二人キリの異世界冒険 (Information Teacher's Second Life)【完結】

無似死可

文字の大きさ
上 下
127 / 145
第12章 キリ商店編

93.魔法学院からの連絡

しおりを挟む
 久しぶりに、魔法学院にいるミユから、思念伝達で連絡が入った。

 「キリ、ミユだけど、今、大丈夫?」

 「えぇ、大丈夫よ。どうしたの?」

 「どうしたの? って、こっちが言いたいわ」

 「どうして?」

 「最近、魔法学院の授業に出ていないでしょ。何しているの?」

 「ちょっと、卒業後の事が不安になって、それで、商人として、働いていける様に、準備をしていたの」

 「あら、キリは、てっきり、冒険者として、生きて行くのかと思っていたわ」

 「うん、若いうちは、それでもいいのだけど、歳をとってからは、ダンジョンは、きついでしょ」

 「キリは、心配性ね。どれだけ、先の心配をしているの。30年先?」

 「そうね。冒険者は、5年から、10年で、止めるつもりなの。だから、その時に困らないようにしておこうと
思っているの」

 「まあ、いいけどね。でも、魔法学院は、卒業するのよね?」

 「当然よ。でも、特に、準備する必要がなくなったから、授業に興味が無くなってしまったの」

 「もうすぐ、新しい講座が始まるよ。これまでの様な実習だけでなくて、講義形式らしいよ」

 「そうなの。それなら、参加するわ」

 「それじゃ、また、詳しい、日程をれんらくするね」

 「ミユ、ありがとう」

 私は、ミユとの思念伝達を切って、新しい講座の事を考えた居た。

 やっと、希望していた講義が聞ける。ワクワクしてきた。そして、最近忘れていた冒険者としてのレベルアップもやって行きたいと思いなおした。

 「あと少しで、Sランクの冒険者パーティーになるのだったわ。そのためには、冒険者ギルドの依頼を少しずつでも、こなして行かないといけない。
 フヨウとも連絡を取って、冒険者ギルドに行って貰おう」

 私は、フヨウに思念伝達で、連絡を取った。

 「フヨウ、元気?」

 「キリか。久しぶり。ミユも、心配していたよ。知ってる?」

 「うん。さっき、ミユと話したよ。もうすぐ、新しい講座が始まるから、おいでって」

 「そうだよ。試験が免除されたからって、授業に出ないのはいけないよ」

 「わかったわ。もう少ししたら、魔法学院に戻って、また、一緒に、授業にでるわ」

 「それは、楽しみだ」

 「今日は、フヨウに少し、お願いがあるの」

 「何だい。言って見て」

 「実は、Sランクのパーティーにレベルアップしておきたいの。その為に、冒険者ギルドの依頼を受けないといけないでしょ」

 「そうだね。そっちの方は、キリが居なくなったので、完全にストップしてしまったね」

 「ごめんなさい。ちょっと、商人として、頑張ろうと思ったの」

 「えぇ、商人だって?」

 「そうよ。おかしい?」

 「ちょっと、意外だったんだ。あれほどの魔法を使うキリが、冒険者以外の仕事を考えているって、すこし、信じられないよ」

 「まあ、色々あるのよ」

 「それで、僕は、どうしたらいいの?」

 「時々、冒険者ギルドに顔を出して、受けれそうな依頼をチェックして欲しいの。そして、いい依頼があれば、教えて欲しいの」

 「そんなことか。いいよ」

 「ありがとう」

 私は、フヨウとの思念伝達を切って、魔法学院の生活が少し恋しくなってきた。そして、エルミアにも、挨拶しておこうと思った。そこで、一度、魔法学院に戻る事にした。

 私は、転移魔法で、魔法学院の自分の部屋に移動した。それから、パープルと一緒に食堂にやって来た。

 「あら、キリ。もう、帰って来たの?」

 「話をしていたら、恋しくなってきたの」

 「そうなの。それなら、もっと、早くに連絡をしたらよかったわ」

 ミユが、嬉しそうに私に声を掛けて来た。フヨウも、エルミアも私の方に走って来た。

 「久しぶり。キリ」

 エルミアが、私に抱き付いてきた。それを見たミユが同じように抱き付いてきた。

 「懐かしいわ」

 「そらそうよ。久しぶりだからね」

 「そうよ。何してたの?」

 エルミアが、私に質問してきた。

 「ミユから、聞いていない?」

 「まだ、話していないよ。ついさっき、話を終えたところよ」

 「そうだったかなぁ?」

 「そうよ。ついさっきよ」

 「実は、ミユにも、フヨウにも、行ったのだけど、商人として、仕事をしていたの」

 「えっ、キリが商人?」

 「そうだよ。キリ商店という名前で、商売をしているの」

 「えー、あの大きな商店と同じ名前なの?」

 「どの商店の事を言っているの」

 「あのどの街にも支店を出している商店の事よ。赤のポーションが、とても安いの。それに、最近、可愛いペット犬を売っているのよ」

 「それ、私の商店だよ。キリ商店でしょ」

 「そうなの。そんなに大きな店を経営しているなんて、信じられないわ」

 「そうよ。それなら、冒険者って、やらなくてもいいのじゃない?」

 「うん。でも、冒険者としても、一応の目標は、達成したいの。だから、どうしてもSランクのパーティーになりたいの。皆も、協力して欲しいな」 

 「もちろんよ」

 「私も、協力するよ」

 ミユも、直ぐに、賛成してくれた。やっぱり、このパーティーは、最高だ。私は、食事を一緒に取りながら、離れていた間の事を皆に話していった。そして、皆からは、魔法学院で起こったことを教えて貰った。

