二人キリの異世界冒険 (Information Teacher's Second Life)【完結】

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第4章 魔人誕生編

23ー1.トード王国での隠密活動(1)

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 ウディーア王国のキリから、思念伝達で、指令が来た。それは、トード王国で隠密活動を行えということだ。

 ウディーア王国のキリから、隠密活動に必要な「隠密魔法」の魔法陣が送られてきた。私達、アクエィアスキリ姉アリエスキリレオパープルの3人が使いやすいようにと、3本のダガーの柄の部分に魔方陣が刻印されていた。

 それと、今後に備えて、マナドールの軍隊を作るように指示された。

 まず、トード王国の主要な街に地下基地を作り、兵士をアイテムボックスに確保していこうというものだ。そこで、各街の郊外に新たな農場と小屋を土地付きで買い上げて、地下基地を作っていった。

 主となる4つの街ド-トムント、マ-セイ、エアフ-ト、リグーリに地下基地が完成した。基地の中には、兵士を作る工場も設置した。また、これらの基地にサーバーを作り、ネットワークにも参加させた。

 各基地の兵士は2万体ずつ作成することにした。

 地下基地の準備が出来たので、次の指令を実行することにした。まずは、この国の魔法学院に潜入して、図書館の図書のコピーをデータベースに送るというものだ。

 ウディーア王国のキリに隠密用マナドールを20体送ってもらった。それをアイテムボックスに入れて、魔法学院に潜入することにした。

 私達、アクエィアスキリ姉アリエスキリレオパープルの3人は、誰にも見つからずに、魔法学院に潜入し、図書室の中に入ることが出来た。

 次に、アイテムボックスから、20体の隠密用マナドールを出して、図書のコピーを開始させた。マナドールは、アイテムボックスの中でもデータベースの操作ができる。そこで、アイテムボックスの中のサーバーにデータベースを作り、一時的にそこにデータを記録することにした。

 2日で、図書のコピーを完成させた。私達、アクエィアスキリ姉アリエスキリレオパープルの3人は、アイテムボックスの中に隠密用マナドールを収納して、ド-トムントの街にある地下基地に移動した。そこから、ネットワーク経由で、コピーした図書のデータを本部に送った。

 次に、神殿の中の図書館についても、同様の作業を行った。神殿の中は、魔法学院以上に書籍が多く、図書のコピーを完成するのに4日を要した。

 最後に、王宮の図書館についても、同様の作業を行った。王宮の中は、神殿以上に書籍が多く、図書のコピーを完成するのに10日を要した。

 これで、トード王国の書籍のコピーは完了だ。結果をウディーア王国のキリに報告をした。

 すると、同様の行動をイーゼル王国でも行うように指示された。私達3人は、急いで、イーゼル王国に移動して、計画を実行していった。最終的に完了したのは、2カ月後であった。冒険者ギルドにも、トード王国と同じパーティ名で登録しておいた。つまり、パーティ名「アクエィアス」だ。

 最後に、ザーセン王国でも、同様の作業を行うように指示された。同じような作業だったので、すべての作業に要した期間は2か月で済んだ。

 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 トード王国と同様の指示が、リーグリ王国にいる3人にも出された。ただ、ここは、魔法学院の中の図書館だけにターゲットを限定した。主要な街の地下基地はトード王国と同様に作る。

 左程の日数が掛からず、計画は完了した。完成したことを報告すると、リーツ王国に移動して、同様の作業をするように指示された。ただ、このリーツ王国は、神殿と冒険者ギルドに特別な関係がなかったので、主だった街に地下基地を作り、サンライズ商店の支店をつくった。これには、4ヶ月掛かった。

 次に、魔法学院・神殿・王宮の図書館の図書のコピーを完成させた。そして、各街のサーバー・データベース・ネットワークもトード王国と同じように完成させた。結果をウディーア王国のキリに報告をした。

 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 ウディーア王国のキリから思念伝達で最後の指令が来た。

 アクエィアスキリ姉アリエスキリレオパープルの3人とピスケスキリ姉タウラスキリヴァルゴパープルの3人は、一緒に、リーグり王国にやって来た。

 この王国で、最後の隠密活動を行う。

 まずは、冒険者ギルドに行き、この王国の冒険者ギルドに登録する。私達6人は、一緒に、ノ-トライン街の神殿にやって来た。

「 アクエィアスキリ姉、いよいよ、だね。バレなければ、いいけどね」

  と、アリエスキリが言った。すると、ピスケスキリ姉が聞いた。

「もし、バレたら、どうする?」

「逃げるか、隠密魔法を使ってね」

 と、アリエスキリが返事をした。

「分かった」

 ピスケスキリ姉が頷いた。

レオパープルヴァルゴパープルは、神殿の中には入らずに、外で待っていてくれる」

 アリエスキリが、レオパープルヴァルゴパープルに確認をした。

「「はい」」

「でも、どうして、神殿の外で待たせるの?」

 ピスケスキリ姉が、アリエスキリに聞いた。すぐさま、アリエスキリが答えた。

「従魔登録は、後日でいいからね。すぐには、必要がないし、もし、私達が捕まった時に、助けに来て貰えるでしょ」

「「確かに」」

 レオパープルヴァルゴパープルの2人が納得をした。

 アリエスキリが、アクエィアスキリ姉ピスケスキリ姉タウラスキリの3人に尋ねた。

「では、ちょっと、チェックしておく?」

「「いいよ」」

 アリエスキリが、音頭を取って、3人に確認していく。

「まずは、思念伝達ね。行くわよ」

「何、これ。好きだって、誰に言ってるのよ?」

 アリエスキリが、思念伝達で、言ったらしい。でも、確認のために、3人に対して同時に思念伝達で、伝えたようだ。そのため、3人の頭の中に同時に伝わった。それが、まるで、エコーのように、頭の中で響いた。

「まあ、まあ、誰が、誰に言っているか、よく分からないから、いいでしょ」

 アリエスキリが、思念伝達の珍しい使い方をしたせいで、3人とも困惑したようだ。

「「良いことない!」」

 3人が一斉に突っ込んだ。

「それじゃ、次、行くよ。隠密魔法よ。準備はいい?」

 と、アリエスキリが、懲りずに、仕切る。すこし、不安になったアクエィアスキリ姉アリエスキリに言った。

「周りに誰も居ないことを確認してよね」

「うん、大丈夫よ。それじゃ、行くわね」

 と、相変わらずアリエスキリの返事は軽い。仕方がないので、3人は諦め気味に返事をした。4人は、ほぼ同時にアイテムボックスの中のダガーを取り出した。

「「はい」」

 3人の返事と共に、4人は、手に持っているダガーの「隠密魔法」の刻印にマナを流して、魔法を起動した。

「大丈夫ね。全員消えたわ。うわぁ、誰よ、抱き付いてきたのは?」

 と、アクエィアスキリ姉が驚いた。そして、怒ったように言い放った。

「もういいわよ。魔法を解いてね」

「「はい」」

 アリエスキリタウラスキリの2人が同時に返事をした。ということは、アリエスキリだけではなく、タウラスキリも抱き付いていたようだ。

「でも、この魔法って、いいね。いつでも、周りに気を使わないで、抱き付けるよ」

 アリエスキリタウラスキリに、声を掛けている。

「そうね」

「そうね、じゃないよ。だめでしょ」

 と、アクエィアスキリ姉が怒って言った。すると、アリエスキリは、相変わらずの返事をしている。

「そうかな?」

「そうよ」

と、アクエィアスキリ姉がまたもや怒って言った。

「それでは、そろそろ行くわよ」
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