二人キリの異世界冒険 (Information Teacher's Second Life)【完結】

無似死可

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第7章 魔人ブルー編

59.ゲートの場所

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 私達は、リーグリ王国の神殿に転移魔法で移動した。あの魔人ブラックが上級神官をやっていた所に、秘密の遺跡がある。この遺跡は、オレンジ国王に借りた秘宝の書籍に乗っているだけで、他の者には知らされていなかった。

 遺跡への入り口は、闇魔法で、結界が張られており、普通の者では、見つける事すらできなかった。

 そして、その入り口には、更に結界で守られており、許された者以外が通過できないようになっていた。

 キリ姉が、ミユを呼んだ。

 「ミュ、お願い。結界を消してくれる」

 「はい、キリ姉。
 解呪ディスペル

 入り口に施されていた結界が消えた。そして、遺跡への入り口が現れた。

 「さあ、行くわよ」

 キリ姉が、皆に声を掛けた。

 私達は、キリ姉に続いて、入り口の中に入って行った。

 中は、螺旋階段になっているが、真っ暗で、よく見えない。すると、ミユが光魔法で、灯りを灯して、皆に声を掛けた。

 「足元に、気を付けてください」
 
 「「はい」」

 秘宝の書籍によると、魔大陸へのゲートは、この遺跡の中央にあるらしい。そして、そのゲートは、転移用の魔法陣によって作られているようだ。しかし、その傍にある魔石に十分な魔力が注ぎ込まれていないと動作しないようだ。

 更に、特殊な装置が付いており、魔法陣を真似ただけでは、魔大陸に移動することが出来ないようだ。その装置については、秘宝の書籍にも情報が全くなかった。

 「キリ、マナを注いでくれる」

 私は、キリ姉に言われたように、魔石にマナを注ぎ始めた。4つの魔石に注ぎ、機能するようになるまでに、かなりの時間を要した。

 「結構、マナを使ったわ。マナポーションを飲んでおくね」

 「キリが、マナポーションを飲むって、最近は、なかったよね。それほど、注ぎ込んだの?」

 「うん。3分の1ぐらい、持っていかれたわ」

 「そんなに必要だったの。それなら、キリ以外では、十分に注ぐことが出来なかったわね」

 「キリが、規格外でよかった」

 「本当ですね。キリは、規格外だ」

 ハルトまで、キリ姉の真似をしている。この二人は、本当に仲が良くなっている。付き合っているみたい。

 「それでは、行きますよ。心の準備は出来ているかな?」

 なぜか、ミユが皆に声を掛けている。そして、光魔法で、癒しを与えている。その光のお陰で不安が消えていった。

 「さあ、行くよ」

 キリ姉の声と共に、私達は、ゲートを抜けて、魔大陸へと転送された。

 ゲートを抜けるとそこは、別世界が広がっていた。後で知ったことだが、魔大陸とは、離れ小島5つで構成されていた。つまり、大陸ではなかった。おそらく、中央にある島に復活した魔王がいるのだろう。

 そして、転送先は、転送元とそっくり同じだった。空の色の違いがなければ、転移したとは、信じられなかっただろう。

 「そっくりね」

 「本当ね。転移を失敗したのかと思ったわ」

 皆も、驚いて、口々に、そっくりだと言っていた。すると、この遺跡が全ての小島に備え付けられているということになる。しかも、動かすためには、また、膨大な魔力が必要となる。

 「キリ、この世界の様子を調べてくれる」

 「はい、キリ姉」

 私は、スキル探索で、大雑把だが、広範囲に渡るように、探索を行った。すると、この世界が5つの小島に分かれていることが分かった。そして、それぞれの小島に魔人らしき者の魔力を感じた。

 「キリ姉、この世界は、5つの小島で出来ているわ。そして、それぞれに、レベルの高い魔物がいるようよ」

 私は、今度は、今いる小島だけを対象に、スキル探索を行った。すると、今いる島の詳細が分かった。

 「キリ姉、今いる島は、Tauタウ島で、別名がトルクと言われているようよ。トルクの意味は不明」

 更に、魔物を調べるために、もう一度、スキル探索を行った。すると、近くに上級ダンジョンがあり、そこに魔物がいることが分かった。そして、その階層は、50階層だった。

 「近くのダンジョンに、ほとんどの魔物がいるようよ。レベル80の魔物もいるよ。多分、それが、魔人だと思う」

 「分かったわ。まず、この遺跡を調べてから、ダンジョンに潜るわ」

 「「はい」」
 
 私達は、遺跡を調べ始めた。ミユは、光魔法で、解呪ディスペル」を辺り一帯に掛けている。うっかり、見落としが出ないようにするつもりだ。

 「キリ姉、ここに、石碑のような物があるよ。そこに、何か書いている。でも、僕には読めない」

 「ちょっと、待ってね。すぐ、行くわ」

 キリ姉が急いで、ハルトの横に行った。そして、ハルトの腕に自分の腕を絡めながら、石碑を眺めている。

 「本当ね。私も分からないわ。誰か、読めないかなぁ」

 私も、パープルも、ミユも、ハルトの所に集まって来た。

 「どうも、ルーン文字のようね」

 「見たことはあるけど、意味は分からないわ」

 どうも、皆、意味は分からないようだ。取り敢えず、内容を控えておくことにした。元の世界に戻れば、データベースで、調べることが出来ると思う。
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