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第28章 魔大陸編
2802.魔王モリーロとの交渉
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ミヤーコ王国の国王の間で、モリーロが魔王に扮して、国王を威嚇しているが、なかなか、思うようには、事が進まない。何か、決定的な物を見せないと駄目なようだ。
魔王に扮したモリーロが静かに語り始めた。
「なかなか、強情だな。お主は、ヘノイ王国の宰相は、知っているか?」
「もちろん存じているぞ。最近、国王となったカタリナの夫だな」
「そうだ。そして、顔を知っているか?」
「もちろん、知っている」
私は、隠密魔法を解除して、姿を現した。
「私の僕として、同行を許している。ムーンよ、挨拶をしろ」
「私は、ヘノイ王国の宰相のムーンと言います。魔王の僕として、同行を許して貰っています」
私は、モリーロの横で、跪いて頭を下げた。
「誠か、ムーンよ。魔王の僕と言うのは?」
「はい、そうです」
ミヤーコ王国の国王は、やっと、魔王の事を信じ始めていた。一国の宰相が、跪いているのだから。
「分かった。魔王だと認めよう」
「なら、我に、ミヤーコ王国に代々伝わる秘密を話して貰おうか」
「何を言っているのだ、魔王! 我に秘密などない!」
魔王モリーロは、大きな声を出して、ミヤーコ王国を哄笑した。
「 嘘をつけ! 我は全てを知っている。汝が王位を手に入れるために、何をしたのか!」
国王の横に居た神殿長が、魔王に詰め寄ろうとして、前に出て来た。そして、大声で、魔王モリーロに言い放った。
「 陛下に無礼な真似は許さん! ここは王宮だ、退散するがいい!」
魔王モリーロは、神殿長を一瞥して、威嚇した。
「黙れ、小僧! 我は汝等ごとき下等生物相手には用はない。国王よ、最後のチャンスだ。自ら全てを白状すれば、命だけは助けてやろう」
国王は、神殿長の行動に後押しをされたように、決然とした声で、魔王モリーロを怒鳴りつけた。
「黙れ、魔王! 我は決して屈服せぬ! 我が命と引き換えにでも、王国の民を守り抜いてみせる!」
魔王モリーロは、怒りに震えた声で、言い放った。
「愚かな王よ、後悔することになるぞ!」
そして、魔王モリーロは、私に向かって、小声で、声を掛けた。
私は、直ぐに、闇魔法で、神殿長を拘束し、跪いかせた。そして、大きな鏡を出して、国王に街の様子を見せた。それは、ミヤーコ王国の民が黒死病で、次々に倒れて、死んでいく様子だ。
これまで、真実を知らされてこなかった国王は、余りにも悲惨な光景に嗚咽してしまった。
「魔王、お願いだ、助けてくれ!」
「それなら、先に言うべきことがあるだろう」
国王は、項垂れて、小さな声で、語り始めた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
漸く、聖盾を見つけることが出来た。しかし、本当に欲しいのは、聖剣だ。それがないと、魔王を倒すことが出来ない。マリーからの連絡では、まだ、本格的な戦闘には至っていないようだ。魔王軍は、依然として、魔物の数で圧倒するだけで、リーダーらしき魔物の存在も、いないということだ。
しかし、ミヤーコ王国の国王の話から、聖剣も、聖盾も、聖防具も、勇者に直接渡すことになっているようだ。勇者が現れたときには、既に、魔王も現れているということなのだろう。まだ、魔火山は、噴火していない。従って、魔王の本格的な復活はまだだ。そして、カタリナが勇者を召喚するはずだ。それも、まだ、行われていない。
魔王が、完全復活してから、勇者を召喚して、果たして、間に合うのだろうか?
聖剣・聖盾・聖防具をそれぞれ国王から譲り受け、それから、魔王討伐に行かないといけない。召喚直後で、勇者としての能力が存分に発揮できるのだろうか? また、パーティーを組まないで、大丈夫なのか?
次々と疑問が浮かんでくる。魔王が完全復活してからでは、勇者召喚は、遅すぎるのではないか? 今、召喚されてもおかしくない。寧ろ、もう、遅いぐらいではないか?
