二人キリの異世界冒険 (Information Teacher's Second Life)【完結】

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第8章 魔大陸探索編

61.ダンジョン

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 魔人ブルーに、魔人タウについて、教えて貰った。それによると、黒い甲冑に身を包み、鋭く伸びた双角が特徴的な魔人で、剣技にすぐれた戦神だということだ。しかし、これは、言い伝えで、本当かどうかは、定かではない。

 私は、皆に、聞いたことを伝えた。

 「実際に戦ってみないと分からないわね。でも、剣の使い手と言うことはわかったわね」

 キリ姉は、何か、対策を考えているのだろうか? できれば、弱点が聞けたらいいのだけど、魔人ブルーは、知らないようだ。それと、あのトルクという別名は、どういう意味なの? 何を用心したらいいのか、さっぱり、分からない。

 「キリ、それじゃ、ダンジョンに潜るよ。まずは、探索してね」

 「はい」

 私は、スキル探索で、ダンジョンの内部を調べて。すると、ダンジョンは50階層で出来ており、最下層に魔人タウがいるようだ。そこまでにも、レベルの高い魔物が存在している。

 「魔人タウは、最下層の第50階層にいるよ。途中にも、強い魔物がいるみたい」

 私は、調べたことを報告した。

 「慌てることはないよ。ゆっくりと、潜って行こう」

 キリが、皆に声を掛けた。先頭は、ハルトで、その次にキリ姉が続いた。本当は、私とパープルが続く方がいいのだけど、キリ姉は、ハルトから離れたくないみたい。
 
 仕方がないので、私とパープルが最後尾を務めた。

 第30階層までは、特に問題なく、進むことが出来た。そこからは、少し強い魔物が現れた。ガーゴイルが率いるスケルトンの軍団だ。スケルトンは、オリハルコンで出来た装備を見にまとい、魔道具の武器を持っている。

 「ミユ、光魔法で、浄化してくれる」

 キリ姉が、ミユに声を掛けて来た。

 「はい、やります」

 「浄化魔法ピュリフィケーション

 スケルトンの防具に、魔法が跳ね返されている。

 「ミユ、聞いていないよ。もっと、強いのをお願い」

 「はい。
 最上級浄化魔法マキシマ・ピュリフィケーション

 先頭に居るスケルトン達が倒れて行く。今度は、オリハルコンの防具でも、防げないようだ。

 「ミユ、それを繰り返すことは、可能?」

 「まだ、大丈夫です」

 「それじゃ、お願いね」

 「最上級浄化魔法マキシマ・ピュリフィケーション」 

 ミユが魔法を繰り返し、放っている。そろそろ、青のポーションを飲ませた方がいいのかな。

 「ミユ、青のポーションを飲んで置いてね」

 「はい、飲みます」

 「キリ姉、光魔法では、効果が少ないみたい。物理攻撃で、一気に倒さない?」

 「それじゃ、キリとパープルで、倒してみてくれる」

 「いいよ。ミユ、強化してくれる」

 「はい。
 スキル魔力耐性向上
 スキル物理攻撃向上
 スキル攻撃速度向上」

 私は、パープルの背に乗って、スケルトンの群れに突っ込んで行った。右手に剣を、左手に盾を持って、切り込んだ。意外に防御力の高い装備のようだ。剣が跳ね返されてしまう。

 私は、剣を光魔法でコーティングして強化してみた。それから、再度、攻撃を行った。すると、今度は、簡単に防具を切り刻むことが出来た。パープルの素早い動きに、敵のスケルトンは、ついてこれていない。

 私達は、一方的に攻撃を繰り返し、ついにガーゴイル以外をすべて倒すことが出来た。

 「キリ、いいよ。一旦、戻って来て」

 「はい」

 私とパープルは、キリ姉の後ろまで、下がった。

 「ハルト、お願いね」

 素早く、ミユがハルトを強化した。

 「スキル魔力耐性向上
 スキル物理攻撃向上
 スキル攻撃速度向上」
 
 ハルトの大斧での攻撃にガーゴイルは、防御しか出来ないようだ。ついに、ガーゴイルは、逃げ出した。

 ガーゴイルの後を追って、私達は、ついに第45階層まで、進んだ。

 「キリ姉、ここに、レッド・ドラゴンがいるよ。硬い鱗に気を付けてね」

 「いよいよ、レッド・ドラゴンだね。僕が倒すよ」

 ハルトが、意気込んでいる。キリ姉は、少し、心配そうだ。

 「ハルト、炎息ファイア・ブレスに注意してね。それから、弱点は知っている?」

 「はい、喉の所にある逆鱗ですね」

 「そうよ。そこを攻めてね」

 「はい、頑張ります」

 私は、ハルトが、レッド・ドラゴンを倒しやすいように、その他の魔物を範囲攻撃で倒して行った。

 「風壁ウィンド・ウォール
 風壁ウィンド・ウォール
 風壁ウィンド・ウォール

 レッド・ドラゴンの周りの魔物は吹き飛んで行った。ついでに、私は、レッド・ドラゴンを弱らすことにした。

 「氷柱地獄アイスクル・ヘル

 「少しは、効いているようね」

 「キリ、動きを止めて」

 キリ姉が、私に指示をしている。私は、それに答えるために、水魔法で、レッド・ドラゴンの足を氷漬けにすることにした。

 「氷柱地獄アイスクル・ヘル
 
 「今よ。ハルト」

 「はい」

 レッド・ドラゴンの口が大きく開かれて、炎が見えた。

 「炎息ファイア・ブレス
 
 レッド・ドラゴンの攻撃を避けながら、ハルトが、レッド・ドラゴンの喉に大斧を打ち付けた。

 「ドリャー、ドリャー」

 漸く、鱗が剥がれ落ちた。そこに、更にハルトの攻撃が加えられた。

 「グァー」

  レッド・ドラゴンの呻き声と共に、床に倒れた。大きな魔石が飛び出した。パープルが素早く、それをアイテムボックスに放り込んだ。

 「ハルト、やったね」

 キリ姉が、嬉しそうに、ハルトに抱き付いた。

 「はい、頑張りました」

 ハルトも嬉しそうだ。さあ、後は、魔人との対決だけね。少し、用心しないとだめね。
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