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第5章 魔人ブラック編
47.伝説の武器
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キリ達は、久しぶりに魔法学院に顔を出した。
長い間、講座を欠席していたので、追試を受けることになった。でも、すべて、中級魔法止まりで、キリもキリ姉も、問題なくすべての科目で高得点での合格を果たした。
その時、上級教師のマルグリットにも、会うことが出来た。
「マルグリット先生、久しぶりにです。お元気でしたか?」
キリ姉が、廊下で、マルグリット先生を見かけて、声を掛けた。
「ええ、元気でしたよ。キリ、どうだった?」
「はい、私も元気でした。色々と忙しかったのですが、最近は、少し、落ち着いてきました」
「そう、それは良かった。それでは、学校の勉強も集中できるわね」
「ええ、少しは頑張れると思います」
「まあ、少しだけ?
でも、キリは、優秀だから、問題ないわね」
「ところで、以前斧の武器について、調べていたわね。特に、特殊な武器がないかって」
「はい、調べていました。何か、見つかったのですか?」
「私も、現物を見たわけではないので、自信はないのだけど」
「どんな、情報でもいいので、聞かせて下さい」
「そう、もし、デマだとしても、私を許してね」
「もちろんですよ。仰ってください」
「少し、時間が掛かるので、食堂で何か、食べながら話さない?」
「はい、ちょうど、お腹が空いていたので、助かります」
キリとマルグリット先生は、近況を話しながら、食堂にやって来た。そこには、キリとパープルもいて、すでに、何か食べていた。
「キリ、パープルも、私も誘ってよ」
「ごめんなさい。キリ姉が、マルグリット先生と話していたので、つい、………」
「そうね。マルグリット先生と武器について、話をしていたのよ。キリも興味があるでしょ」
「はい、聞きたいです」
「それでは、ここで、少し待っていてね。料理を取ってくるから」
キリ姉とマルグリット先生は、料理を皿の上に載せて、戻って来た。
「はい、お待たせ。あれ、キリ達は、もう食べ終わったの?」
「うん。終わったよ」
「私達は、これからだけど、食べながら話をしますが、よろしいですか?」
マルグリット先生が丁寧に、断りをいれた。
「はい、マルグリット先生、大丈夫です。
ゆっくり、食べながら、話を聞かせてください」
マルグリット先生は、食事をしながら、話し始めた。
「わたしが、リーツ王国の交換教師として、このウディーア王国に来たことは知っているわね」
「「はい、知っています」」
「その元居たリーツ王国の話なんだけど、最近隕石が落ちたらしいの」
「隕石ですか」
「そう、それが、遺跡の広場に落ちたらしいの」
「隕石なら、時々落ちていますよね」
キリ姉が、マルグリット先生に尋ねた。
「そうね。月に1回ぐらいは、聞くわね。
でも、今回のは、いつもと少し違っていたの。
まず、場所が遺跡の中の広場だったこと。
それから、その隕石を目撃した人が、神官だったということ。
さらに、その人の話では、単なる隕石ではなくて、周りが眩しい光で覆われていたというのよ」
「ひょっとして、その遺跡は、伝説の遺跡ですか?」
「キリは、伝説をしっているの」
マルグリット先生が、キリ姉に、聞き返した。
「マルグリット先生が、来られた時に、リーツ王国について、少し調べたのです」
「そうだったのね。キリは、色々とよく知っているわね」
「その遺跡というのは、武神セナマを祭っていた遺跡なのよ。
そして、その武神セナマが持っていたのが、伝説の武器聖炎神戦斧なの。その武器には、言い伝えがあるの。使われるときは、炎を帯びるということ。
言い伝えとしては、武神セナマが持っていた戦斧に炎が落ちて、気が付くと持っていた戦斧が、聖炎神戦斧になったっていうのよ。そして、戦士だったセナマが炎を操る武神セナマになったというのね」
「本当にそんなことってあるのですか?」
キリが、マルグリット先生に聞いた。
「うーん、分からないわね。でも、伝説には何か、後世の人々に伝えたいことを含んでいると思うの。だから、突拍子もないことも、最初から嘘だと決めつけずに、その伝説の意図を考える必要があると思うのよ」
「はい、わかりました」
「ところで、その斧はどうなったのですか?
今は、誰が持っているのですか?
