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第2章 魔法学院入学編
11ー3.勇者登場(3)
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私達は、ダンジョンの入り口で、勇者一行が来るのを待っていた。
勇者一行の姿が見えると、ダンジョンの入り口にいた兵士たちは、我先に逃げてしまった。
ダンジョンの入り口には、誰も居なくなった。
勇者一行は、勇者を先頭に、その後に2人の近衛兵、それに続いて、近衛兵に守られて神官達が続いていた。神官達は、ダンジョンの入り口で立ち止まり、ダンジョンには入ろうとはしていない。
勇者と2人の近衛兵は、気にせずにどんどんダンジョンの中に入っていった。どうも、いつものことのようだ。神官達がダンジョンに入らないのは。勇者に丸投げのようだ。
「よし、よし、思ったとおりね」
キリ姉は、上機嫌で笑みがこぼれている。
「もう少し待ってから行くよ。キリ、準備はいいのかな?」
「はい。いつでもいいよ」
「イケルヨ」
パープルも準備万端だ。
勇者達は、第1階層から第2階層に向かていた。
「よし、今だ」
「はい」
「ウォー」
3人は、一斉に飛び出して、近衛兵達を倒し、神官達を捕まえた。
「よし。予定通り」
キリ姉は、神官達を捕まえて、勇者を脅し、御帰り願おうという計画だった。
勝手に、勇者と神官達が離れたので、思っていた以上に簡単に実現できた。
「それでは、勇者に帰って貰おうかな」
「はい、キリ姉」
「パープル、行って来てね」
「ワカッタ」
パープルに、自立型土人形を背負って貰い、勇者の所に行ってもらった。
「勇者。神官達は預かった。無事に返して欲しかったら、そのままダンジョンを出て、国に帰れ」
「なに! 神官たちを捕らえたと言うのか」
勇者は、驚きながら、返事をした。
「そうだ、黙って、国に帰れ!」
「仕方がない。帰ろうか」
勇者が命令に従って帰ろうとした時、近衛兵達が勇者を押し留めた。
「捕まった神官達には申し訳ないが、このまま、このダンジョンを崩壊して欲しい」
「な、なに。神官達を見殺しにしろというのか?」
「その通りだ。彼らは、必要な犠牲だ。このまま、最下層まで、潜ってダンジョンのコアを潰して欲しい。それが、神殿長の意向だ」
「しかし、私は気が進まない」
「それに、我々が、国に戻っても、新刊達が無事解放される保証はないぞ」
「うっ、うっ。しかし、………」
思ったように勇者たちが国に帰ろうとしない。
「何をグズグズしている。神官達が死んでもいいのだな!」
と、自立型土人形が大きな声を出した。
「勇者殿、お願いだ。このまま、進んでくれ」
近衛兵が勇者に頼みこむ。
「仕方がない。私について来い」
と言うなり、勇者は、ダンジョンを潜ていった。勇者たち一行は、第2階層への階段を下りて行ってしまった。
「失敗したみたいね」
自立型土人形が独り言を言った。
「パープル、戻るわよ」
まるで、キリ姉のように自立型土人形が喋った。パープルは、自立型土人形を背に乗せてダンジョンの入り口に向かって走り出した。
ダンジョンの入り口付近では、キリ姉達が神官達を取り囲んでいた。
「失敗してみたいね」
キリ姉が、自立型土人形のように話した。
「でも、大丈夫。手は打っているから」
「そうね。キリがダンジョンを隠していたから、大丈夫だね」
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
私は、これまでに作ったICのような回路を使って、ついに、簡単なコンピュータに代わるものを作り上げた。これを、マナコンと名付けた。
これで、マナを基盤とする初歩的なハードウェアが完成した。マナコンを柔軟に動かすためには、つぎに、魔法陣を基盤としたソフトウェアが必要である。魔法陣のままでは、扱いにくいので、マナコンが処理可能な言語を考えることにした。言語と言っても、簡単な魔法陣をそのまま単純な記号に置き換えただけの簡単なマクロのようなものだ。
しかし、このコンピュータの機械語のような言語で、複雑な魔法陣を試行錯誤で扱う必要がなくなった。簡単な作業であれば、数分もあれば、マナコンに組み込むことが出来る様になった。
例えば、各支店の小屋で行っている商品の受け渡しを以前のような自立型土人形で行っていたようなシステムに戻すことが可能になった。。
つまり、完全に自動化することが可能になった。でも、簡単な作業だけに、まだ限定されている。
更なる研究が必要だ。私は、パープルに特別な仕事を依頼した。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
勇者達は、やっとの思いで、ザーセン王国に逃げ帰った。神官達も、解放され、無事帰って来た。
「私一人では、思ったように動けなかった」
「私達を守ってくれて、すみませんでした」
