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 第28章 魔大陸編

2809.勇者パーティの冒険者ギルド登録

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 いよいよ勇者パーティで、魔大陸に進撃を開始する。竜人族と一緒に戦っても良いのだが、まだ、竜人族の目的がはっきりしていない。どのような経緯で、魔王討伐を計画したのか。少し疑念が残っている。

 それ故、私達の勇者パーティは、別行動を取ることにした。それに、マリー達が、今も、竜人族の動きを監視しているので、場合によれば、適時行動を修正することも、可能だ。

 冒険者ギルドとの関係を良いものに保ちたかったので、勇者パーティを冒険者ギルドで登録することにした。

 「すみません。ローララは、いる?」

 「はい、少しお待ちください」

 受付の係は、奥の部屋に行き、冒険者ギルド長のローララを読んで来た。

 「はい、私が、冒険者ギルド長のローララです。何か、御用ですか?」

 「私のパーティーを冒険者登録したいのだが、いいかな?」

 「それでは、こちらに記入をお願いします。それから、冒険者登録が済んでおられない人は、先に登録をお願いします」

 「冒険者IDを持っていない者は、誰かな?」

 「あら、テラjrも、まだじゃないの?」

 「そうだった。うっかりしていた」

 Sランクの冒険者の3人のタンク以外は、冒険者登録が初めてだった。一人ずつ、順に登録を済ませて行った。

 「皆さんは、申し訳ないけど、初めての登録なので、Fランクになります」

 「「はい、了解です」」

 「それでは、パーティー名を決めてください」

 まだ、パーティー名を相談していなかった。仕方がないので、皆で、考えることにした。

 「少し、待って下さい。相談します」

 私達は、部屋の隅に集まって、相談することにした。

 「流石に、勇者パーティは、恥ずかしいね」

 私は、最初に、声を出した。すると、最年長のシロッコスが提案した。

 「魔王の攻撃を防ぐために集まったのだから、デーモン・シールドは、どうかな?」

 「「いいね」」

 「他に、意見はある?」

 私は、皆に確認してみた。特に反対はなさそうだった。

 「それでは、パーティー名は、デーモン・シールドにするよ」

 「「了解」」

 私達は、受付のローララの所まで行き、登録を済ませた。そして、スピアを私の従魔として、登録した。

 「パーティーとしては、Sランクの冒険者が3人もいるので、Sランクで、結構です。でも、出来れば、Fランクの冒険者の人たちは、出来るだけ早くCランクぐらいには、なってください」

 「そうだね。それでは、早速、ランク上げに出かけようか?」

 「はい」

 私達は、冒険者ギルドの裏手に移動して、私の転移魔法で、上級ダンジョンの入り口近くに移動した。

 「ほぉ、転移魔法が使えるのか? それも、8人も一度に移動できるなんて、凄い魔力量だな」

 「それほどでもないよ」

 私は、少し照れてしまった。Sランクの冒険者のレオにも、認めて貰えたようだ。

 「それでは、8人の配置を決めましょうか?」

 「先頭は、ライオスに任せるよ」

 「レオ、俺でいいのか?」

 「疲れたら、変わるよ」

 「Ok。それでは、その後ろに、私が、付こう」

 私は、ライオスの後ろに付き、右横にレオ、左横にスピアを従えることにした。

 「それでは、テラjrの後ろに白魔導士のサーキとビーランでいいかな?」

 「「はい」」

 「それでは、残りのアロンとアオイは、最後尾と言うことで、いいね」

 「了解しました」

 アオイが、了承した。

 「私も、それで、いいです。私は、弓も使えるので、当面は、支援に専念します」

 アロンも、異存はないようだ。

 「それじゃ、行こうか」

 「「はい」」

 私達は、受付にパーティーとしての冒険者IDを見せて、上級ダンジョンに潜って行った。

 冒険者登録が初めての者達のランク上げが目的なので、Sランク冒険者達には、当面は、見守って貰うだけで、正をしないようにして貰った。

 暫くは、私とアオイの火魔法による範囲攻撃で、魔物を倒して行った。第10階層ぐらいまでは、一気に進んで行った。特に強い魔物も出てこなかったので、誰も怪我も体力の消耗もなかった。

 「火壁ファイア・ウォール

 私が、前方に現れた魔物に攻撃を開始した。続いて、アオイが、後方から、火魔法を繰り出した。

 「火柱ファイア・ポール
 
 すると、中心にいた魔物が炎の柱に包まれて、倒れた。

 「テラjr、1階層ずつ潜って行くと、時間が掛かる。取り敢えず、テラjrのランク上げを優先してはどうかな?」

 レオが、提案した。しかし、私は、パーティーとしての連携も重視したいので、それには、反対した。

 「レオ、君が言うことも、もっともなんだけど、まだ、パーティーとしての経験が少ない私達のメンバーの経験を高めたい。それは、ランク上げより、重要だと思うんだが、どうだろう」

 「うむ、確かに、そうだね。それでは、時間が掛かるが、このまま、進んで行こうか」

 「ありがとう」

 レオにも、直ぐに、納得して貰えた。サーキとビーランにも、何か、経験をして貰いたい。このままでも、魔物に慣れることは出来るが、それは、大した経験ではない。

 「サーキとビーランは、適当なタイミングで、支援の魔法を掛けて貰えるかな?」

 「それは、いいけど、何をしたらいいの? 私は、どう動けばいいのか、よく分からないわ」

 と、サーキが言った。そして、ビーランも、頷いている。同じ考えの様だ。

 「そうだね。アロン、申し訳ないが、私が、普通の戦士のつもりで、支援のタイミングをサーキとビーランに指示して貰えるかな?」

 「構わないよ。でも、まだ、2人が、どのような支援魔法が使えるのか、分からない。先に、教えて貰えないか?」

 「いいわよ。私は、白魔法士として、必要な魔法は、すべて使えるわ」
 
 サーキが、アロンの質問に答えた。

 「スキルは使える?」

 「少しは、使えるわ。でも、多分、テラjrのシールドの方が、強力だと思うわ」

 「強さは、問題じゃないんだ。どのような状況になるか、分からないから、サーキの出来ることを多くしておきたいんだ」

 「わかったわ。魔力耐性向上、物理攻撃向上、攻撃速度向上などのスキルが使えるわ」

 「それじゃ、ビーランは、どうかな?」

 「私は、治癒魔法が専門よ。それと、スキル探索が使えるわ」

 「そうか。では、ビーランは、常にスキル探索で、周囲の魔物の動向を調べてくれ。そして、その中で、最も強い魔物の位置と動きを皆に伝えてくれ。それには、思念伝達を使って貰ったらいいよ」

 「わかりました。そのようにします」

 一応の打ち合わせが終わり、私達は、また、ダンジョンを進んで行った。
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