教えてください」
キリ姉が矢継ぎ早に、マルグリット先生に聞いた。
「どうも、まだ、その遺跡の広場にあるらしいの」
「えぇっ、どうして?」
「これも、噂だけど、兵士が5人で持ち上げようとしたけど、持ち上がらなくて、そのままになっているって聞いたのよ」
「そんな重いのなら、使えませんね」
「そうね、普通の人には、持つことができないわね。まして、武器として使うのは不可能よ」
「そうですね。マルグリット先生、お話を聞けて楽しかったです。ありがとうございます」
「また、何か情報があったら、教えますね。キリ達も、出来るだけ学校に出てきてくださいよ」
「「はーい」」
キリ達は、マルグリット先生と食堂で分れた。その日の午後は、いつも通りの自習の日だった。
そこで、キリ達は、ミユとハルトを誘って、自習することにした。
長い間、講座を欠席していたので、追試を受けることになった。でも、すべて、中級魔法止まりで、キリもキリ姉も、問題なくすべての科目で高得点での合格を果たした。
その時、上級教師のマルグリットにも、会うことが出来た。
「マルグリット先生、久しぶりにです。お元気でしたか?」
キリ姉が、廊下で、マルグリット先生を見かけて、声を掛けた。
「ええ、元気でしたよ。キリ、どうだった?」
「はい、私も元気でした。色々と忙しかったのですが、最近は、少し、落ち着いてきました」
「そう、それは良かった。それでは、学校の勉強も集中できるわね」
「ええ、少しは頑張れると思います」
「まあ、少しだけ?
でも、キリは、優秀だから、問題ないわね」
「ところで、以前斧の武器について、調べていたわね。特に、特殊な武器がないかって」
「はい、調べていました。何か、見つかったのですか?」
「私も、現物を見たわけではないので、自信はないのだけど」
「どんな、情報でもいいので、聞かせて下さい」
「そう、もし、デマだとしても、私を許してね」
「もちろんですよ。仰ってください」
「少し、時間が掛かるので、食堂で何か、食べながら話さない?」
「はい、ちょうど、お腹が空いていたので、助かります」
キリとマルグリット先生は、近況を話しながら、食堂にやって来た。そこには、キリとパープルもいて、すでに、何か食べていた。
「キリ、パープルも、私も誘ってよ」
「ごめんなさい。キリ姉が、マルグリット先生と話していたので、つい、………」
「そうね。マルグリット先生と武器について、話をしていたのよ。キリも興味があるでしょ」
「はい、聞きたいです」
「それでは、ここで、少し待っていてね。料理を取ってくるから」
キリ姉とマルグリット先生は、料理を皿の上に載せて、戻って来た。
「はい、お待たせ。あれ、キリ達は、もう食べ終わったの?」
「うん。終わったよ」
「私達は、これからだけど、食べながら話をしますが、よろしいですか?」
マルグリット先生が丁寧に、断りをいれた。
「はい、マルグリット先生、大丈夫です。
ゆっくり、食べながら、話を聞かせてください」
マルグリット先生は、食事をしながら、話し始めた。
「わたしが、リーツ王国の交換教師として、このウディーア王国に来たことは知っているわね」
「「はい、知っています」」
「その元居たリーツ王国の話なんだけど、最近隕石が落ちたらしいの」
「隕石ですか」
「そう、それが、遺跡の広場に落ちたらしいの」
「隕石なら、時々落ちていますよね」
キリ姉が、マルグリット先生に尋ねた。
「そうね。月に1回ぐらいは、聞くわね。
でも、今回のは、いつもと少し違っていたの。
まず、場所が遺跡の中の広場だったこと。
それから、その隕石を目撃した人が、神官だったということ。
さらに、その人の話では、単なる隕石ではなくて、周りが眩しい光で覆われていたというのよ」
「ひょっとして、その遺跡は、伝説の遺跡ですか?」
「キリは、伝説をしっているの」
マルグリット先生が、キリ姉に、聞き返した。
「マルグリット先生が、来られた時に、リーツ王国について、少し調べたのです」
「そうだったのね。キリは、色々とよく知っているわね」
「その遺跡というのは、武神セナマを祭っていた遺跡なのよ。
そして、その武神セナマが持っていたのが、伝説の武器聖炎神戦斧なの。その武器には、言い伝えがあるの。使われるときは、炎を帯びるということ。
言い伝えとしては、武神セナマが持っていた戦斧に炎が落ちて、気が付くと持っていた戦斧が、聖炎神戦斧になったっていうのよ。そして、戦士だったセナマが炎を操る武神セナマになったというのね」
「本当にそんなことってあるのですか?」
キリが、マルグリット先生に聞いた。
「うーん、分からないわね。でも、伝説には何か、後世の人々に伝えたいことを含んでいると思うの。だから、突拍子もないことも、最初から嘘だと決めつけずに、その伝説の意図を考える必要があると思うのよ」
「はい、わかりました」
「ところで、その斧はどうなったのですか?
今は、誰が持っているのですか?
教えてください」
キリ姉が矢継ぎ早に、マルグリット先生に聞いた。
「どうも、まだ、その遺跡の広場にあるらしいの」
「えぇっ、どうして?」
「これも、噂だけど、兵士が5人で持ち上げようとしたけど、持ち上がらなくて、そのままになっているって聞いたのよ」
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「そうですね。マルグリット先生、お話を聞けて楽しかったです。ありがとうございます」
「また、何か情報があったら、教えますね。キリ達も、出来るだけ学校に出てきてくださいよ」
「「はーい」」
キリ達は、マルグリット先生と食堂で分れた。その日の午後は、いつも通りの自習の日だった。
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