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第7章 魔人ブルー編
56.リーグリ王国への提案
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私は、転移魔法で、リーグリ王国の中心の街ノ-トラインに移動した。そして、商業ギルドにやって来た。ローザに会うためだ。
「ローザ、キリだけど、今いいかなぁ」
「いいわよ。キリが来るって、珍しいね」
「実はお願いがあるの」
「何かな?」
「このリーグリ王国の南東のにある上級ダンジョンを含む森林を買い取りたいの」
「えっ、今、どんな状態か、知っているの?」
「ある程度は、知っているわ」
「それなら、どうして買おうとするのよ。止めた方がいいよ」
「うーん、少し、事情があるの。今は、言えないけど」
「そうか。分かっているのなら、いいわ。それじゃ、書類を確認してくるね」
「はい、待ってます」
ローザは、部屋の奥に行き、書類を揃えている。珍しく、商業ギルド長がローザに何か、話しかけている。会話が終わり、ローザがこちらにやって来た。
「キリ、お待たせ」
「ギルド長と話してたけど、何か、あったの?」
「実は、あのあたり一帯が魔王軍に侵略されたの。それで、今は、売買が禁止になっているの。国王の命令なので、今は、無理ね」
「そうか。もしだけど。国王がいいって、言ったら、買えるのね」
「それは、大丈夫よ。それに、持ち主は、もう、お金どころじゃないみたいよ。復興に掛かる費用を考えると、所有権を放棄したいみたいよ」
「ローザ、ありがとう。また、来ますね」
私は、商業ギルドを出て、思念伝達でキリ姉に連絡を取った。そして、ローザとの経緯について、報告した。
「そうなの。では、国王に直談判ね」
「えっ、そんなことできるの?」
「大丈夫、私達には、ハルトが付いているよ」
「そうか、ハルトが国王に頼めば」
「それじゃ、王宮で待ち合わせね」
「はい」
私は、キリ姉との思念伝達を切って、いそいで、王宮に転移魔法で、移動した。キリ姉の考えは、勇者であるハルトが頼めば、言うことを聞いてくれるだろうという、甘い考えだった。
勇者ハルトの訪問ということもあって、国王とはすぐに会うことができた。これからが、勝負だ。
「初めまして、私は、勇者ハルトと言います」
「私が、リーグリ王国の国王のオレンジだ。この度の訪問は、どういう目的かな」
「実は、魔王軍によって破壊されて街の復興のお手伝いをしようと思ってやって来たのです」
「それは、助かる。それで、どのような計画なのかな。まだ、魔王軍がダンジョンに籠っていると聞いているが、それの討伐も行って貰えるのか?」
「実は、魔王軍は、現在、南東の上級ダンジョンに籠っています。そして、国民は、南西の森の中に逃げています。魔王軍の侵攻が暫くないので、一部の国民は、元の街に戻っているようですが、まだ、危険な状態です」
「確かに、そのように余も聞いている。して、この後は、どうする?」
「まず、魔王軍がダンジョンの外に出てこないように、周囲を固めます。それは、我々の軍隊で、大丈夫です。それから、周囲の森を中心に、魔物が残っていないか、確認してから、避難していた国民を街へ誘導します。ただ、街が崩壊しているので、臨時の住宅を創る予定です」
「それは、見事じゃ。ハルトと申したな。そちに任せよう」
「つきましては、一つお願いがあります」
「何かな、申してみよ」
「この計画が完了した後は、いつ魔王軍の恐怖が復活するかもわかりません。そこで、南一体の森林とダンジョンの管理を私に任せて欲しいのです。あそこを私の領地として、統括したいのです。あの土地の管理は、買い取る予定です。無償で、貰おうとは思っておりません」
「そうか、買い取るとな。それは、誠か?」
「はい、私の言葉に: 二言はありません」
「よし、勇者ハルト、余の勅令をだす。見事、計画を実行してまいれ」
「はっ、はっ。かしこまりました」
私達は、リーグリ王国のオレンジ国王との交渉を無事終えて、南のダンジョンにやって来た。
「さて、もう一度、魔人ブルーに会うよ」
キリ姉が、皆の気を引き締めた。
私達は、ダンジョンに潜って、魔人ブルーと再度、交渉を始めた。魔人ブルーは、人間族等との共存を謳っているだけあって、こちらの条件をすべて飲んでくれた。
「それじゃ、始めましょうか」
また、キリ姉が、号令を掛けた。私は、街の復興を任された。キリ姉が、ハルトといちゃつきながら、残った魔物の討伐を行うことになった。そして、パープルとミユは、避難民の誘導に当たることになった。
私は、崩壊した街を一旦土魔法で、更地にしてから、簡易のアパートを創った。避難民が約3万人いると聞いているので、それらの人々全員が住むことが出来る様に、部屋を2万部屋作ることにした。
