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第28章 魔大陸編

2817.決戦四天王

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 今回対峙している敵は、4つのグループに分かれている。そして、各グループごとに1人のリーダー格の魔物によって、制御されている。

 私は、シロッコスと相談して、各グループのリーダのみをターゲットとした攻撃を行うことを決めた。

 しかし、こちらも、多くの仲間がいるわけではないので、それぞれのグループに応じた、チームを作り、攻撃を仕掛けることにした。

 まずは、光魔法が使えるディアブス・ルーチスが居るグループは、最後に攻撃することにした。それは、居場所がはっきりわかり、また、移動すれば、それも、直ぐに把握できるからだ。

 次に、魔法が使えるリーダーがいるグループを後回しにすることにした。というのは、魔王の四天王で、あれば、何かの属性の魔法に特化しているはずだからだ。そこで、魔力総量が最も高いリーダーのグループも後回しにすることにした。

 残りの2つのグループを2つのチームで、同時攻撃をする。そして、その攻撃目標は、そのグループのリーダーのみだ。

 私達のパーティにおいて、防御力の低い白魔導士は、私がいるチームに2人とも入れることにした。

 そこで、Aチームは、私とサーキとビーラン、そして、私の従魔のスピアを入れることにした。そして、行動を監視しておかなくては、危険なライオスを入れることにした。

 そして残りが、Bチームとなった。アオイ、シロッコス、レオナルド、アロンの4人のチームだ。こちらのチームには、治癒魔法が使える者がいないので、誰かが、怪我をしたら直ちに転移魔法で、退却するように指示をしておいた。

 「それでは、皆、準備は、いいか?」

 「はい、大丈夫です」

 シロッコスが、直ぐに返事をしてくれた。そして、他の者も頷いて、答えてくれた。

 「それじゃ、出発だ!」

 我々は、2つのチームに分かれて、それぞれ、魔物のグループに突進していった。

 それぞれの魔物のグループのリーダー格は、連絡を取り合っているようには、見えなかった。そこで、我々の各チームが、それぞれのグループに攻撃を仕掛けるまで、他のグループに、動きは、全くなかった。

 幸いどちらのグループにも、四天王はいなかったようだ。その為、勝負は、一瞬でついた。それぞれのグループのリーダ格が倒されて、グループは、四散した。

 元の場所まで、退避してきたBチームと私達のチームも無事合流出来た。

 「皆、怪我はなかったか?」

 「Bチームは、大丈夫です」

 シロッコスが、Bチームのリーダーの様に、返事を返した。

 「分かった。Aチームもけが人は、いない」

 スキル探索で、今いる階層を調べて見ると、四散していた魔物は、残っているグループに吸収されたようだ。

 レベルの低い魔物がどれだけ居ても、余り、戦力に影響はない。残ったグループが、一緒にならないようにだけ、注意したい。特に、リーダー同志が連携を取らないようにしたい。そして、片方の四天王は、その能力については、知っているが、もう片方の四天王については、全く情報がない。

 そこで、未知の四天王の能力を調べるために、少人数で、一度戦ってみることにした。完全に倒すことを寝例とせずに、相手の攻撃がどのような物かを調べるだけの戦いだ。

 私は、スピアと2人だけで、行こうと思っていたのだが、ライオスが、連れていけと言って、譲らない。

 「スピア、私とライオスの2人を背負っても大丈夫か?」

 「もちろん。問題ないよ」

 「それじゃ、お願いするか」

 私は、スピアに頭を下げた。そして、ライオスの方を向いて、言った。

 「くれぐれも、勝手な行動は、しないでほしい。それを了解できないのなら、連れていけない」

 「分かった。指示通りに動く。誓うよ」

 私は、少し、不安だが、取り敢えずは、ライオスを信じようと思った。

 「それじゃ、行こうか」

 「はい」
 
 私とライオスは、スピアの背に乗り、しっかりとつかまった。

 「それじゃ、行くよ」

 スピアが、言い終わると同時に、風が巻き起こった。一瞬で、敵のグループの面前まで、移動した。

 私は、範囲魔法で、リーダー格の四天王の前にいる魔物を倒した。

 「火壁ファイア・ウォール

 更に、攻撃を繰り返した。

 「火壁ファイア・ウォール

 すると、滝の魔物で、姿が見えなかった四天王の姿が現れた。

 まるで、炎を纏っているかのようにその身体から炎が立ち上っていた。

 「よくぞ、ここまで、来たな。しかし、これ以上は、近づけさせぬ」

 四天王は、そう言うなり、火魔法で、攻撃を仕掛けて来た。

 「火嵐ファイア・ストーム

 詠唱も、速く、直ぐに目の前に渦巻くような炎が現れた。スピアは、それに素早く反応して、四天王の攻撃を避けた。

 四天王は、連続攻撃で、私達を捕まえようとした。しかし、スピアの移動速度が上回っている。難なく、避け続けた。だが、相手の総魔力量は、尋常ではないようだ。平気な顔を連続攻撃を続けている。

 「水嵐ウォーター・ストーム

 私は、素早く水魔法での攻撃を繰り出した。

 「ウォー、これほどの魔法を放つのか!」

 水魔法で、かなりのダメージを与えることが出来たようだ。しかし、致命傷ではないようだ。

 ディアブス・ルーチスが、移動している。常時、スキル探索で、魔物の動きを探知していたので、ディアブス・ルーチスの動きを逃さなかった。

 「ライオス、ここは、一旦引くよ」

 「えっ、どうして? 今、押していますよ」
 
 「もう一人の四天王が、合流しようとしている。一緒になられるとマズイ」

 「分かりました。仕方がないですね」

 ライオスは、渋々、了承してくれた。出発前に、約束させておいてよかったようだ。

 「スピア、撤退だ!」

 私達は、一気に仲間の居る所まで、撤退した。次は、倒せそうだ。この2人だけなら。
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