二人キリの異世界冒険 (Information Teacher's Second Life)【完結】

無似死可

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第11章 商人キリ活躍編

90.ローザの部下

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 私は、新しい商品開発用に簡易版マナコンを作成した。これは、空間圧縮魔法で、親指の先ほどの小さくしたマナコンで、マナモリーが小さいので、複雑なマナクロを組み込むことはできないが、子供相手のおもちゃの様な動作は問題なく実行できる。

 この新商品の開発を最近雇った研究員達に依頼することにした。

 ローザから、思念伝達で、連絡が入った。

 「キリ、先日教えて貰った人材をすべて、獲得することが出来ました」

 「それは、凄いね。それで、ローザの右腕は、誰にするの?」

 「これから、ゆっくり決めようと思います。構いませんか?」

 「ローザに任せるわ」

 「はい、ありがとうございます」

 漸く、新しい商品の試作品が完成した。これを各支店の店頭に置いて、反響を調べることにした。

 サンライズ商店の支店は、ほぼ全世界に配置されている。ただし、名前だけの支店も多い。それは、これまで、赤のポーションを中心に販売してきたが、それにマナドール中心で、行ってきたからだ。だから、支店と言っても、店舗のみの店の方が多い。つまり、従業員がいないのだ。

 およそ人口1万に当たりに1つの街があるので、全世界では、約60の街が存在していることになる。それらに、サンライズ商店の支店がすでに少なくとも1店舗おいてある。これらを本格的な支店にするために、従業員を2人以上雇っていくことにした。

 まだ、どのような人物が採用できるか分からないので、店長は、決めないで、従業員としてすべて雇うことにした。総数200人にも及ぶ従業員を一度に採用した。

 各支店には、マナコンの端末を置いて、ネットワークに接続した。そして、それの操作のためのマニュアルを置いておいた。

 私は、ローザに思念伝達で連絡を取った。

 「ローザ、キリだけど、今、いい?」

 「ええ、大丈夫ですよ」

 「実は、各支店に従業員用のマナコンを配置したのだけど、操作が出来る様に、手配して貰えないかな?」

 「良いですけど、時間が掛かりますよ。例の転移用の魔法陣は、従業員に使用させてもいいのですか?」

 「構わないよ。どうして?」

 「それなら、本部に一度集めて、全員にオリエンテーションをする方が、効率的では、ないですか?」

 「そうだね。分かった。その方向で、進めてね。私は、本部にオリエンテーション用の施設を作っておくわ」

 「お願いします」

 私は、ローザとの思念伝達を切って、転移魔法で本部に移動した。そして、オリエンテーション用の施設を作った。それと、実習用の教室を10部屋作って、マナコンを配置しておいた。準備出来たことをローザに伝えて、後は、任せることにした。

 ついに、新しい言語が完成した。それに名前を付けた。一番目の言語ということで、ヤヌアリウスと名付けることにした。でも、少し長いので、通称名として「ヤヌス」と呼ぶことにした。

 これを元にAIの開発を進めていくことにした。そして、各国で募集していた新しい研究員も集まって来た。各街で、3人から5人を採用していたので、研究員の総数はおよそ250人にもなっていた。

 私は、これらの新しい研究員をまずは、一堂に集めて、マナコンやマナドールなどと共にヤヌスの理解を計るために初心者用の学習講座を開くことにした。その講師として、最初に採用した研究員に依頼することにした。

 特に優秀な研究員は、研究に没頭してもらうことにして、真面目だが、頭が固そうな研究員を5人選んで、講師にした。研究員の学習の為の施設をリーグリ王国の街ートラインに作った。

 その施設では、宿泊できるように、将来のことも考えて、一人部屋を1000個用意した。そして、その各部屋には、マナコンを配置して、ネットワークに繋げておいた。各自が自由に学習を進めることが出来る様にした。

 また、グループでも研究が出来る様に、30部屋用意して、マナコンから予約できるようにした。

 そして、運動できるような施設と食堂や講師の研究室・宿泊施設を整えて、将来的には、学校として運営できるような物にしておいた。

 研究のリーダーとしては、最初に雇ったドワーフの子供コローギが適していた。そして、ハードウェアのリーダーとして、ドワーフのイーゴを選んだ。更に言語開発のリーダーも、ドワーフの子供ショーバタを選んだ。

 そして、本部で、指導に当たる講師として、後で、採用した人間族の子供を当てることにした。それは、オーカマ、スズーム、アーカネ、ナーカネ、クツワームの5人だ。

 彼らは、非常にまじめなので、講師としては適任だが、研究員としては、少し物足りない。私は、5人を本部に呼んだ。

 「さて、君たちには、新しい研究員の指導に当たって貰いたい。そして、優秀な生徒を見出して欲しい」

 「分かりました。それで、私達のリーダーは、どうしたらいいですか?」

 「それは、君たちで決めて貰ったらいいよ」

 5人は、集まって相談を始めた。結局、年齢の一番上のオーカマがリーダーになった。そして、その次の年齢のスズームが副リーダーになった。

 「リーダーと副リーダーが決まったようだね。2人には、この道具を渡しておく。マナコンを使って、連絡を取り合うことも出来るが、直接にどこにいても連絡が出来る様に、思念伝達用の道具を渡しておくわ」

 「一度、使ってもいいですか?」

 「いいよ。やってみて」

 リーダーのオーカマが道具を使って、副リーダーに思念伝達で、連絡を取った。

 「わぁー、すごい。頭の中に直接声が聞こえてきます」

 「そうだよ。それが、思念伝達だよ」

 「とても便利なので、もう3個貰えませんか?」

 「いいよ。全員に配布するのね」

 「はい」

 私は、追加で、3個の思念伝達用の道具をオーカマに渡した。

 「ありがとうござい」

 私は、後の事をオーカマに任せて、魔法学院の自分の部屋に転移魔法で移動した。
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