1棟に1000部屋と考えたので、1棟を10階建てとして、1階に100部屋を創った。それを全部で、10棟作っていった。
戻って来た避難民をすべて収容しても、部屋は、十分あった。残った1棟を我々が利用することにした。
これから、この土地を管理していくのに、必要になるだろう。まだ、優秀な人材をこの避難民から、集めていないが、それなりの人数には、なりそうだ。
「ローザ、キリだけど、今いいかなぁ」
「いいわよ。キリが来るって、珍しいね」
「実はお願いがあるの」
「何かな?」
「このリーグリ王国の南東のにある上級ダンジョンを含む森林を買い取りたいの」
「えっ、今、どんな状態か、知っているの?」
「ある程度は、知っているわ」
「それなら、どうして買おうとするのよ。止めた方がいいよ」
「うーん、少し、事情があるの。今は、言えないけど」
「そうか。分かっているのなら、いいわ。それじゃ、書類を確認してくるね」
「はい、待ってます」
ローザは、部屋の奥に行き、書類を揃えている。珍しく、商業ギルド長がローザに何か、話しかけている。会話が終わり、ローザがこちらにやって来た。
「キリ、お待たせ」
「ギルド長と話してたけど、何か、あったの?」
「実は、あのあたり一帯が魔王軍に侵略されたの。それで、今は、売買が禁止になっているの。国王の命令なので、今は、無理ね」
「そうか。もしだけど。国王がいいって、言ったら、買えるのね」
「それは、大丈夫よ。それに、持ち主は、もう、お金どころじゃないみたいよ。復興に掛かる費用を考えると、所有権を放棄したいみたいよ」
「ローザ、ありがとう。また、来ますね」
私は、商業ギルドを出て、思念伝達でキリ姉に連絡を取った。そして、ローザとの経緯について、報告した。
「そうなの。では、国王に直談判ね」
「えっ、そんなことできるの?」
「大丈夫、私達には、ハルトが付いているよ」
「そうか、ハルトが国王に頼めば」
「それじゃ、王宮で待ち合わせね」
「はい」
私は、キリ姉との思念伝達を切って、いそいで、王宮に転移魔法で、移動した。キリ姉の考えは、勇者であるハルトが頼めば、言うことを聞いてくれるだろうという、甘い考えだった。
勇者ハルトの訪問ということもあって、国王とはすぐに会うことができた。これからが、勝負だ。
「初めまして、私は、勇者ハルトと言います」
「私が、リーグリ王国の国王のオレンジだ。この度の訪問は、どういう目的かな」
「実は、魔王軍によって破壊されて街の復興のお手伝いをしようと思ってやって来たのです」
「それは、助かる。それで、どのような計画なのかな。まだ、魔王軍がダンジョンに籠っていると聞いているが、それの討伐も行って貰えるのか?」
「実は、魔王軍は、現在、南東の上級ダンジョンに籠っています。そして、国民は、南西の森の中に逃げています。魔王軍の侵攻が暫くないので、一部の国民は、元の街に戻っているようですが、まだ、危険な状態です」
「確かに、そのように余も聞いている。して、この後は、どうする?」
「まず、魔王軍がダンジョンの外に出てこないように、周囲を固めます。それは、我々の軍隊で、大丈夫です。それから、周囲の森を中心に、魔物が残っていないか、確認してから、避難していた国民を街へ誘導します。ただ、街が崩壊しているので、臨時の住宅を創る予定です」
「それは、見事じゃ。ハルトと申したな。そちに任せよう」
「つきましては、一つお願いがあります」
「何かな、申してみよ」
「この計画が完了した後は、いつ魔王軍の恐怖が復活するかもわかりません。そこで、南一体の森林とダンジョンの管理を私に任せて欲しいのです。あそこを私の領地として、統括したいのです。あの土地の管理は、買い取る予定です。無償で、貰おうとは思っておりません」
「そうか、買い取るとな。それは、誠か?」
「はい、私の言葉に: 二言はありません」
「よし、勇者ハルト、余の勅令をだす。見事、計画を実行してまいれ」
「はっ、はっ。かしこまりました」
私達は、リーグリ王国のオレンジ国王との交渉を無事終えて、南のダンジョンにやって来た。
「さて、もう一度、魔人ブルーに会うよ」
キリ姉が、皆の気を引き締めた。
私達は、ダンジョンに潜って、魔人ブルーと再度、交渉を始めた。魔人ブルーは、人間族等との共存を謳っているだけあって、こちらの条件をすべて飲んでくれた。
「それじゃ、始めましょうか」
また、キリ姉が、号令を掛けた。私は、街の復興を任された。キリ姉が、ハルトといちゃつきながら、残った魔物の討伐を行うことになった。そして、パープルとミユは、避難民の誘導に当たることになった。
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