってはいけないので。

 そのダンジョンの前には、冒険者パーティーの行列が出来ていた。

 やっと、私達の番になり、急いで、冒険者IDと入場料を係に私、ダンジョンに潜った。

 「ちょっと、不安定ですので、気をつけてください」

と、別の係員が行列のパーティー全体に声を掛けていた。
 
 「さあ、行くわよ。ダッシュ! ダッシュ!」

 キリ姉は、興奮して叫びながら、ダンジョンに突撃していった。私は慌ててスキル探索で、魔物を感知する。後ろのパープルも、すでに、準備済みのようだ。

 「キリ姉、どんな魔物から、ドロップするの?」

 「よく分からない。どうも、レベルに関係ないらしい」 

 「それって、ガチャみたい」

 「? ガチャみたいって、何?」

 「宝くじ見たいっていうことよ」

 「かわったことをいうのね。キリは」

 「てへへ」

 自分の頭を軽く叩いた。うっかり、前世の言葉を使ってしまって、照れ笑いをした。

 「それでは、範囲攻撃がいいね。キリ姉」

 「そうよ。一緒に範囲攻撃を放ちましょう。パープルは、魔石やアイテムを拾って来てね」

 「ハイ」

 パープルは、いつも良い返事だ。

 私達は、他のパーティーを避けながら、風壁を打ち続けた。パープルは、倒れた魔物の傍に行き、魔石などを回収していく。たまに、ドロップアイテムもあるようだ。一定の時間が経つと、パープルは、忘れずに青のポーションをキリ姉に降りかけていた。

 「どんどんいくわよ」

 「はい」

 「ハイ」
 
 いつの間にか、私達は第19階層まで、到達していた。流石に、この階層には他のパーティーはまだ到達していなかった。

 この階層の魔物も殲滅してしまい。ついに、やることが無くなってしまった。
 ダンジョンに潜る時に確認した通り、ワーウルフの群れぐらいしか遭遇しなかった。
 今の私達のパーティーでは、全く問題なかった。

 「終わったね。キリ姉」

 「そうね。終わってしまったね」

 「戻る?」

 「ここまで、来たのだから、第20階層で、食事でもしてから戻りましょう」

 「はい」

 「ハイ」
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