「何を言っている。仲間じゃないか。これからも、よろしく頼む」
「はい。宜しくお願い致します。勇者殿」
勇者一行の姿が見えると、ダンジョンの入り口にいた兵士たちは、我先に逃げてしまった。
ダンジョンの入り口には、誰も居なくなった。
勇者一行は、勇者を先頭に、その後に2人の近衛兵、それに続いて、近衛兵に守られて神官達が続いていた。神官達は、ダンジョンの入り口で立ち止まり、ダンジョンには入ろうとはしていない。
勇者と2人の近衛兵は、気にせずにどんどんダンジョンの中に入っていった。どうも、いつものことのようだ。神官達がダンジョンに入らないのは。勇者に丸投げのようだ。
「よし、よし、思ったとおりね」
キリ姉は、上機嫌で笑みがこぼれている。
「もう少し待ってから行くよ。キリ、準備はいいのかな?」
「はい。いつでもいいよ」
「イケルヨ」
パープルも準備万端だ。
勇者達は、第1階層から第2階層に向かていた。
「よし、今だ」
「はい」
「ウォー」
3人は、一斉に飛び出して、近衛兵達を倒し、神官達を捕まえた。
「よし。予定通り」
キリ姉は、神官達を捕まえて、勇者を脅し、御帰り願おうという計画だった。
勝手に、勇者と神官達が離れたので、思っていた以上に簡単に実現できた。
「それでは、勇者に帰って貰おうかな」
「はい、キリ姉」
「パープル、行って来てね」
「ワカッタ」
パープルに、自立型土人形を背負って貰い、勇者の所に行ってもらった。
「勇者。神官達は預かった。無事に返して欲しかったら、そのままダンジョンを出て、国に帰れ」
「なに! 神官たちを捕らえたと言うのか」
勇者は、驚きながら、返事をした。
「そうだ、黙って、国に帰れ!」
「仕方がない。帰ろうか」
勇者が命令に従って帰ろうとした時、近衛兵達が勇者を押し留めた。
「捕まった神官達には申し訳ないが、このまま、このダンジョンを崩壊して欲しい」
「な、なに。神官達を見殺しにしろというのか?」
「その通りだ。彼らは、必要な犠牲だ。このまま、最下層まで、潜ってダンジョンのコアを潰して欲しい。それが、神殿長の意向だ」
「しかし、私は気が進まない」
「それに、我々が、国に戻っても、新刊達が無事解放される保証はないぞ」
「うっ、うっ。しかし、………」
思ったように勇者たちが国に帰ろうとしない。
「何をグズグズしている。神官達が死んでもいいのだな!」
と、自立型土人形が大きな声を出した。
「勇者殿、お願いだ。このまま、進んでくれ」
近衛兵が勇者に頼みこむ。
「仕方がない。私について来い」
と言うなり、勇者は、ダンジョンを潜ていった。勇者たち一行は、第2階層への階段を下りて行ってしまった。
「失敗したみたいね」
自立型土人形が独り言を言った。
「パープル、戻るわよ」
まるで、キリ姉のように自立型土人形が喋った。パープルは、自立型土人形を背に乗せてダンジョンの入り口に向かって走り出した。
ダンジョンの入り口付近では、キリ姉達が神官達を取り囲んでいた。
「失敗してみたいね」
キリ姉が、自立型土人形のように話した。
「でも、大丈夫。手は打っているから」
「そうね。キリがダンジョンを隠していたから、大丈夫だね」
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私は、これまでに作ったICのような回路を使って、ついに、簡単なコンピュータに代わるものを作り上げた。これを、マナコンと名付けた。
これで、マナを基盤とする初歩的なハードウェアが完成した。マナコンを柔軟に動かすためには、つぎに、魔法陣を基盤としたソフトウェアが必要である。魔法陣のままでは、扱いにくいので、マナコンが処理可能な言語を考えることにした。言語と言っても、簡単な魔法陣をそのまま単純な記号に置き換えただけの簡単なマクロのようなものだ。
しかし、このコンピュータの機械語のような言語で、複雑な魔法陣を試行錯誤で扱う必要がなくなった。簡単な作業であれば、数分もあれば、マナコンに組み込むことが出来る様になった。
例えば、各支店の小屋で行っている商品の受け渡しを以前のような自立型土人形で行っていたようなシステムに戻すことが可能になった。。
つまり、完全に自動化することが可能になった。でも、簡単な作業だけに、まだ限定されている。
更なる研究が必要だ。私は、パープルに特別な仕事を依頼した。
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勇者達は、やっとの思いで、ザーセン王国に逃げ帰った。神官達も、解放され、無事帰って来た。
「私一人では、思ったように動けなかった」
「私達を守ってくれて、すみませんでした」
「何を言っている。仲間じゃないか。これからも、よろしく頼む」
「はい。宜しくお願い致します。勇者殿」
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