二人キリの異世界冒険 (Information Teacher's Second Life)【完結】

無似死可

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第6章 幻の魔王軍編

54.魔大陸

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 結局、魔人ブルーは戻って来なかった。でも、魔王軍の侵攻は、止まった。

 どのような話がなされたか、分からないが、魔王軍は、すべて、リーグリ王国の南東の1つの上級ダンジョンに籠った。 そして、そこからは出てこなかった。また、それまでに占領していた街は、すべて解放された。

 しかし、実際は、異なっていた。

 魔人ブルーは、魔人ブラックを説得しようとした。すなわち、人間族などとの共存を説いた。しかし、物別れに終わった。

 「ブラック、なぜ、そこまで、人間族を嫌っている」

 「当たり前だろ。魔王ズハアを封印した者を好きになれるはずがない」

 「だが、封印したのは、今の人間族か? 違うだろう」

 「何をバカな事を言っている。人間族は、人間族だ。だから、魔王ズハアに完全復活してもらい、殲滅してもらうのだ」

 「どうしても戦うというのか? 俺は、お前には、ついていけない」

 「お前ひとり、いなくなっても、困りはしない」

 魔人ブラックは、魔王ズハアが完全復活を遂げていないことを知っていた。そこで、魔大陸に潜み、魔王の完全復活を優先することにした。

 結局、魔人ブラックは、魔王ズハアと魔人バイオレット、魔人イエロー、魔人グリーンの3人の魔人を伴って、魔大陸に渡っていった。

 魔人ブルーは、魔人ブローと共に、上級ダンジョンに籠ることにした。そして、人間族など、との共存の道を歩み始めた。その手始めとして、これまで、占領していた街を解放したのだ。そして、今後の計画を考えるために上級ダンジョンに籠った。

 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 私達は、まだ、魔大陸の存在に気づいていなかった。上級ダンジョンにすべての魔王軍が籠っていると思っていた。

 そのため、魔王軍を取り囲んで、私達が制圧したダンジョンにマナドールを待機させた。各ダンジョンに2万ずつ保管しておいた。

 そして、今回に戦いで、疲労がたまったので、土人形ゴーレムを一旦解消することにした。すなわち、アクエィアスキリ姉ピスケスキリ姉をただの土人形に戻した。これで、キリ姉の精神的な負担は減る。

 次に、私の土人形であるアリエスキリタウラスキリも、元の土人形に戻した。最後に、パープルの土人形であるレオパープルヴァルゴパープルも、ただの土人形に戻した。これで、私自身の精神的な負担も減った。

 今回の戦いで、マナドールでは、十分な働きをしないことが分かった。そこで、将来のリスクを少しでも減らすために、2つの方法を考えた。

 一つは、マナドールの装備・結界の強化を図ることだ。もう一つは、マナドール自身のスキル格闘のレベル上げを行うということだ。

 現在のマナドールは、決められたプログラミング通りに動くだけだ。それを、人間に近づけていくためには、AIの開発を行わないといけない。

 すでに、大量の戦闘データは、蓄積できている。それを元にシミュレーションを行えるように準備することにした。

 ディープラーニングを行うには、もう少し、時間が掛かりそうだ。でも、確実に進めることが出来そうだ。

 これらの研究は、キリ姉には、暫く内緒で、一人で実行することにした。

 それから、本当の勇者パーティの結成を考える時期になったのかもしれない。

 いまは、キリ姉を中心としたパーティーを組んでいるが、何時まで、この良好な状態が維持できるともかぎらない。特に、ハルトは、自分のことを勇者と思っているが、実際には、戦士だ。光魔法が使えないので、魔王が復活したときには、代わりの勇者が必要となる。

 私キリとミユとパープルは、あまり、将来の事を考えるタイプではない。その時、その時の状況で変わっていきそうだ。

 まあ、キリ姉に私とパープルは、付いて行くのは、確実だけどね。

 それにしても、魔人ブルーには、もう一度会っておかないといけないね。逃げられたままって言うのは、癪だものね。
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