二人キリの異世界冒険 (Information Teacher's Second Life)【完結】

無似死可

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第12章 キリ商店編

94.冒険者としてレベルアップ

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 キリのパーティーをSランクにするために、冒険者ギルドの依頼を受けることになった。私は、フヨウに時々、冒険者ギルドに顔を出して、依頼を確認して欲しいと頼んでいた。そして、今回の依頼内容を選んだというわけ。

 Sランクのパーティーになるためには、10000ポイントを上げる必要がある。でも、まだ、1000ポイントを溜めただけなので、これから、頑張らないといけない。でも、皆、魔法学院の生徒なので、今は、長期に渡る依頼はこなせない。

 そこで、今回フヨウが持って来たのが、ギルド長依頼に当たる盗賊の討伐だ。少し離れた場所にある村が盗賊に襲われたらしい。そして、5人の人質を取られた。

 今回は、その人質を助け出し、盗賊を討伐することが、依頼内容になる。ギルド長依頼なので、500ポイント貰える。盗賊の人数は、それほど多くないようなので、簡単に討伐することが出来そうだ。

 私達は、早速、冒険者ギルドに向かった。そこで、正式に依頼を受けることにした。

 「ギルド長、先日の依頼を受けることにしました」

 フヨウが、ギルド長に声を掛けた。

 「先日も説明しましたが、少し、危険ですが、いいですか?」

 「いいですよ」

 私達は、現在、ギルド長に来ている依頼の詳細を確認した。

 「分かりました。早速、向かいます」

 私達は、ギルド長の部屋を出て、ギルド長から貰った地図を確認した。幸い、村の近くにキリ商店の支店があるので、そこまで、転移魔法で、移動することにした。

 「それじゃ、移動するよ。いい?」

 皆が、私の腰に抱き付いたのを確認してから、転移魔法で、支店に移動した。

 「ここからは、歩きよ」

 「「はい」」


 暫く歩いて、襲われた村に到着した。そこでは、冒険者ギルドから、連絡があったのだろう、村長を含めて数人の村人が出迎えていた。

 「私達は、冒険者ギルドから、依頼を受けてやって来た。冒険者パーティーのキリです」

 「ようこそ。よろしく、頼みます」

 村長との挨拶を終えて、現在の様子を聞いた。すると、近くの洞窟に5人の村人を人質に立てこもっているようだ。その人数は、およそ10人だ。

 私達は、村人の案内で、洞窟近くまでやって来た。

 「あの洞窟です。後は、よろしく」

 案内役の村人は、直ぐに帰ってしまった。

 「それでは、先に人質を助けよう」

 私とパープルで、人質を助け出すことにした。私は、近くの地面に転移用の魔法陣を描いて、洞窟からの脱出に使うことにした。

 次に、隠密魔法で、私とパープルの姿を消して、人質の所まで、こっそり、近づくことにした。

 「ミユは、ここに残ってくれる。人質が怪我をしていたら、治療して欲しいの」

 「キリ、いいわ」

 「それから、フヨウとエルミアは、正面から、攻撃を開始して、盗賊の注意を引いておいてね」

 「「了解」」

 「それじゃ、行くね」

 私は、パープルの背中に乗って、洞窟の中に入っていった。洞窟の中では、盗賊たちがあちらこちらに座って、休息を取っていた。

 私達は、誰にも見つからずに、縛り上げられている人質の所まで、やって来た。私は、人質に小声で、話しかけた。

 「私達は、冒険者ギルドから依頼を受けて助けに来ました。こちらを見ずに、目を閉じておいてください」

 「「はい」」

 私は、地面に転移魔法用の魔法陣を描いて、闇魔法で、結界を張って、見えなくした。次に、縛られたままの人質の2人を両手で、捕まえて、転移魔法で、洞窟の外のミユの所に移動した。

 「ミユ、頼むね」

 「はい」

 私は、2人の人質をミユに預けて、再び、洞窟の中に転移魔法で、移動した。

 もう一度、縛られたままの人質の2人を両手で、捕まえて、転移魔法で、洞窟の外のミユの所に移動した。

 「ミユ、また、お願いね」

 「はい」

 ミユは、人質の縄を解いて、治療を終えていた。まあ、ミユに任せておけば、問題ないね。

 私は、再び、転移魔法で、洞窟の中に移動した。

 最後の一人だ。

 「おい、人質が減っているぞ」

 「何!」

 まあ、4人も減っていると、気が付くよね。私は、転移魔法で、移動している所を見られたくないので、土魔法で、壁を作って、私達が見えなくした。私とパープルは、見えていないので、要は、人質が盗賊から、見えないようにしたということね。

 「土壁サンド・ウォール

 これで、盗賊から、私達が見えなくなった。そこで、すかさず、転移魔法で、ミユの所まで、移動した。そして、隠密魔法を切って、姿を現した。

 「ミユ、問題ない?」

 「ええ、大した怪我もないようです」

 「そう。念のため、治癒魔法を掛けてあげてね」

 「はい」

 私は、パープルに乗って、洞窟の入り口まで、やって来た。すでの、フヨウとエルミアが、数名の盗賊を倒して、洞窟の中に入っていた。

 「おい、仲間が切られたぞ。」

 「誰か、お頭に報告してくれ」

 洞窟の外の盗賊たちは、想定外の出来事に、パニックになっていた。その中の1人が、洞窟の中に走って入って行った。

 「冒険者に襲われています。お頭、どうしましょうか?」

 「一斉にかかれ!」

 「「はい」」

 洞窟の中の盗賊は全員が入り口で、戦っているフヨウとエルミアに向かった。

 だが、一緒にいた他の冒険者達は、不思議なことに未だに座ったままだった。

 「次は、誰だ! かかってこい。」

 フヨウが盗賊に声を掛けている。しかし、誰も、動こうとしない。フヨウがあまりにも強いので、迂闊にかかっていけないようだ。

 私は、動かないで、様子を見ている盗賊を1人ずつ順番に土魔法で、拘束していった。

 「フヨウ、エルミア、ご苦労様」

 「いえ、大したことなかったです」

 「私も、大丈夫です」

 「それじゃ、盗賊を冒険者ギルドに渡して、帰ろうか」

 「「はい」」

 私達は、人質を村に帰し、盗賊を連れて、冒険者ギルドにやって来た。盗賊は、冒険者ギルドの外で、拘束して、私達は、ギルド長に結果を報告した。

 冒険者ギルドの中から、数名が飛び出して、盗賊たちを牢屋に放り込んだ。

 「ご苦労様でした」

 ギルド長が、フヨウに声を掛けた。

 「いえ、大したことはありませんでした」

 「そうですか。また、何かあれば、お願いします」

 「はい」

 私達は、冒険者ギルドから、転移魔法で、魔法学院の私の部屋に移動した。それから、食堂で、食事をしながら、今日の事を話しあった。それと、明日の授業のことも確認した。

 私も、暫くは、授業に参加することにした。でも、今日は、パープルと一緒にもふもふの尻尾に包まれながら、眠ることにするわ。
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