二人キリの異世界冒険 (Information Teacher's Second Life)【完結】

無似死可

文字の大きさ
上 下
104 / 145
第10章 魔法学院ミユ編

72.高級言語αの開発

しおりを挟む
 アリエスキリは、これまで、マナコン(マナにより動く、コンピュータ)を制御できるマナクロ(マクロ言語)を使って、データベースなどのサーバーを動かしていた。これを新たに改良して、AI開発用のプログラム言語にすることを考えた。それを、新しく雇った従業員と共に行うつもりだ。

 従業員候補が、23人になっているので、一人ずつに、マナコンを与えて、マナクロを指導した。それで、簡単なプログラムが組めるかどうかを調べて行った。マナコンを自分の手足のように扱える者だけを残した。それ以外は、1ヶ月で、辞めた貰った。

 次に、新しい言語を作るための準備として、字句解析と構文解析のプログラムを作って貰った。

 それから、if文、while文、for文を使うことが出来る整数型のプログラム言語αを作って貰った。この言語αを元に、機能を追加していく予定だ。次に、配列と関数、オブジェクトを教えた。そして、これを元にした言語を作ることを指示した。

 残った従業員13人の中で、特に優秀な者を代表として、2つのチームを作った。一つのチームは、言語の改良を中心に、もう一つのチームは、応用とライブラリの開発を中心に活動して貰った。

 アリエスキリは、新しい言語とその応用分野の研究が軌道に乗り始めたので、次の仕事に移ることにした。別の街で、同じ様に、従業員の募集をして、同様のチームを増やしていくことだ。

 既に支店がある主要な街で募集を行うことにした。それは、グノーブ、イーゼ、ヴェーナ、クラーゲンフ-ト、シュタイアーマ-クの5つの街である。

  アリエスキリは、ノ-トラインに言語開発用のデータベースを置き、他の街から、アクセスできるようにした。これにより、研究内容の共有ができ、更に加速的に発展させることができた。

 少し時間は掛かったが、漸く、ラムダ式 を扱え、ガベージコレクションを自動で行えるシンプルな言語αが完成した。後は、暫く様子を見ることにした。

 アリエスキリは、魔法学院のキリの部屋に転移魔法で、移動して、これまでの報告のために、一度消えることにした。

 「アリエスキリ、ご苦労様。暫くは、休んでいてね」

 私は、アリエスキリの封印を消して、それまでの経験を吸収した。後は、ノートラインの研究所の代表であるユーリに定期的に報告を貰うことにした。私は、思念伝達で、ユーリに連絡を取った。

 「ユーリ、キリだけど、もし、何か必要な物があったら、遠慮せずに、連絡してきてね」

 「はい、分かりました。実は、少し、問題が生じているのですが、いいですか?」
 
 「何かな?」

 「マナコンの動きが遅いのです。もっと、高速に稼働できないのか、といった、苦情が上がっています」

 「そうか。確かに、遅く感じるかもしれないね。研究員の中に、魔法に詳しい者はいない?」

 「居ります。アナベルが詳しいです」

 「それじゃ、アナベルを中心に新しいマナコンの開発を依頼して貰える?」

 「分かりました。でも、最初の段階は、指導する必要があると思います。お願いできますか?」

 「分かったわ。アリエスキリを送るわ」

 「よろしく、お願いします」

 私は、消したアリエスキリを再度、作り、転移魔法で、ユーリの元に送った。後の事は、アリエスキリに任せることにして、私は、魔法学院の生活を軌道に乗せることに集中することにした。

 今日も、楽しくミユと授業に参加している。キリ姉の友達のエルミアや何故か私に絡んで来たクルドも元気に授業に参加していた。

 「よう、キリ、久しぶりだな」

 「クルドも、元気そうね」

 「当たり前だ。俺はいつでも元気さ」

 「魔法の方は、上手くなったの?」

 「何言っているんだ。前から、上手さ。知っているだろう?」

 「えっ、知らなかった?」

 「よく言うよ」

 相変わらずのクルドだ。私は、大人しいエルミアの傍に行き、挨拶をした。

 「エルミア、こちらが、私の友達のミユよ。仲良くしてね」

 「はい、よろしく。エルミアと言います。」

 「こちらこそ、よろしくお願いいたします。」

 「キリ、キリ姉は、休学したの?」

 「そうだよ。どうしても、ハルトとパーティを組みたいって」

 「そうなんだ」

 「何か、伝えようか?」

 「ううん。いいわ。また、会えると思うし」

 「そうだね。また、会えるよね」

 私達は、久しぶりの再会を喜んだ。そして、魔法学院に来れなかった間の事をエルミアに教えた。

 魔大陸の事は、あやふやにしたけど、凡その事は伝わったと思う。

 「エルミアは、冒険者に興味があるの?」

 「少しは、あるわ。でも、ダンジョンは少し、怖い感じがする」

 「以前、錬金術の実習で、ダンジョンに潜ったわね。覚えている?」

 「ええ、覚えているわ。あれから、一度もダンジョンに行っていないの」

 「良かったら、私達と一緒に、行かない?」

 「いいの?私が、一緒で」
 
 「ミユ、いいわね?」

 「はい、私は、いいです。一緒に、行きましょう」

 私達は、一緒にパーティーを組む約束をした。この週末に、ダンジョンに潜る予定だ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ガチャからは99.7%パンが出るけど、世界で一番の素質を持ってるので今日もがんばります

