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第4章 魔人誕生編
26ー1.新たな召喚魔法(1)
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ザーセン王国の神殿では、以前より準備してきた神具の魔力が満たされた。これにより、神聖な儀式を行うことが出来る。
それは、【勇者召喚】だ。ザーセン王国の神官長ロシーアンは、配下の神官に儀式の準備を指示した。
今回は、国王には秘密裡に行うことにした。それは、以前召喚した勇者では、この王国を守ることが出来ないことを、国王に知られたくないからだ。神官長ロシーアンが認めた勇者が役に立たないということを自ら認めるわけにはいかない。だから、この儀式は絶対に知られてはならないのだ。
「神官長、準備が整いました」
「魔法陣と神具の配置に間違いはないな」
「はい、大丈夫です。複数の上級神官で確認しております」
「よかろう。それでは、神殿のサモンの間に行こう」
神殿のサモンの間では、上級神官達が魔法陣と神具を取り囲んでいた。一人の上級神官が神具を両手で頭上に上げると、5人の神官が輪を作るように集まって来た。5人の神官も神具を両手で支えた。
6人の神官に支えられた神具は、魔法陣の隅の1つの五芒星の上に置かれた。
神官長の詠唱と共に、すべての神官が詠唱を行い、儀式が始まった。
暫くして、魔法陣の中央が明るく輝きだした。それと共に一人の少女が蹲った状態で現れた。
「よし、よし、これでいい」
神官長ロシーアンは、ひとり呟きながら少女に駆け寄った。
「勇者様、ご苦労様です。ご気分はいかがでしょうか」
「少しふらついていますが、大丈夫です。ここは、どこですか?」
「ここは、神殿の中です。あなた様は、私達の勇者として、召喚されたのです」
「えぇっ、私が勇者ですって。本当ですか?」
「はい、本当です」
「でも、私には、その自覚がありません」
「急な事で、戸惑われていると思いますので、お部屋で暫くお休みください。
誰か、勇者様をお部屋に案内しなさい」
すると、上級神官が3人駆け寄ってきて、勇者と呼ばれる少女を連れて行った。
「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ。無事終わった。これで、わしは安泰じゃ。
おい、お前たちは、この部屋を片付けよ。それから、神具を宝物庫で保管しておけ。
魔法陣を消すのを忘れるな」
神官長は、指示をすると、一人部屋から出て行った。
ここに、新たな勇者が一人召喚された。しかし、不思議な事に、神官長は、勇者の能力については、一切調べようとはしなかった。少女が召喚されたというだけで、満足していた。つまり、若いというだけで、満足していた。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
レオとヴァルゴの2人から報告があった。無事、ウディーア王国のすべてのダンジョンに特殊な仕掛けを付けることが出来たらしい。設置する機材などの大量生産が始まって、まだ、1ケ月しか経っていないのに、もう、完了している。この、2人は、優秀だ。
そこで、リーツ王国から始めて、イーゼル王国、トード王国の順に同様の作業をするように、依頼した。
ザーセン王国とリーグリ王国については、暫く静観するつもりだ。
ザーセン王国では、勇者がダンジョンを制圧している可能性がある。それと、遭遇しないためだ。
そして、リーグリ王国については、国王の影響力がなく、神官長の力が絶大で、王国として不明な点が多いためだ。
それは、【勇者召喚】だ。ザーセン王国の神官長ロシーアンは、配下の神官に儀式の準備を指示した。
今回は、国王には秘密裡に行うことにした。それは、以前召喚した勇者では、この王国を守ることが出来ないことを、国王に知られたくないからだ。神官長ロシーアンが認めた勇者が役に立たないということを自ら認めるわけにはいかない。だから、この儀式は絶対に知られてはならないのだ。
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「はい、大丈夫です。複数の上級神官で確認しております」
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暫くして、魔法陣の中央が明るく輝きだした。それと共に一人の少女が蹲った状態で現れた。
「よし、よし、これでいい」
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「えぇっ、私が勇者ですって。本当ですか?」
「はい、本当です」
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すると、上級神官が3人駆け寄ってきて、勇者と呼ばれる少女を連れて行った。
「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ。無事終わった。これで、わしは安泰じゃ。
おい、お前たちは、この部屋を片付けよ。それから、神具を宝物庫で保管しておけ。
魔法陣を消すのを忘れるな」
神官長は、指示をすると、一人部屋から出て行った。
ここに、新たな勇者が一人召喚された。しかし、不思議な事に、神官長は、勇者の能力については、一切調べようとはしなかった。少女が召喚されたというだけで、満足していた。つまり、若いというだけで、満足していた。
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