 今日は、久しぶりにパープルと一緒にベッドで寝ることにした。そしたら、ミユも、エルミアも、一緒に寝るって、きかないの。

 それで、結局、狭いベッドで、4人が一緒に寝ることになってしまった。でも、私は、とても嬉しかった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

華都のローズマリー

みるくてぃー
ファンタジー
ひょんな事から前世の記憶が蘇った私、アリス・デュランタン。意地悪な義兄に『超』貧乏騎士爵家を追い出され、無一文の状態で妹と一緒に王都へ向かうが、そこは若い女性には厳しすぎる世界。一時は妹の為に身売りの覚悟をするも、気づけば何故か王都で人気のスィーツショップを経営することに。えっ、私この世界のお金の単位って全然わからないんですけど!?これは初めて見たお金が金貨の山だったという金銭感覚ゼロ、ハチャメチャ少女のラブ?コメディな物語。 新たなお仕事シリーズ第一弾、不定期掲載にて始めます!

【完結】義姉上が悪役令嬢だと!?ふざけるな!姉を貶めたお前達を絶対に許さない!!

つくも茄子
ファンタジー
義姉は王家とこの国に殺された。 冤罪に末に毒杯だ。公爵令嬢である義姉上に対してこの仕打ち。笑顔の王太子夫妻が憎い。嘘の供述をした連中を許さない。我が子可愛さに隠蔽した国王。実の娘を信じなかった義父。 全ての復讐を終えたミゲルは義姉の墓前で報告をした直後に世界が歪む。目を覚ますとそこには亡くなった義姉の姿があった。過去に巻き戻った事を知ったミゲルは今度こそ義姉を守るために行動する。 巻き戻った世界は同じようで違う。その違いは吉とでるか凶とでるか……。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄
ファンタジー
【9月10日を持ちまして完結致しました。特別編執筆中です】 ある日、災害に巻き込まれて命を落とした少女ミナは異世界の女神に出会い、転生をさせてもらう事になった。 女神はミナの体を創造して問う。 「要望はありますか?」 ミナは「運だけ良くしてほしい」と望んだ。 迂闊で残念な少女ミナが剣と魔法のファンタジー世界で様々な人に出会い、成長していく物語。

逃げて、追われて、捕まって

あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。 この世界で王妃として生きてきた記憶。 過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。 人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。 だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。 2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ 2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。 **********お知らせ*********** 2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。 それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。 ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。

羨んでいたダンジョンはおれが勇者として救った異世界に酷似している~帰還した現代では無職業(ノージョブ)でも異世界で培った力で成り上がる~

むらくも航
ファンタジー
☆カクヨムにてでローファンタジー部門最高日間3位、週間4位を獲得! 【第1章完結】ダンジョン出現後、職業(ジョブ)持ちが名乗りを上げる中、無職業(ノージョブ)のおれはダンジョンを疎んでいた。しかし異世界転生を経て、帰還してみればダンジョンのあらゆるものが見たことのあるものだった。 現代では、まだそこまでダンジョン探索は進んでいないようだ。その中でおれは、異世界で誰も知らない事まで知っている。これなら無職業(ノージョブ)のおれもダンジョンに挑める。おれはダンジョンで成り上がる。 これは勇者として異世界を救った、元負け組天野 翔(あまの かける)が異世界で得た力で現代ダンジョンに挑む物語である。

ブラック・スワン  ~『無能』な兄は、優美な黒鳥の皮を被る~ 

ファンタジー
「詰んだ…」遠い眼をして呟いた4歳の夏、カイザーはここが乙女ゲーム『亡国のレガリアと王国の秘宝』の世界だと思い出す。ゲームの俺様攻略対象者と我儘悪役令嬢の兄として転生した『無能』なモブが、ブラコン&シスコンへと華麗なるジョブチェンジを遂げモブの壁を愛と努力でぶち破る!これは優雅な白鳥ならぬ黒鳥の皮を被った彼が、無自覚に周りを誑しこんだりしながら奮闘しつつ総愛され(慕われ)する物語。生まれ持った美貌と頭脳・身体能力に努力を重ね、財力・身分と全てを活かし悪役令嬢ルート阻止に励むカイザーだがある日謎の能力が覚醒して…?!更にはそのミステリアス超絶美形っぷりから隠しキャラ扱いされたり、様々な勘違いにも拍車がかかり…。鉄壁の微笑みの裏で心の中の独り言と突っ込みが炸裂する彼の日常。(一話は短め設定です)

処理中です...