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第7章 魔人ブルー編
58.神官長の裏切り
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私は、ミユに聞いて見た。
「どうして、国王が闇魔法で、操られていると思ったの」
「あれ、キリ、今頃、何を言っているの?」
「どういうこと?」
「キリが、パープルと一緒にリーグリ王国を調査したのでしょう」
「あっ、そうだった。その時に、すでに、魔王に操られているって、言っていたね」
「もう、本当に、大丈夫? キリでは、闇魔法が解除できなかったのかと思って、今回は、付いて行ったのよ」
「ごめん。ミユには、頭が上がらないよ」
「そんなことより、オレンジ国王に頼まなくていいの?」
「そうだ。ハルト、もう一度、オレンジ国王に頼んでくれる?」
「わかった」
ハルトは、もう一度、オレンジ国王に魔大陸について、聞いてくれた。すると、今度は、詳しく、魔大陸について、説明して貰えた。
神官長のみが知っている情報ではなく、代々、神官長が受け継いでいる書籍に掛かれているという。そして、それは、オレンジ国王にも場所が知らされていた。
「私が、案内しよう。一緒に来てくれ」
オレンジ国王は、私達をその書籍が保管されている神殿の地下倉庫に案内してくれた。
「この金庫の中にある。暫く、待ってくれ。今、開けるから」
オレンジ国王は、金庫を開けて、中を調べた。
「ないぞ! 誰が持ち出した。おい、そこの神官、神官長をここへ呼んで来い」
「はい、国王、只今」
神官は、国王の命令で、走りだした。神官長に伝えに行くつもりだ。
私は、パープルに、後を付けて貰った。そして、神官長が逃げないように、捕まえて貰うことにした。
暫くして、パープルが、神官長を引っ張って来た。やはり、神官から、国王の事を聞くと、逃げ出そうとしたらしい。パープルに頼んでいて、正解だった。
神官長が、オレンジ国王の前に引き摺り出されると、ミユが素早く、前に出て来た。
「解呪」
先ほどのオレンジ国王と同じように、神官長も苦しみだした。暫くして、正気を取り戻した。
「神官長、この金庫の書籍をどうした」
「すみません」
「すみません。では、わからぬ。どこにやった」
「魔人ブラックに渡してしまいました」
「何、魔人に渡しただと。あれが、どれほど、大事な物か、お主が知らぬはずがないだろう。それを、よりによって、魔人に渡しただと」
「すみません。でも、内容は、この頭の中に入っております」
「そうか、それなら、その頭の中の物を書き写せ。直ちにだぞ」
「はい、わかりました。誰か、書くものを寄越せ」
「国王、暫くお待ちください」
神官長は、自分の頭に書かれている内容を見ながら書き上げるかのように、次々に書き続けて行く。
「できました。国王、これが、秘宝の書籍です」
「よくやった。流石、神官長だ」
オレンジ国王は、ヨーゼフ神官長を労った。私達は、国王から、その書籍を見ることを許された。
それには、500年毎に魔王が誕生・復活を繰り返してきた歴史が書かれていた。そして、その都度、勇者が召喚され、魔王を封印してきた。そして、魔王が封印されると、魔大陸とのゲートが閉じ、誰も、行き来できなくなったようだ。今回も、魔王の復活に合わせて、ゲートが開いたようだ。そして、そのことを、魔人ブラックが知っていたのだろう。
「オレンジ国王、この秘宝の書籍の一部を写し持つことを許してください」
ハルトが、オレンジ国王に、お願いをした。
「読むことは、許したが、それの一部でも、写し持つことは許されぬ。悪いが、許可することはできない」
「分かりました。キリ、キリ姉、ミユ、一緒に読んでくれ」
「「はい。分かった」」
我々は、一緒に秘宝の書籍を読み込んで行った。特に、ゲートの場所と性質を重点に読んで行った。
私は、魔王の復活の歴史に興味があった。そもそも、私が、この世界に召喚された理由が、魔王の復活だったから、その復活の歴史は、私に存在意義に関わる物のように、感じた。
一番不可解なのが、なぜ、500年毎なのか、なぜ、そんなに時間が掛かるのか。そして、あの聖剣を思い出していた。なぜ、一度もあの聖剣が使われていないのか。
もう一つ、秘宝の書籍に書かれていないことがあった。それは、召喚された勇者パーティーのその後だ。召喚された勇者達によって、魔王の復活を阻止したり、魔王を封印したと書かれているが、勇者がその後どうなったのかは、書かれていない。
「よし、読み終わったぞ」
ハルトが、大きな声で、宣言した。私達も、もう、十分に内容を理解したと思った。
「オレンジ国王、ご配慮に感謝いたします。これより、得られた知識により、魔大陸への調査を開始します」
「おぉ、勇者よ。頼みましたぞ」
王宮内の皆も、我々の無事を祈って、お祈りをしてくれた。私は、結界を消し、皆に、国王の言葉が届くようにしておいた。
「さあ、これからが、本番ね」
「はい、キリ姉。頑張ります」