ベルピー
ファンタジー
幼い頃にラッキーは迷子になっている少女を助けた。助けた少女は神様だった。今まで誰にも恩恵を授けなかった少女はラッキーに自分の恩恵を授けるのだが。。。 今まで誰も発現したことの無い素質に、初めは周りから期待されるラッキーだったが、ラッキーの授かった素質は周りに理解される事はなかった。そして、ラッキーの事を受け入れる事ができず冷遇。親はそんなラッキーを追放してしまう。 追放されたラッキーはそんな世の中を見返す為に旅を続けるのだが。。。 ラッキーのざまぁ冒険譚と、それを見守る神様の笑いと苦悩の物語。 恩恵はガチャスキルだが99.7%はパンが出ます!

レベル596の鍛冶見習い

寺尾友希(田崎幻望)
ファンタジー
旧副題:~ちなみに勇者さんは、レベル54で、獣の森をようやく踏破したところだそうです~  オイラはノア。  オイラの父ちゃんは、『神の鍛冶士』とまで言われた凄腕の鍛冶士……なんだけど、元冒険者の母ちゃんが死んでからというものの、鍛冶以外ダメダメの父ちゃんは、クズ同然の鉱石を高値でつかまされたり、伝説級の武器を飲み屋のツケに取られたり、と、すっかりダメ親父。  今では、いつも酔っぱらって、元・パーティメンバーからの依頼しか受けなくなっちゃった。    たまに依頼が入ったかと思うと、 「ノア!  オリハルコン持ってこい!」 「ないよ、そんなの!?」 「最果ての亀裂にでも行きゃ、ゴロゴロ落ちとるだろ!」 「どこだよ、そのムチャクチャ遠そうなトコ!?」  てなわけで、オイラの目下の仕事は、父ちゃんが使う鉱石拾いと素材集めってわけ。  そして、素材を集めるため、何度も強敵に挑み続けたオイラは、ついに気付いてしまった。  魔獣は、何も、殺さなくても素材をドロップしてくれること。  トドメさえささなければ、次に行くときまでに、勝手に回復して、素材を復活させてくれていることに!  かくして、オイラの地下倉庫には、伝説の勇者が、一生を通して数個しか入手できないような素材が、ゴロゴロ転がることとなる。 「父ちゃん、そろそろオイラにも、売り物の剣。打たせてくれよ」 「百年早いわ、バカモノ……ひっく」 「……じゃあしょうがない、ご近所さんに頼まれた草刈り鎌でも作るか。  マグマ石とアダマンタイトの合金に、火竜のウロコ、マンティコアの針を付与して。  出来た、ノア特製・雑草の燃える鎌!」 「……!?  お前、なんでそんなの持ってるんだ!?」 「え?普通に、火竜からプチッと」  最強鍛冶見習い・ノアの、常識外れの日常と冒険の物語。  三巻以降のストーリーを加筆修正中。今まで公開してきたお話を引き下げることがあります。

異世界日帰りごはん【料理で王国の胃袋を掴みます!】

ちっき
ファンタジー
【書籍化決定しました!】 異世界に行った所で政治改革やら出来るわけでもなくチートも俺TUEEEE!も無く異世界での日常を全力で楽しむ女子高生の物語。 暇な時に異世界ぷらぷら遊びに行く日常にちょっとだけ楽しみが増える程度のスパイスを振りかけて。そんな気分でおでかけしてるのに王国でドタパタと、スパイスってそれ何万スコヴィルですか!

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

逃げて、追われて、捕まって

あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。 この世界で王妃として生きてきた記憶。 過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。 人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。 だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。 2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ 2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。 **********お知らせ*********** 2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。 それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。 ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。

転生貴族の魔石魔法~魔法のスキルが無いので家を追い出されました

月城 夕実
ファンタジー
僕はトワ・ウィンザー15歳の異世界転生者だ。貴族に生まれたけど、魔力無しの為家を出ることになった。家を出た僕は呪いを解呪出来ないか探すことにした。解呪出来れば魔法が使えるようになるからだ。町でウェンディを助け、共に行動をしていく。ひょんなことから魔石を手に入れて魔法が使えるようになったのだが・・。

料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~

斬原和菓子
ファンタジー
ここは異世界の中都市にある料理屋。日々の疲れを癒すべく店に来るお客様は様々な問題に悩まされている 酒と食事に癒される人々をさらに幸せにするべく奮闘するマスターの異世界食事情冒険譚

処理中です...