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第5章 魔人ブラック編
41.幻の魔王軍
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神官ブラックは、ようやく計画を先に進めることが出来る。
上級神官から、神殿の地下にある倉庫の掃除と整理を申し付けられた。これで、堂々と、神具に触ることが出来る。
まずは、掃除だ。いつ見に来られても困らないようにしておく。それから、自分の計画を実行する。
素早く、掃除を終わらせ、今回利用したい神具を探しながら、神具の整理を行っていった。
神具を用途別・ランク別に整理しているうちに、いくつかの神具に目を付けた。
今回の計画には、直接使わないかもしれないが、役に立ちそうなので、アイテムボックスの中に入れて、持ち帰ることにした。
まあ、この程度のランクの神具なら、消えてしまっても、誰も気にもしないだろう。
つぎに、今回の計画の中心となる神具を探し始めた。
しかし、一向に見つからない。どうやら、別の倉庫に保管されているようだ。
国宝級の神具だから、当り前だな。
今日は、これぐらいにしておこう。次回に期待だな。
作業を終えた神官ブラックは、上級神官が休憩している神官室へ、向かった。仕事が終わったことを報告しておこう。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
ハルトは、魔人レッドに対するリベンジを果たし、のんびり本部で暇そうにしている。
「ハルト、暇なら、少し付き合ってくれる?」
キリ姉が、ハルトを誘っている。最近、キリ姉は、ハルトと一緒にいることが多い。
「はい、いいです」
ハルトも、相手をしてもらって、まんざらではないようだ。
「最近分かったことだけど、魔王を倒すのには、聖剣でなければ、ならないの」
「初めて聞きます。聖剣は、見たことがないです」
「どうも、聖剣らしきものをキリが持っているみたいよ」
「できれば、一度、見せてください」
「それは、いいのだけど、もう一つ、言っておかないといけないことがあるの」
「はい、聞きます」
「その聖剣に関することなんだけど、光魔法が使えないと、だめみたい」
「えっ、光魔法ですか。僕は、多分使えないと思います。魔法は、もともと、苦手です」
「そうねぇ、私も、それは分かっているのだけどね。
まあ、いいか。
聖剣を見に行く?」
「はい、お願いします」
キリ姉は、ハルトの腕を取って、歩き始めた。それと共に、思念伝達で、キリに聖剣を見に行くことを伝えた。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
神官ブラックは、今回、ザーセン王国の神殿にやってきて、一番の収穫を得た。それは、勇者についての情報だ。
これまで、分からなかったが、勇者が2人いる。しかも、その勇者達は、いずれもが逃げてしまった。今、ザーセン王国の神官長ロシーアンが探させているが、大した情報は得ていないようだ。
少年の勇者は、トード王国で、魔人サンドと戦っている。その後の行方は分からないが、調べようはある。特に、居りそうな場所の検討はついている。
もう少ししてから、神官長ロシーアンに探しに行かせればよい。わざわざ、このブラックが動くこともないだろう。
神官ブラックは、魔王軍を作り始めた。ザーセン王国のダンジョンは、勇者によって、すべて、制圧されてしまっていた。つまり、ダンジョンマスターが存在しないダンジョンとなっている。これでは、単なる洞窟だ。
そこで、神官ブラックは、先日盗んで置いたダンジョンコアに特別な魔法陣を刻印して、洞窟の最下層に置いた。
当然、魔力が注がれていないと働かない。そこで、神官ブラックは、自分の今持っている魔力量の8割を注ぎ込んだ。すると、ダンジョンコアは、薄暗い光を放ち始めた。うまく、起動したようだ。
ダンジョンコアから、まず、スライムが湧き出て来た。
出て来たスライムは、周りの魔力を吸い取り、一定量の魔力を蓄積すると、核がひかり、2つに分裂した。これが、至る所で起こった。
すでに、最下層は、スライムだらけとなった。多くのスライムの中には、突然変異で、上位スライムに進化したものが出て来た。
その進化したスライムは、他のスライムを吸収しながら、更に進化を繰り返している。
最終進化を終えたスライムは、破裂すると大きな魔石を吐き出した。
大きな魔石は、それを核とした新しい魔物になった。出て来たのは、角ウサギだった。
多量のスライムから、角ウサギが飛び出し、それらの角ウサギは、一つ上の階層へ移動した。
上の階層では、角ウサギだらけとなった。雄が多数になった群れは、その中の一番魔力の多い個体が雌へと転換していった。そして、その雌は、雄を取り込み、上位の角ウサギを生み出した。
