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第1章 冒険者編
6-2.従魔登録(2)
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昼食も食べ終わり、早速、潜り始めた。マップに書かれた通り、問題なく、第16階層の小屋まで、たどり着いた。夜までは、まだまだ、時間があるので、もう少しだけ潜ることにした。
その代わり、夕食前には、切り上げて第16階層の小屋まで戻る事にした。
「ワーキャトが見つかるといいなぁ」
「そう、簡単には見つからないわよ。探索では分からないの?」
「ずっと見ているのだけど、それらしい魔物はいないの」
「この階層には、武装したスケルトンがいるだけで、特に強い魔物は見つからないわ」
「それじゃ、もう一つしたまで、潜る?」
「いいの! 潜る、潜る」
私達は、次の第18階層に行き、討伐を続けることにした。
第18階層に到達して、スキル探索で、全体の魔物を感知した。
「何かいるよ」
「何かって、何よ。はっきり、分からないの?」
「凄く早く移動しているので、よくわからないの。でも、それは1匹だけで、それ以外は今まで通り、位置もレベルも種別もはっきり、わかるよ」
「その素早い魔物は、多分ワーキャトだね。殺すと従魔契約ができないので、取り敢えず、弱らせて動きを止めないとだめね」
「この階層に、他のパーティーはいない?」
「ちょっと待ってね。居ないみたい」
「それなら、範囲攻撃で、少しずつHPを削り取って、動きを止めるね」
と言って、キリ姉は、風壁を放つ準備をした。
「位置を言うので、そこへ放ってね。
(135、48)
(146、79)
(174、126)
(213、159)
(230、177)」
最初は、少し掠る程度だったのが、少しずつ風壁の中心付近で当たるようになってきた。それにつれて、与えるダメージも大きなものになってきた。
キリ姉は、青のポーションを1本飲んで、MPを回復させた。
「動きが鈍くなってきたよ。
(237、203)
(277、231)
(309、263)」
私達は、ワーキャトの位置に近づきながら、一緒に風壁を放っていった。暫くすると動きが止まった。
「もう5mもないよ」
「あれかな?」
「そうみたいね」
目の前に、身体中を傷だらけにして、元々は薄い茶色だった体毛を血の赤色で染めていた。
ワーキャトの体調は、小さな子供ぐらいで、約120cmほどだった。
私は、静かに近づいていき、キリ姉から貰った赤のポーションをワーキャトの全身に掛けてあげた。すると、みるみるうちに、赤色で染められていた毛が元の薄い茶色に変化した。
少し元気になったワーキャトは、立ち上がり、私を見つめている。
「私と一緒に生活しない?」
ワーキャトは、じっとしている。
「言葉はわかる? もしわかったら、頭を動かしてみて」
ワーキャトは、少し頭を振った。
「そう、わかるんだ。私と一緒に来ない? よかったら、頭を縦に振ってくれる」
ワーキャトに、わかるように、私は頭を縦に振って、どうして欲しいのかを態度で見せた。
すると、ワーキャトも、私と同じように頭を縦に振ってくれた。怪我を直してあげたので、信用したのだろう。
「それでは、私の従魔になってくれる? よかったら、頭を縦に振ってくれる」
ワーキャトは頭を縦に振ってくれた。
私と、ワーキャトとの間に光の鎖が現れ、私とワーキャトの手にに触れるとともに消えた。
その代わりに、私の手にも、ワーキャトの手にも同じ五芒星が描かれていた。
これで、ワーキャトとの従魔契約は完成した。
「私の従魔になってくれて、ありがとう。私は、キリ。あなたは?」
「ワタシハ、キャット・パープル。パープルデイイヨ」
「パープル、よろしくね。私の隣にいるのが、キリ姉よ」
「パープル、よろしく、私もキリなの、だから、キリ姉さんと呼んでね」
「ワカッタ」
何とか、目的を果たした私達は、冒険者ギルドで、従魔登録をすることにした。冒険者ギルドに行く途中で、私は、内緒で購入していたマタタビをパープルにあげた。ちょっと興奮したみたい。
薄っすらと体毛があるが、裸のままではまずいので、取り敢えず、私のローブを掛けてあげた。そして、アイテムボックスの中の私の下着と服を着せてあげた。
冒険者ギルドでシェリーに従魔登録をしてもらった。私の冒険者IDに、【従魔:ワーキャト(キャット・パープル)】と表示された。
