263 / 270
第28章 魔大陸編
2825.続・戦士を求めて
しおりを挟む
ルーン文字の特殊な文字の一つは8の字が横たわったような記号で、インフィニットと呼ばれるもののようだ。
最初、勇者という者を特定するためのルーン文字だと思われたが、どうも、違うようだ。聖剣を使うのに大量の魔力を必要としており、それを有していない者は、一気に魔力を吸い取られ死んでしまう。それを回避するための物だった。だから、不用意に触って死なないようにしていたのだ。
ムーンやテラjrとしての私には、聖剣を使うにあたり問題ないほどの魔力を持っていたということだ。ガーベラやその他の者には、それほどの魔力がなかったので、触れることが出来なかったようだ。
あと2つの特殊なルーン文字についても、解析を行っているが、なかなか思うようには進んでいない。だが、その記号を真似て、武器や道具に埋め込むことは出来そうだ。でも、形を真似ているだけで、本当に効果がでるのかは、定かではない。
ルーン文字については、ヒマリ先生やサンドールに任せることにして、私はラーンスからの連絡を待つことにした。
暫くして、ラーンスから、思念伝達で連絡が入った。応援が必要と言うことなので、私はハプーンの背に乗って、急いで、ラーンスの居る場所まで移動した。
「ラーンス、どんな様子だ?」
「グリーン・ドラゴンは、動きが速く、雷を絶えず放つので、一人では対応しにくいです」
「そうか。素早い動きを止めればいいのだな?」
「はい、そうです」
私は、闇魔法のバリアで、ラーンスとハプーンの身体を包み、雷への耐性を高めておいた。
「それじゃ、私がグリーン・ドラゴンの動きを止めるので、ラーンスとハプーンは、攻撃を開始してくれ」
「「はい」」
私は、土魔法で、高い壁を創り、グリーン・ドラゴンの動きを制限させていった。その後、それぞれの壁を繋ぎ、一定の範囲にグリーン・ドラゴンを留め置くことが出来た。その時を逃さず、ラーンスとハプーンの攻撃が開始された。普通では跳ね返されるような硬い鱗ではあるが、2人に掛かっては、耐えきれずに剥がれ落ちて行った。
ついに、グリーン・ドラゴンを倒して、その魔石を鱗を手に入れることができた。
「ラーンス、ハプーン、よくやった。それじゃ、帰ろうか」
「「はい」」
私は、ハプーンの背に乗って、3人で、急いでテラjrの居る所へ移動した。
「テラjr、これで、3つのドラゴンの魔石と鱗が揃ったね」
「最後のシルバ・ドラゴンを倒して、その魔石と鱗が欲しかったけどね」
テラjrは、少し残念そうだったが、全く情報が得られないので、仕方がない。
テラjrとサンドールは、オリハルコンに3種類のドラゴンの魔石と鱗を混ぜて、聖剣などを作ることにしたようだった。
シルバー・ドラゴンは、存在が不明だったので仕方がないだろう。
ヒマリ先生の調べた所では、聖剣・聖盾・聖防具に刻まれているルーン文字の内5文字は、共通で、その効果は、武器や道具の機能を強化する物だということだ。それらは、特に特殊な物ではなく、他の武器でも良く用いられている物らしい。
しかし、残りの3つの特殊なルーン文字は少しずつ異なっていた。ベースの形は同じだが、僅かではあるが変形が施されていた。その変形がどのように作用するのかを調べる時間は、おそらくないだろう。サンドールは、真似て作る事だけで精一杯だった。
取り敢えず、一組の模造品が完成した。それが十分な効力を発揮するのかは、使ってみないとわからない。出来上がった模造品をムーンである私が身に着けることにした。本物は、テラjrに使って貰うことにした。
テラjrは、生身の身体なので、最高の物を身に着けて欲しかった。ムーンとしての私は、微妙だが、親のような感じで、テラjrに接している。本当は、私もテラjrも同じなのだけど。
取り敢えず、準備が出来たので、勇者パーティのメンバーに思念伝達で連絡を取った。レオナルド、アロン、ライオス、シロッコスは、すぐさま、参加するとの返事だった。
次に、アオイ、サーキ、ビーランに連絡を取ることにした。
「アオイ先生、準備が出来たので、再度討伐に参加して貰えませんか?」
「既に、シルバ学院長やヒマリ先生から聞いているよ。新しく聖剣を作ったって?」
「そのつもりでしたが、似たような物しか作れませんでした。本当に、効果があるのか、わかりません」
「そうか。それは、残念だね。でも、模造品でも、国宝級であることには間違いがないよ」
「そう言って貰えれば、嬉しいです」
「そうそう、討伐には、もちろん参加させて貰うよ。どれだけ、役に立つかわ分からないけど、よろしく」
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
何とか、アオイ先生にも、了解を貰えた。本当は、サーキとビーランには、参加して欲しくはないのだけど、白魔法が使える者がいないので、仕方がない。でも、今回は、危険な事は、出来るだけ避けたい。一人も、失いたくはない。その気持ちは言わずに、サーキとビーランにも、参加して貰うことになった。
最初、勇者という者を特定するためのルーン文字だと思われたが、どうも、違うようだ。聖剣を使うのに大量の魔力を必要としており、それを有していない者は、一気に魔力を吸い取られ死んでしまう。それを回避するための物だった。だから、不用意に触って死なないようにしていたのだ。
ムーンやテラjrとしての私には、聖剣を使うにあたり問題ないほどの魔力を持っていたということだ。ガーベラやその他の者には、それほどの魔力がなかったので、触れることが出来なかったようだ。
あと2つの特殊なルーン文字についても、解析を行っているが、なかなか思うようには進んでいない。だが、その記号を真似て、武器や道具に埋め込むことは出来そうだ。でも、形を真似ているだけで、本当に効果がでるのかは、定かではない。