私は、モリーロと共に、次の国に移動する束の間に、色々と考え込んでしまった。だが、今、私が出来ることは、勇者に代わって、必要な物を集めておくことだ。ここで、悩んでいても仕方がない。
気を取り直して、転移魔法で、アータキ国のテラ・ワールドの支店に移動した。そして、街の様子を確認した。やはり、この国も、既に、黒死病で、侵されている。直ぐにでも、国王に会いたかったが、国民を一人でも多く救う方が大切だと思い、治療や患者の隔離に取り掛かった。モリーロは、テラ・ワールドの支店で、隠れて貰うことにした。
既に、いくつかの国の対策を行ってきた私には、何をすべきか、全くの躊躇もなかった。この国でも、冒険者ギルドの冒険者達に助けて貰うことにした。そして、他の国と同様に、彼らは、積極的に支援してくれた。
私が出来ることは、凡そできたので、後は、冒険者ギルドの冒険者達とテラ・ワールドの専門家たちに任せることにした。
「モリーロ、そろそろ、行こうか?」
私は、モリーロに思念伝達で、連絡を取って、王宮へ移動することにした。
「ムーンか、いつでもいいぞ」
私達は、テラ・ワールドの支店で、合流して、隠密魔法で、姿を消してから、王宮へと移動した。
魔王に扮したモリーロが静かに語り始めた。
「なかなか、強情だな。お主は、ヘノイ王国の宰相は、知っているか?」
「もちろん存じているぞ。最近、国王となったカタリナの夫だな」
「そうだ。そして、顔を知っているか?」
「もちろん、知っている」
私は、隠密魔法を解除して、姿を現した。
「私の僕として、同行を許している。ムーンよ、挨拶をしろ」
「私は、ヘノイ王国の宰相のムーンと言います。魔王の僕として、同行を許して貰っています」
私は、モリーロの横で、跪いて頭を下げた。
「誠か、ムーンよ。魔王の僕と言うのは?」
「はい、そうです」
ミヤーコ王国の国王は、やっと、魔王の事を信じ始めていた。一国の宰相が、跪いているのだから。
「分かった。魔王だと認めよう」
「なら、我に、ミヤーコ王国に代々伝わる秘密を話して貰おうか」
「何を言っているのだ、魔王! 我に秘密などない!」
魔王モリーロは、大きな声を出して、ミヤーコ王国を哄笑した。
「 嘘をつけ! 我は全てを知っている。汝が王位を手に入れるために、何をしたのか!」
国王の横に居た神殿長が、魔王に詰め寄ろうとして、前に出て来た。そして、大声で、魔王モリーロに言い放った。
「 陛下に無礼な真似は許さん! ここは王宮だ、退散するがいい!」
魔王モリーロは、神殿長を一瞥して、威嚇した。
「黙れ、小僧! 我は汝等ごとき下等生物相手には用はない。国王よ、最後のチャンスだ。自ら全てを白状すれば、命だけは助けてやろう」
国王は、神殿長の行動に後押しをされたように、決然とした声で、魔王モリーロを怒鳴りつけた。
「黙れ、魔王! 我は決して屈服せぬ! 我が命と引き換えにでも、王国の民を守り抜いてみせる!」
魔王モリーロは、怒りに震えた声で、言い放った。
「愚かな王よ、後悔することになるぞ!」
そして、魔王モリーロは、私に向かって、小声で、声を掛けた。
私は、直ぐに、闇魔法で、神殿長を拘束し、跪いかせた。そして、大きな鏡を出して、国王に街の様子を見せた。それは、ミヤーコ王国の民が黒死病で、次々に倒れて、死んでいく様子だ。
これまで、真実を知らされてこなかった国王は、余りにも悲惨な光景に嗚咽してしまった。
「魔王、お願いだ、助けてくれ!」
「それなら、先に言うべきことがあるだろう」
国王は、項垂れて、小さな声で、語り始めた。
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漸く、聖盾を見つけることが出来た。しかし、本当に欲しいのは、聖剣だ。それがないと、魔王を倒すことが出来ない。マリーからの連絡では、まだ、本格的な戦闘には至っていないようだ。魔王軍は、依然として、魔物の数で圧倒するだけで、リーダーらしき魔物の存在も、いないということだ。
しかし、ミヤーコ王国の国王の話から、聖剣も、聖盾も、聖防具も、勇者に直接渡すことになっているようだ。勇者が現れたときには、既に、魔王も現れているということなのだろう。まだ、魔火山は、噴火していない。従って、魔王の本格的な復活はまだだ。そして、カタリナが勇者を召喚するはずだ。それも、まだ、行われていない。
魔王が、完全復活してから、勇者を召喚して、果たして、間に合うのだろうか?
聖剣・聖盾・聖防具をそれぞれ国王から譲り受け、それから、魔王討伐に行かないといけない。召喚直後で、勇者としての能力が存分に発揮できるのだろうか? また、パーティーを組まないで、大丈夫なのか?
次々と疑問が浮かんでくる。魔王が完全復活してからでは、勇者召喚は、遅すぎるのではないか? 今、召喚されてもおかしくない。寧ろ、もう、遅いぐらいではないか?
私は、モリーロと共に、次の国に移動する束の間に、色々と考え込んでしまった。だが、今、私が出来ることは、勇者に代わって、必要な物を集めておくことだ。ここで、悩んでいても仕方がない。
気を取り直して、転移魔法で、アータキ国のテラ・ワールドの支店に移動した。そして、街の様子を確認した。やはり、この国も、既に、黒死病で、侵されている。直ぐにでも、国王に会いたかったが、国民を一人でも多く救う方が大切だと思い、治療や患者の隔離に取り掛かった。モリーロは、テラ・ワールドの支店で、隠れて貰うことにした。
既に、いくつかの国の対策を行ってきた私には、何をすべきか、全くの躊躇もなかった。この国でも、冒険者ギルドの冒険者達に助けて貰うことにした。そして、他の国と同様に、彼らは、積極的に支援してくれた。
私が出来ることは、凡そできたので、後は、冒険者ギルドの冒険者達とテラ・ワールドの専門家たちに任せることにした。
「モリーロ、そろそろ、行こうか?」
私は、モリーロに思念伝達で、連絡を取って、王宮へ移動することにした。
「ムーンか、いつでもいいぞ」
私達は、テラ・ワールドの支店で、合流して、隠密魔法で、姿を消してから、王宮へと移動した。
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