皆、すごい意気込みだ。でも、本当に、どうしたらいいのか? 魔王を殺すの? 私には、よく分からないかった。
「どうして、国王が闇魔法で、操られていると思ったの」
「あれ、キリ、今頃、何を言っているの?」
「どういうこと?」
「キリが、パープルと一緒にリーグリ王国を調査したのでしょう」
「あっ、そうだった。その時に、すでに、魔王に操られているって、言っていたね」
「もう、本当に、大丈夫? キリでは、闇魔法が解除できなかったのかと思って、今回は、付いて行ったのよ」
「ごめん。ミユには、頭が上がらないよ」
「そんなことより、オレンジ国王に頼まなくていいの?」
「そうだ。ハルト、もう一度、オレンジ国王に頼んでくれる?」
「わかった」
ハルトは、もう一度、オレンジ国王に魔大陸について、聞いてくれた。すると、今度は、詳しく、魔大陸について、説明して貰えた。
神官長のみが知っている情報ではなく、代々、神官長が受け継いでいる書籍に掛かれているという。そして、それは、オレンジ国王にも場所が知らされていた。
「私が、案内しよう。一緒に来てくれ」
オレンジ国王は、私達をその書籍が保管されている神殿の地下倉庫に案内してくれた。
「この金庫の中にある。暫く、待ってくれ。今、開けるから」
オレンジ国王は、金庫を開けて、中を調べた。
「ないぞ! 誰が持ち出した。おい、そこの神官、神官長をここへ呼んで来い」
「はい、国王、只今」
神官は、国王の命令で、走りだした。神官長に伝えに行くつもりだ。
私は、パープルに、後を付けて貰った。そして、神官長が逃げないように、捕まえて貰うことにした。
暫くして、パープルが、神官長を引っ張って来た。やはり、神官から、国王の事を聞くと、逃げ出そうとしたらしい。パープルに頼んでいて、正解だった。
神官長が、オレンジ国王の前に引き摺り出されると、ミユが素早く、前に出て来た。
「解呪」
先ほどのオレンジ国王と同じように、神官長も苦しみだした。暫くして、正気を取り戻した。
「神官長、この金庫の書籍をどうした」
「すみません」
「すみません。では、わからぬ。どこにやった」
「魔人ブラックに渡してしまいました」
「何、魔人に渡しただと。あれが、どれほど、大事な物か、お主が知らぬはずがないだろう。それを、よりによって、魔人に渡しただと」
「すみません。でも、内容は、この頭の中に入っております」
「そうか、それなら、その頭の中の物を書き写せ。直ちにだぞ」
「はい、わかりました。誰か、書くものを寄越せ」
「国王、暫くお待ちください」
神官長は、自分の頭に書かれている内容を見ながら書き上げるかのように、次々に書き続けて行く。
「できました。国王、これが、秘宝の書籍です」
「よくやった。流石、神官長だ」
オレンジ国王は、ヨーゼフ神官長を労った。私達は、国王から、その書籍を見ることを許された。
それには、500年毎に魔王が誕生・復活を繰り返してきた歴史が書かれていた。そして、その都度、勇者が召喚され、魔王を封印してきた。そして、魔王が封印されると、魔大陸とのゲートが閉じ、誰も、行き来できなくなったようだ。今回も、魔王の復活に合わせて、ゲートが開いたようだ。そして、そのことを、魔人ブラックが知っていたのだろう。
「オレンジ国王、この秘宝の書籍の一部を写し持つことを許してください」
ハルトが、オレンジ国王に、お願いをした。
「読むことは、許したが、それの一部でも、写し持つことは許されぬ。悪いが、許可することはできない」
「分かりました。キリ、キリ姉、ミユ、一緒に読んでくれ」
「「はい。分かった」」
我々は、一緒に秘宝の書籍を読み込んで行った。特に、ゲートの場所と性質を重点に読んで行った。
私は、魔王の復活の歴史に興味があった。そもそも、私が、この世界に召喚された理由が、魔王の復活だったから、その復活の歴史は、私に存在意義に関わる物のように、感じた。
一番不可解なのが、なぜ、500年毎なのか、なぜ、そんなに時間が掛かるのか。そして、あの聖剣を思い出していた。なぜ、一度もあの聖剣が使われていないのか。
もう一つ、秘宝の書籍に書かれていないことがあった。それは、召喚された勇者パーティーのその後だ。召喚された勇者達によって、魔王の復活を阻止したり、魔王を封印したと書かれているが、勇者がその後どうなったのかは、書かれていない。
「よし、読み終わったぞ」
ハルトが、大きな声で、宣言した。私達も、もう、十分に内容を理解したと思った。
「オレンジ国王、ご配慮に感謝いたします。これより、得られた知識により、魔大陸への調査を開始します」
「おぉ、勇者よ。頼みましたぞ」
王宮内の皆も、我々の無事を祈って、お祈りをしてくれた。私は、結界を消し、皆に、国王の言葉が届くようにしておいた。
「さあ、これからが、本番ね」
「はい、キリ姉。頑張ります」
皆、すごい意気込みだ。でも、本当に、どうしたらいいのか? 魔王を殺すの? 私には、よく分からないかった。
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