二人キリの異世界冒険 (Information Teacher's Second Life)【完結】

無似死可

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第8章 魔大陸探索編

64.魔人タウ(3)

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 私達は、魔人タウをそのままにして、一旦元の世界に戻る事にした。

 魔人タウから、色々な情報を聞き出すことが出来たが、他の島の魔人については、知らないという。ただ、それぞれの島の名前から、魔人の特徴が表れているということが、分かった。そして、あの疑問の1つが解けた。それは、何故、500年もの長い期間を経て、魔王が現れるのかと言うことだ。

 魔大陸の中央にあるPsiファイ島には、魔火山があり、それが噴火する時に、大量の魔力が溢れるらしい。その噴火の周期が500年になっているらしい。

 この大量の魔力がないと、本来魔王が十分な魔力を得ることができない。そして、それ大量の魔力を用いて、魔人を復活することもできない。だから、500年という長い何月を掛けて魔王が復活するのだということだった。

 ただ、今回は、魔人ブラックがこの周期を無視して、魔王を復活させてしまったので、すべてが、予定外になっているらしい。だから、魔人タウも、十分な魔力を持って、復活できなかったという訳だ。

 もう一つの謎である、何故、聖剣を使って、魔人や魔王を殺さなかったのかという疑問だ。魔人タウは、前回、殺されなかった。それは、勇者が聖剣を持っていなかったからだという。そのため、戦いに敗れて、魔力を失った魔人タウは、自ら、石板に逃げ込んだらしい。

 他の魔人の場合も、同じだと思われた。聖剣を使える勇者が召喚されなかったということだ。そのため、封印することしか出来なかった。というより、逃げられたと言う方が正解かもしれない。

 私は、次回魔大陸に行った時に役に立つように、魔石に魔力を注ぐことを考えた。1つの遺跡で、転移するために現在の魔力量の3分の1を消費している。青のポーションを使ってもいいのだが、私にもしもの事があったら、誰も転移できなくなってしまう。それでは、困るだろう。

 「キリ姉、ダンジョンコアって、どうなっている?」

 「基地に保管しているわ。それをどうするの?」

 「遺跡にある転移用の魔法陣を動かすためには、大量の魔力が必要よ。それは、私が、注ぎ込んで、動かしてきたけど、誰でもが、動かせるようにしたいの」

 「そんな大量の魔力を蓄えることなど、できないわ」

 「あのダンジョンコアなら、ある程度の魔力を蓄えることができるわ。それをもう少し、改良してみたいの」

 キリ姉は、リーグリ王国の神殿まで、ダンジョンコアを送るように指示をしてくれた。私は、それに描かれている魔法陣を改良して、より多くの魔力が蓄えられるようにした。そして、その魔力を好きな時に利用できるように、スイッチを付けた。

 でも、まだ、私の総魔力量の100分の1しか、蓄えることが出来なかった。ダンジョンコアは、14個しかない。これでは、遺跡にある転移魔法陣を1度動かすこともできない。ダンジョンコアについている魔法陣を解析して、より大量の魔力を蓄えることが出来る様に改良するのは、難しかった。そこで、発想を変えることにした。

 魔力を蓄える機能は、十分にある。その容量が少ないのは、入れ物であるダンジョンコアの性だと考えた。そこで、魔力を蓄えることができるマナッテリーを使うことにした。これを90個接続して、アイテムボックスの中に配置して、接続した。それに、ダンジョンコアを接続して使うことにした。これで、ダンジョンコア単独の場合の5倍の容量の魔力を蓄えることが出来た。これを6個作って、漸く1回分を確保することが出来た。更に6個つくり、2回分を確保した。

 出来上がった物を、キリ姉に預けた。そして、使い方を説明した。

 「これで、2回は、あの魔大陸の遺跡にある転移魔法陣を使えるのね」

 「はい、そうです。まだ、2回分しかないので、慎重に使わないといけないけど」

 「でも、キリがいない場合の保険と考えれば、十分よ」

 「あっ、そうだ。あの魔人タウに魔方陣の事を聞いていなかったね。ひょっとして、知っているのでは?」

 「そうかなぁ、あの魔人、ほとんど、知らなかったよ。あまり、役に立たなかったね。それより、書籍のデータベースに何か、無かったの?」

 「魔大陸に関しては、やはり、隠蔽されていたようで、書籍には、ないみたい」

 「そうか。残念ね。でも、あの国宝の書籍のように、隠れた情報があるかも知れないね」

 「そうだね。諦めずに、知らべて見るよ」

 「キリ、頑張ってね」

 「はい」

 私は、だめもとで、魔人タウに魔方陣についての知識を聞いて見た。すると、ある程度は、知っていると言う。そして、魔方陣に関する情報は、魔人イプシロンなら知っているのではないかと、教えて貰った。他の魔人については、ほとんど、知識がないと言っていたが、魔人イプシロンとは、一度、一緒に戦ったので、知っているという訳だ。そして、その情報の根拠も、魔人イプシロンが黒魔術師だということだけだった。ほとんど、当てにならない情報だった。
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