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第2章 女魔法使い

第15話 ダンジョンでの活躍

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 漸く、私達は、中級ダンジョンの入り口に到着した。中級ダンジョンの入り口には、冒険者ギルドの係員が立っていて、私達のIDを確認し、入場料を請求した。

 「それじゃ、これで、3人分ね」

 ルナが、係員にパーティーの3人分の費用を支払って、私達を手招きした。

 「無理をするなよ」

 係員が、私達の様子を見て、声を掛けて来た。

 「大丈夫よ。これでも、私達は、Cランクの冒険者パーティーよ」

 ルナが、怒ったように、係員に言い返して、睨みつけた。

 「ルナ、怒らないで!」

 「そうよ。無視して、行きましょう」

 アリアも、私も、ルナを慰めた。それで、少し、機嫌を良くして、ルナが笑った。

 「分かったわ。そんなに、怒っていないわよ」

 私は、最初にスキル探索で、ダンジョンの魔物の様子を調べた。すると、このダンジョンは、第20階層まであるが、それほど、強い魔物がいないことが分かった。

 「ルナ、このダンジョンは、そんなに強い魔物がいないよ」

 「そう。分かったわ。それじゃ、一気に第10階層まで、潜るわよ」

 「「はい」」

 今回は、アリアが先頭で、魔物を切り倒しながら進んで行った。私は、全員に闇魔法で、シールドを創り、それで、一人ずつを包んだ。これで、ほとんどの攻撃を跳ね返すだろう。

 第5階層までは、群れになっている魔物もいなかった。そのため、一気に潜ることが出来た。

 「ルナ、少し休まない?」

 私は、ルナに声を掛けた。このまま、進んでも、問題は、無いと思うが、用心に越したことはない。

 「そうね。お腹もすいたし、ここで、食事をしましょうか」

 「私も、お腹が空いているの。ラズ、何か、出して貰える?」

 「いいよ。ルナも、アリアも、少し、待ってね」

 私は、土魔法で、簡単なテーブルを作って、その上にアイテムボックスに入っている食事を並べて行った。

 「はい、お待たせ」

 「うわぁ、こんなに、食べれないわ」

 ルナは、好きな物がたくさん並んでいるテーブルを見て、嬉しそうに声を上げた。

 「さぁ、頂きます」

 アリアは、手当たり次第、口に運んでいた。本当に、お腹が空いていたようだ。私は、2人の食べっぷりを見ながら、少しだけ、口に運んだ。今は、余り、お腹が空いていない。

 「あら、ラズ、余り食べていないよ。しっかり、食べていないと、動けないよ」

 「うん。分かったわ」

 私は、ルナに言われたように、少し、無理をして食べ始めた。

 暫くして、ルナも、アリアも、満足したようだ。食べるのを止めて、おしゃべりを始めている。

 私は、テーブルの上の物を片付けて、出発の準備をした。

 「いつでも、出発できるわ」

 私は、ルナとアリアに声を掛けた。

 「それじゃ、行きましょう」

 ルナの合図と共に、更に深層へ潜って行くために、移動を始めた。

 私達は、直ぐに、第10階層まで、到達することが出来た。当初予定したように、群れになっている魔物はいない。その為、狩るのに手間がかかる階層は、なかった。

 私は、念の為に、もう一度、スキル探索で、ダンジョン内を調査した。すると、第13階層で、予期せぬことが起こっていた。

 「ルナ、今、第12階層で、誰かが、魔物に取り囲まれている。体力を消耗していた、少し危険な状態よ」

 「それは、本当?」

 「本当よ。直ぐに助けに行きましょう」

 私は、ルナに、急ぐように言った。

 「この中で、一番早く移動できるのは、誰?」

 ルナが、皆に尋ねた。だが、誰も、答えなかった。本当に早いのが、誰か? 誰も、知らなかった。

 「仕方がないわね。3人で、同時に移動しましょう。一番に到着した人が、一番移動が速い人ってことね」

 「それでは、私は、行きます」

 アリアが、直ぐに走り出した。直ぐに、ルナが後に続いた。

 「仕方がないなぁ」

 私も、諦めて、ダッシュすることにした。私は、風魔法を利用して、一気に次の階層への入り口に到着した。そして、魔物を1匹も狩らずに、更に次の階層への入り口まで、風魔法を利用して移動した。

 「やっと着いたわ」

 私は、1番に、第12階層に到着した。そして、魔物に囲まれている冒険者を見つけた。

 「火壁ファイア・ウォール

 「火壁ファイア・ウォール

 魔物に取り囲まれている冒険者の方に、移動しながら、連続で、範囲魔法を放っていった。そして、目的の冒険者を闇魔法のシールドで、包んだ。これで、暫くは、大丈夫だ。

 「大丈夫ですか?」

 私は、近づきながら、声を掛けた。しかし、冒険者からは、何の返事もなかった。

 「傷よ治れ。治癒魔法ヒール

 私は、直ぐに治癒魔法を冒険者に放った。しかし、まだ、意識は戻っていないようだ。スキル鑑定で、冒険者の状況を調べて見た。すると、毒に侵されていることが分かった。傷口は、先ほどの治癒魔法で、癒えているようだ。

 「毒よ去れ。治癒魔法ヒール

 漸く、顔に赤みが戻り、意識が戻ったようだ。

 「大丈夫ですか?」

 「あぁ、何とか、動けるようです」

 闇魔法のシールドで、魔物の攻撃は、完全に防御出来ているが、煩わしいので、範囲魔法で、狩りつくすことにした。

 「火壁ファイア・ウォール火壁ファイア・ウォール火壁ファイア・ウォール

 私達の周りの魔物は、すべて、消し去ることが出来た。暫くして、ルナとアリアが、やって来た。

 「ラズは、速いね」

 ルナは、呆れたような声で、私に言った。

 「本当ですね。魔法で、移動するなんて、私は、出来ません」

 アリアも、私の移動方法に呆れたようだ。

 「何とか、間に合ったようね」

 ルナは、私と冒険者の様子を見ながら、安堵したようだ。 
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