これで、パープルは、正式に私の従魔となった。
今回のダンジョン探索で得たものも、アイテムボックスから出して、シェリーに引き取って貰った。いつものように、報奨金は冒険者IDに入れて貰った。
私達は宿屋の部屋に戻り、3人で夕食を食べた。パープルを風呂に入れてから、少し早いが寝ることにした。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
これからは、パープルを入れて3人のパーティーになった。パープルには、私の後ろで、戦士・ヒーラー・シーカーとして、働いてもらうことにした。でも、基本は、戦士だ。パープルの俊敏さはLV60の私でもついていけないほどだから。ヒーラーとしては、私が作ったポーションを戦闘中に必要に応じて身体に掛ける仕事だ。飲むほどの効果はないが、戦闘中に飲む余裕のない時に、パープルにポーションを掛けてもらうだけで、戦闘を有利に進めることが出来る。そして、獣人としての野生の能力としての探索能力を使って、シーカーとして働いてもらう。私もスキル探索で、魔物を感知することはできるが、何かに集中して、うっかりしてしまうことがあり、生来の能力には、かなわないからだ。
パープルにも役割を理解してもらったので、安心してダンジョンに潜ることができる。
パープルの服装は、私の物を仮に与えただけなので、本人の気に入ったものを買いに出かけることにした。また、簡単な武器(ダガー)も持たした方が良いと思うので、鍛冶屋にも寄りたい。
パープルにもキリ姉が持っているような簡易のアイテムボックスを持たせておきたい。ヒーラーとして、必要になるので、これは最優先だ。
鍛冶屋、商店を回って、パープルに必要なものを買いそろえた。しかし、アイテムボックスは、非常に高価で凄い出費になってしまった。
「アイテムボックスは、高いね。自分でつくれないかなぁ」
と、私は思わず呟いてしまった。
「そうね、高価な割に沢山のアイテムを収納できないし、例の王級のアイテムボックスと比べるのはいけないけど、入れたものが劣化するしね」
「一度、しっかりと、魔法を基本から勉強しないとだめじゃないかな?」
「そうね、キリと一緒に勉強しようかな」
「キリ姉と一緒なら安心。勉強したいね」
「何か、いい方法がないか、魔法学院に相談してみようかな」
「それ、いいね。キリ姉、早速行ってみない?」
「そうね。冒険者ランクも一応目標のAランクになったしね」
その代わり、夕食前には、切り上げて第16階層の小屋まで戻る事にした。
「ワーキャトが見つかるといいなぁ」
「そう、簡単には見つからないわよ。探索では分からないの?」
「ずっと見ているのだけど、それらしい魔物はいないの」
「この階層には、武装したスケルトンがいるだけで、特に強い魔物は見つからないわ」
「それじゃ、もう一つしたまで、潜る?」
「いいの! 潜る、潜る」
私達は、次の第18階層に行き、討伐を続けることにした。
第18階層に到達して、スキル探索で、全体の魔物を感知した。
「何かいるよ」
「何かって、何よ。はっきり、分からないの?」
「凄く早く移動しているので、よくわからないの。でも、それは1匹だけで、それ以外は今まで通り、位置もレベルも種別もはっきり、わかるよ」
「その素早い魔物は、多分ワーキャトだね。殺すと従魔契約ができないので、取り敢えず、弱らせて動きを止めないとだめね」
「この階層に、他のパーティーはいない?」
「ちょっと待ってね。居ないみたい」
「それなら、範囲攻撃で、少しずつHPを削り取って、動きを止めるね」
と言って、キリ姉は、風壁を放つ準備をした。
「位置を言うので、そこへ放ってね。
(135、48)
(146、79)
(174、126)
(213、159)
(230、177)」
最初は、少し掠る程度だったのが、少しずつ風壁の中心付近で当たるようになってきた。それにつれて、与えるダメージも大きなものになってきた。
キリ姉は、青のポーションを1本飲んで、MPを回復させた。
「動きが鈍くなってきたよ。
(237、203)
(277、231)
(309、263)」
私達は、ワーキャトの位置に近づきながら、一緒に風壁を放っていった。暫くすると動きが止まった。
「もう5mもないよ」
「あれかな?」
「そうみたいね」
目の前に、身体中を傷だらけにして、元々は薄い茶色だった体毛を血の赤色で染めていた。