ルーン文字については、ヒマリ先生やサンドールに任せることにして、私はラーンスからの連絡を待つことにした。
暫くして、ラーンスから、思念伝達で連絡が入った。応援が必要と言うことなので、私はハプーンの背に乗って、急いで、ラーンスの居る場所まで移動した。
「ラーンス、どんな様子だ?」
「グリーン・ドラゴンは、動きが速く、雷を絶えず放つので、一人では対応しにくいです」
「そうか。素早い動きを止めればいいのだな?」
「はい、そうです」
私は、闇魔法のバリアで、ラーンスとハプーンの身体を包み、雷への耐性を高めておいた。
「それじゃ、私がグリーン・ドラゴンの動きを止めるので、ラーンスとハプーンは、攻撃を開始してくれ」
「「はい」」
私は、土魔法で、高い壁を創り、グリーン・ドラゴンの動きを制限させていった。その後、それぞれの壁を繋ぎ、一定の範囲にグリーン・ドラゴンを留め置くことが出来た。その時を逃さず、ラーンスとハプーンの攻撃が開始された。普通では跳ね返されるような硬い鱗ではあるが、2人に掛かっては、耐えきれずに剥がれ落ちて行った。
ついに、グリーン・ドラゴンを倒して、その魔石を鱗を手に入れることができた。
「ラーンス、ハプーン、よくやった。それじゃ、帰ろうか」
「「はい」」
私は、ハプーンの背に乗って、3人で、急いでテラjrの居る所へ移動した。
「テラjr、これで、3つのドラゴンの魔石と鱗が揃ったね」
「最後のシルバ・ドラゴンを倒して、その魔石と鱗が欲しかったけどね」
テラjrは、少し残念そうだったが、全く情報が得られないので、仕方がない。
テラjrとサンドールは、オリハルコンに3種類のドラゴンの魔石と鱗を混ぜて、聖剣などを作ることにしたようだった。
シルバー・ドラゴンは、存在が不明だったので仕方がないだろう。
ヒマリ先生の調べた所では、聖剣・聖盾・聖防具に刻まれているルーン文字の内5文字は、共通で、その効果は、武器や道具の機能を強化する物だということだ。それらは、特に特殊な物ではなく、他の武器でも良く用いられている物らしい。
しかし、残りの3つの特殊なルーン文字は少しずつ異なっていた。ベースの形は同じだが、僅かではあるが変形が施されていた。その変形がどのように作用するのかを調べる時間は、おそらくないだろう。サンドールは、真似て作る事だけで精一杯だった。
取り敢えず、一組の模造品が完成した。それが十分な効力を発揮するのかは、使ってみないとわからない。出来上がった模造品をムーンである私が身に着けることにした。本物は、テラjrに使って貰うことにした。
テラjrは、生身の身体なので、最高の物を身に着けて欲しかった。ムーンとしての私は、微妙だが、親のような感じで、テラjrに接している。本当は、私もテラjrも同じなのだけど。
取り敢えず、準備が出来たので、勇者パーティのメンバーに思念伝達で連絡を取った。レオナルド、アロン、ライオス、シロッコスは、すぐさま、参加するとの返事だった。
次に、アオイ、サーキ、ビーランに連絡を取ることにした。
「アオイ先生、準備が出来たので、再度討伐に参加して貰えませんか?」
「既に、シルバ学院長やヒマリ先生から聞いているよ。新しく聖剣を作ったって?」
「そのつもりでしたが、似たような物しか作れませんでした。本当に、効果があるのか、わかりません」
「そうか。それは、残念だね。でも、模造品でも、国宝級であることには間違いがないよ」
「そう言って貰えれば、嬉しいです」
「そうそう、討伐には、もちろん参加させて貰うよ。どれだけ、役に立つかわ分からないけど、よろしく」
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
何とか、アオイ先生にも、了解を貰えた。本当は、サーキとビーランには、参加して欲しくはないのだけど、白魔法が使える者がいないので、仕方がない。でも、今回は、危険な事は、出来るだけ避けたい。一人も、失いたくはない。その気持ちは言わずに、サーキとビーランにも、参加して貰うことになった。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
晴れて国外追放にされたので魅了を解除してあげてから出て行きました [完]
ラララキヲ
ファンタジー
卒業式にて婚約者の王子に婚約破棄され義妹を殺そうとしたとして国外追放にされた公爵令嬢のリネットは一人残された国境にて微笑む。
「さようなら、私が産まれた国。
私を自由にしてくれたお礼に『魅了』が今後この国には効かないようにしてあげるね」
リネットが居なくなった国でリネットを追い出した者たちは国王の前に頭を垂れる──
◇婚約破棄の“後”の話です。
◇転生チート。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
◇人によっては最後「胸糞」らしいです。ごめんね;^^
◇なので感想欄閉じます(笑)
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
大好きな母と縁を切りました。
むう子
ファンタジー
7歳までは家族円満愛情たっぷりの幸せな家庭で育ったナーシャ。
領地争いで父が戦死。
それを聞いたお母様は寝込み支えてくれたカルノス・シャンドラに親子共々心を開き再婚。
けれど妹が生まれて義父からの虐待を受けることに。
毎日母を想い部屋に閉じこもるナーシャに2年後の政略結婚が決定した。
けれどこの婚約はとても酷いものだった。
そんな時、ナーシャの生まれる前に亡くなった父方のおばあさまと契約していた精霊と出会う。
そこで今までずっと近くに居てくれたメイドの裏切りを知り……
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる