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 第27章 ソーロン帝国の秘密編

2713.竜人族との取引

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 マリーから、思念伝達で、連絡が入った。
 
 「ムーン様、マリーです。今、いいですか?」

 「構わない」

 「赤の竜人ルーブロマ・ドラコから、商品の納入依頼が入りました」

 「何を所望しているのだ」

 「実は、武器を大量に購入したいそうです。そして、通常の武器だけでなく、特殊な物も、用意するように言われました」

 「特殊な物とは、なんだ!」

 「空から、地上を攻撃できるようなものが大量に欲しいと言われました」

 「空からの攻撃だと!」

 「はい。用意できますでしょうか?」

 「マリーは、戦闘用手榴弾を知らなかったか?」

 「いえ、存じています。しかし、あれは、特殊な物なので、赤の竜人ルーブロマ・ドラコに教えてもいいのか、迷いました」

 「なるほど、それなら、教えても構わない。必要な量と、期日を確認してくれ」

 「はい、分りました」

 「それから、納入先も確認しておいてくれ。それと、できれば、何処を攻めるのか、聞き出せないか?」

 「それなら、分っております。魔王軍を攻めると言われていました」

 「魔王軍だと! 赤の竜人ルーブロマ・ドラコは、魔王軍の所在を知っているのか?」

 「私には、分りかねます。それも、確認しておきます」

 「うまく、聞き出してくれ」

 「はい」

 私は、マリーとの思念伝達を切った。

 ソーロン帝国には、秘密の遺跡が神殿の中にあり、そこに魔大陸に繋がるゲートがある。そして、それは、ソーロン帝国に隣接している所ではなく、全くの異世界と言うべき場所で、魔火山を中心とした世界だ。紛らわしいので、今後は、ソーロン帝国に隣接している大陸を偽魔大陸と呼ぶことにする。そして、魔王軍が潜んでいる大陸を魔大陸と呼ぶことにする。

 魔大陸を攻めるとなるとソーロン帝国に進軍することになる。それを分かっているのだろうか? 武器を提供することは出来るが、それをソーロン帝国に知られると、テラ・ワールドの立場が悪くなる。仕方がないので、赤の竜人ルーブロマ・ドラコに、直接真意を確かめることにした。

 私は、赤の竜人ルーブロマ・ドラコに思念伝達で、連絡を取った。

 「赤の竜人ルーブロマ・ドラコ、私は、ムーンですが、今、よろしいでしょうか?」

 「うむ、構わないが、先ほど、マリーと連絡を取ったばかりだが、ムーン、直々にどうした?」

 「実は、魔王軍を攻撃すると聞いて、少し、確認したいことがございます」

 「お主も、魔王軍を倒したいのではないのか?」

 「それは、そうですが、魔王軍が今いる場所をご存じですか?」

 「もちろんだ。ソーロン帝国の神殿内の遺跡から、魔大陸に移動する」

 「そこまで、御存じであれば、話が早いです。実は、ソーロン帝国にも、私どもの取引相手がいるのです」

 「わかった。皆まで、言わなくとも良い」

 「本当ですか?」

 「もちろんだ。魔大陸へつながる神殿内の遺跡に直接移動する。それなら、いいのだろう?」

 「はい、そうです。それなら、問題ありません」

 「それで、できるだけ早く進軍したいのだが、武器などは、直ぐに手配できるのか?」

 「できる限り早く揃えます」

 「それじゃ、よろしく」

 私は、思念伝達を切った。そして、すぐさま、マリーに思念伝達で、連絡を取った。

 「マリー、何か、報告があるだろう」

 「はい、ムーン様、赤の竜人ルーブロマ・ドラコと連絡を取って、武器の種類と量を確認しました」

 「そうか。それで、どの程度の量なのだ」

 「竜人用の武器・鎧が100セットで、魔人用の武器・鎧が1万です。それから、戦闘用手榴弾を5万です」

 「わかった。マリーは、引き続き、赤の竜人ルーブロマ・ドラコの様子を探ってくれ」

 「了解しました」

 私は、マリーとの思念伝達を切って、リンダに思念伝達で、連絡を入れた。

 「マリー、今、忙しいかい?」

 「今は、少し、落ち着いた所よ」

 「それなら、今から、そっちに行ってもいいかな?」

 「いいわよ。久しぶりね」

 リンダは、喜んでいるようだ。私は、急いで、転移魔法で、リンダの部屋に移動した。

 「やあ、元気だった?」

 「元気よ。私より、ムーンは、どうなの? 忙しそうね」

 「そうでもないよ」

 「今日は、どうしたの?」

 「少し、相談があるんだ。いいかな?」

 「いいわよ。何?」

 私は、リンダと共に、ベンドに座った。

 「実は、先日から竜人族と商談をしているのだが、どうも、戦争を始めるようなんだ」

 「それで、相手は、どこ?」

 「一応、魔王軍と聞いている」

 「でも、魔王軍は、特に動きはないよね。それなのに、攻めるの?」

 「何か、過去に経緯があるようだが、私も分からない」

 「それで、魔王軍のいる場所は、知っているの?」

 「それは、問題ないようだ。ソーロン帝国の神殿内の遺跡から移動するということまで、知っていたよ」

 「それなら、問題は、何?」

 「竜人族をどれだけ、信用できるのか? と言うことだよ」

 「私も、竜人族については、知らないわ」

 「いままで、隠れていたようなので、古くから生きている長命種族でないとだめだろう」

 「ムーン、貴方の師匠は、どうなの?」

 「あまり迷惑を掛けたくないからなぁ」

 「でも、一番の長命じゃない? 1000年は、生きているのだから」

 「そうだね。しかたがない、聞いて見ようか」

 「それがいいわ」

 私は、リンダとともにベッドで、横になりながら、どのように伝えるか、考えていた。 
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