ワーキャトの体調は、小さな子供ぐらいで、約120cmほどだった。
私は、静かに近づいていき、キリ姉から貰った赤のポーションをワーキャトの全身に掛けてあげた。すると、みるみるうちに、赤色で染められていた毛が元の薄い茶色に変化した。
少し元気になったワーキャトは、立ち上がり、私を見つめている。
「私と一緒に生活しない?」
ワーキャトは、じっとしている。
「言葉はわかる? もしわかったら、頭を動かしてみて」
ワーキャトは、少し頭を振った。
「そう、わかるんだ。私と一緒に来ない? よかったら、頭を縦に振ってくれる」
ワーキャトに、わかるように、私は頭を縦に振って、どうして欲しいのかを態度で見せた。
すると、ワーキャトも、私と同じように頭を縦に振ってくれた。怪我を直してあげたので、信用したのだろう。
「それでは、私の従魔になってくれる? よかったら、頭を縦に振ってくれる」
ワーキャトは頭を縦に振ってくれた。
私と、ワーキャトとの間に光の鎖が現れ、私とワーキャトの手にに触れるとともに消えた。
その代わりに、私の手にも、ワーキャトの手にも同じ五芒星が描かれていた。
これで、ワーキャトとの従魔契約は完成した。
「私の従魔になってくれて、ありがとう。私は、キリ。あなたは?」
「ワタシハ、キャット・パープル。パープルデイイヨ」
「パープル、よろしくね。私の隣にいるのが、キリ姉よ」
「パープル、よろしく、私もキリなの、だから、キリ姉さんと呼んでね」
「ワカッタ」
何とか、目的を果たした私達は、冒険者ギルドで、従魔登録をすることにした。冒険者ギルドに行く途中で、私は、内緒で購入していたマタタビをパープルにあげた。ちょっと興奮したみたい。
薄っすらと体毛があるが、裸のままではまずいので、取り敢えず、私のローブを掛けてあげた。そして、アイテムボックスの中の私の下着と服を着せてあげた。
冒険者ギルドでシェリーに従魔登録をしてもらった。私の冒険者IDに、【従魔:ワーキャト(キャット・パープル)】と表示された。
これで、パープルは、正式に私の従魔となった。
今回のダンジョン探索で得たものも、アイテムボックスから出して、シェリーに引き取って貰った。いつものように、報奨金は冒険者IDに入れて貰った。
私達は宿屋の部屋に戻り、3人で夕食を食べた。パープルを風呂に入れてから、少し早いが寝ることにした。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
これからは、パープルを入れて3人のパーティーになった。パープルには、私の後ろで、戦士・ヒーラー・シーカーとして、働いてもらうことにした。でも、基本は、戦士だ。パープルの俊敏さはLV60の私でもついていけないほどだから。ヒーラーとしては、私が作ったポーションを戦闘中に必要に応じて身体に掛ける仕事だ。飲むほどの効果はないが、戦闘中に飲む余裕のない時に、パープルにポーションを掛けてもらうだけで、戦闘を有利に進めることが出来る。そして、獣人としての野生の能力としての探索能力を使って、シーカーとして働いてもらう。私もスキル探索で、魔物を感知することはできるが、何かに集中して、うっかりしてしまうことがあり、生来の能力には、かなわないからだ。
パープルにも役割を理解してもらったので、安心してダンジョンに潜ることができる。
パープルの服装は、私の物を仮に与えただけなので、本人の気に入ったものを買いに出かけることにした。また、簡単な武器(ダガー)も持たした方が良いと思うので、鍛冶屋にも寄りたい。
パープルにもキリ姉が持っているような簡易のアイテムボックスを持たせておきたい。ヒーラーとして、必要になるので、これは最優先だ。
鍛冶屋、商店を回って、パープルに必要なものを買いそろえた。しかし、アイテムボックスは、非常に高価で凄い出費になってしまった。
「アイテムボックスは、高いね。自分でつくれないかなぁ」
と、私は思わず呟いてしまった。
「そうね、高価な割に沢山のアイテムを収納できないし、例の王級のアイテムボックスと比べるのはいけないけど、入れたものが劣化するしね」
「一度、しっかりと、魔法を基本から勉強しないとだめじゃないかな?」
「そうね、キリと一緒に勉強しようかな」
「キリ姉と一緒なら安心。勉強したいね」
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