二人キリの異世界冒険 (Information Teacher's Second Life)【完結】

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第10章 魔法学院ミユ編

72.高級言語αの開発

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 アリエスキリは、これまで、マナコン(マナにより動く、コンピュータ)を制御できるマナクロ(マクロ言語)を使って、データベースなどのサーバーを動かしていた。これを新たに改良して、AI開発用のプログラム言語にすることを考えた。それを、新しく雇った従業員と共に行うつもりだ。

 従業員候補が、23人になっているので、一人ずつに、マナコンを与えて、マナクロを指導した。それで、簡単なプログラムが組めるかどうかを調べて行った。マナコンを自分の手足のように扱える者だけを残した。それ以外は、1ヶ月で、辞めた貰った。

 次に、新しい言語を作るための準備として、字句解析と構文解析のプログラムを作って貰った。

 それから、if文、while文、for文を使うことが出来る整数型のプログラム言語αを作って貰った。この言語αを元に、機能を追加していく予定だ。次に、配列と関数、オブジェクトを教えた。そして、これを元にした言語を作ることを指示した。

 残った従業員13人の中で、特に優秀な者を代表として、2つのチームを作った。一つのチームは、言語の改良を中心に、もう一つのチームは、応用とライブラリの開発を中心に活動して貰った。

 アリエスキリは、新しい言語とその応用分野の研究が軌道に乗り始めたので、次の仕事に移ることにした。別の街で、同じ様に、従業員の募集をして、同様のチームを増やしていくことだ。

 既に支店がある主要な街で募集を行うことにした。それは、グノーブ、イーゼ、ヴェーナ、クラーゲンフ-ト、シュタイアーマ-クの5つの街である。

  アリエスキリは、ノ-トラインに言語開発用のデータベースを置き、他の街から、アクセスできるようにした。これにより、研究内容の共有ができ、更に加速的に発展させることができた。

 少し時間は掛かったが、漸く、ラムダ式 を扱え、ガベージコレクションを自動で行えるシンプルな言語αが完成した。後は、暫く様子を見ることにした。

 アリエスキリは、魔法学院のキリの部屋に転移魔法で、移動して、これまでの報告のために、一度消えることにした。

 「アリエスキリ、ご苦労様。暫くは、休んでいてね」

 私は、アリエスキリの封印を消して、それまでの経験を吸収した。後は、ノートラインの研究所の代表であるユーリに定期的に報告を貰うことにした。私は、思念伝達で、ユーリに連絡を取った。

 「ユーリ、キリだけど、もし、何か必要な物があったら、遠慮せずに、連絡してきてね」

 「はい、分かりました。実は、少し、問題が生じているのですが、いいですか?」
 
 「何かな?」

 「マナコンの動きが遅いのです。もっと、高速に稼働できないのか、といった、苦情が上がっています」

 「そうか。確かに、遅く感じるかもしれないね。研究員の中に、魔法に詳しい者はいない?」

 「居ります。アナベルが詳しいです」

 「それじゃ、アナベルを中心に新しいマナコンの開発を依頼して貰える?」

 「分かりました。でも、最初の段階は、指導する必要があると思います。お願いできますか?」

 「分かったわ。アリエスキリを送るわ」

 「よろしく、お願いします」

 私は、消したアリエスキリを再度、作り、転移魔法で、ユーリの元に送った。後の事は、アリエスキリに任せることにして、私は、魔法学院の生活を軌道に乗せることに集中することにした。

 今日も、楽しくミユと授業に参加している。キリ姉の友達のエルミアや何故か私に絡んで来たクルドも元気に授業に参加していた。

 「よう、キリ、久しぶりだな」

 「クルドも、元気そうね」

 「当たり前だ。俺はいつでも元気さ」

 「魔法の方は、上手くなったの?」

 「何言っているんだ。前から、上手さ。知っているだろう?」

 「えっ、知らなかった?」

 「よく言うよ」

 相変わらずのクルドだ。私は、大人しいエルミアの傍に行き、挨拶をした。

 「エルミア、こちらが、私の友達のミユよ。仲良くしてね」

 「はい、よろしく。エルミアと言います。」

 「こちらこそ、よろしくお願いいたします。」

 「キリ、キリ姉は、休学したの?」

 「そうだよ。どうしても、ハルトとパーティを組みたいって」

 「そうなんだ」

 「何か、伝えようか?」

 「ううん。いいわ。また、会えると思うし」

 「そうだね。また、会えるよね」

 私達は、久しぶりの再会を喜んだ。そして、魔法学院に来れなかった間の事をエルミアに教えた。

 魔大陸の事は、あやふやにしたけど、凡その事は伝わったと思う。

 「エルミアは、冒険者に興味があるの?」

 「少しは、あるわ。でも、ダンジョンは少し、怖い感じがする」

 「以前、錬金術の実習で、ダンジョンに潜ったわね。覚えている?」

 「ええ、覚えているわ。あれから、一度もダンジョンに行っていないの」

 「良かったら、私達と一緒に、行かない?」

 「いいの?私が、一緒で」
 
 「ミユ、いいわね?」

 「はい、私は、いいです。一緒に、行きましょう」

 私達は、一緒にパーティーを組む約束をした。この週末に、ダンジョンに潜る予定だ。
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