これのような現象を繰り返し、何時の間にか、地下の洞窟は、ダンジョンへと変貌を遂げていた。
最終的にドラゴンが、出現すると、それまでの魔物は、魔力の大きさに合わせて、階層を占拠していった。結果として、下の階層ほど、魔力量の大きな魔物が存在することとなった。
これで、ダンジョンが完成した。
神官ブラックは、暫くは、様子を見ていたが、順調に魔物が出現していき、進化していくのを見て、安心して、神殿に戻っていった。
上級神官から、神殿の地下にある倉庫の掃除と整理を申し付けられた。これで、堂々と、神具に触ることが出来る。
まずは、掃除だ。いつ見に来られても困らないようにしておく。それから、自分の計画を実行する。
素早く、掃除を終わらせ、今回利用したい神具を探しながら、神具の整理を行っていった。
神具を用途別・ランク別に整理しているうちに、いくつかの神具に目を付けた。
今回の計画には、直接使わないかもしれないが、役に立ちそうなので、アイテムボックスの中に入れて、持ち帰ることにした。
まあ、この程度のランクの神具なら、消えてしまっても、誰も気にもしないだろう。
つぎに、今回の計画の中心となる神具を探し始めた。
しかし、一向に見つからない。どうやら、別の倉庫に保管されているようだ。
国宝級の神具だから、当り前だな。
今日は、これぐらいにしておこう。次回に期待だな。
作業を終えた神官ブラックは、上級神官が休憩している神官室へ、向かった。仕事が終わったことを報告しておこう。
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ハルトは、魔人レッドに対するリベンジを果たし、のんびり本部で暇そうにしている。
「ハルト、暇なら、少し付き合ってくれる?」
キリ姉が、ハルトを誘っている。最近、キリ姉は、ハルトと一緒にいることが多い。
「はい、いいです」
ハルトも、相手をしてもらって、まんざらではないようだ。
「最近分かったことだけど、魔王を倒すのには、聖剣でなければ、ならないの」
「初めて聞きます。聖剣は、見たことがないです」
「どうも、聖剣らしきものをキリが持っているみたいよ」
「できれば、一度、見せてください」
「それは、いいのだけど、もう一つ、言っておかないといけないことがあるの」
「はい、聞きます」
「その聖剣に関することなんだけど、光魔法が使えないと、だめみたい」
「えっ、光魔法ですか。僕は、多分使えないと思います。魔法は、もともと、苦手です」
「そうねぇ、私も、それは分かっているのだけどね。
まあ、いいか。
聖剣を見に行く?」
「はい、お願いします」
キリ姉は、ハルトの腕を取って、歩き始めた。それと共に、思念伝達で、キリに聖剣を見に行くことを伝えた。
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神官ブラックは、今回、ザーセン王国の神殿にやってきて、一番の収穫を得た。それは、勇者についての情報だ。
これまで、分からなかったが、勇者が2人いる。しかも、その勇者達は、いずれもが逃げてしまった。今、ザーセン王国の神官長ロシーアンが探させているが、大した情報は得ていないようだ。
少年の勇者は、トード王国で、魔人サンドと戦っている。その後の行方は分からないが、調べようはある。特に、居りそうな場所の検討はついている。
もう少ししてから、神官長ロシーアンに探しに行かせればよい。わざわざ、このブラックが動くこともないだろう。
神官ブラックは、魔王軍を作り始めた。ザーセン王国のダンジョンは、勇者によって、すべて、制圧されてしまっていた。つまり、ダンジョンマスターが存在しないダンジョンとなっている。これでは、単なる洞窟だ。
そこで、神官ブラックは、先日盗んで置いたダンジョンコアに特別な魔法陣を刻印して、洞窟の最下層に置いた。
当然、魔力が注がれていないと働かない。そこで、神官ブラックは、自分の今持っている魔力量の8割を注ぎ込んだ。すると、ダンジョンコアは、薄暗い光を放ち始めた。うまく、起動したようだ。
ダンジョンコアから、まず、スライムが湧き出て来た。
出て来たスライムは、周りの魔力を吸い取り、一定量の魔力を蓄積すると、核がひかり、2つに分裂した。これが、至る所で起こった。
すでに、最下層は、スライムだらけとなった。多くのスライムの中には、突然変異で、上位スライムに進化したものが出て来た。
その進化したスライムは、他のスライムを吸収しながら、更に進化を繰り返している。
最終進化を終えたスライムは、破裂すると大きな魔石を吐き出した。
大きな魔石は、それを核とした新しい魔物になった。出て来たのは、角ウサギだった。
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