179 / 270
第21章 カタリナ社交界デビュー編
2102.フットーヒ侯爵の慈悲
しおりを挟む
リーグリ王国の灯油の価格を1割上げてから、貴族の間にも、不安を訴える者も出て来た。
そこで、フットーヒ家の顔を売るために、フットーヒ家の主コーリア・フットーヒにある行動に出て貰った。
「私が、これまでに、貴族の病気を13件治してきました」
「そうか、私の家だけでなく、もう、そんなに治したのか」
「はい、でも、最近の灯油の価格の高騰で、生活が厳しい様なのです」
「そうだね。私の家は、ムーンのおかげで、とても裕福だが、この周りの屋敷でも、侍女の部屋の灯油を減らすという話だ。とても、苦労している」
私から、コーリアに、あるお願いをした。
「この屋敷に特別価格で、灯油を仕入れてきます。それを、近所や、私が治療した家に販売してやって欲しいのです」
「私は、いいが、何故、ムーン、そなたが自分自身で行わないのだ」
「私は、まだ、社交界デビューしたばかりの新参者です。ですから、よからぬ噂を立てられる恐れがあります。折角の好意を変に思われるのは嫌なのです」
「なるほど、まだ、ムーンの名は、それほど、知られていないからな。分かった、私が表に立って、売っていくよ」
「ありがとうございます。よろしく、お願いします」
こうして、フットーヒ家の善意を浸透させていった。しばらくすると、フットーヒ家が私財を投げ売って、救済に手を差し向けているという、良い噂が流れた。そして、貧しい貴族が続々と、フットーヒ家にやって来た。
「ムーン、もう、すごい数になって来たよ。資金の方は、大丈夫なのか? 少し、心配になって来た」
もう、灯油の価格は、当初の3割増しになっていた。そのため、フットーヒ家の支出が膨大な物になっていると考えるのが普通だ。でも、フットーヒ家には、他国と同じ価格で降ろしているだけなので、フットーヒ家の支出は全くない。全く問題がない。でも、これは、フットーヒ家の主には内緒だ。
「コーリア殿、全く、問題ありません。私も、少しは、商売をしているので、この程度では、全く影響がありません」
「そうだったね。詳しくは聞かせて貰っていないが、我が家の借金も社交界デビューの費用も、すべて、ムーンが出しているのだからな。無理だけは、しないで欲しい。いいかな」
「はい、大丈夫です」
「コーリア殿、もう一つ、お願いがあります」
「何だね。ムーンの頼みは、最優先だよ。何でも言ってくれ。そろそろ、嫁探しかな」
「そうですね。私も、もう、23才ですから、嫁を貰わないと、だめですね。それも、コーリア殿に頼んで良いですか?」
「もちろんだよ。それは、親の義務だよ。頼まれなくても、喜んで探すよ。何か、希望はあるかな」
「こんなお願いを言っていいか、わかりませんが、王族の末裔でも、大丈夫ですか? お金がなくても、いいです。それは、私が持っていますので」
「うーん、王族か、それなら、没落した王族になるぞ。それでも、いいのか? なんの権限も持っていないぞ」
「ええ、構いません。よろしく、お願いします」
「分かった。それでは、ムーンのお願いは、何かな」
「実は、平民の生活を支援してやりたいのです」
「それは、いい考えだ。それは、どうやって行くのだ」
「おそらく、仕事をなくしているのだろうと思います。そこで、私が、工場と商店をコーリア殿の名前で、創ります。そこの従業員として、雇ってください。社長は、コーリア殿にやって貰います。ただし、コーリア殿には、給料として、お金を渡します。経営は、私がやりますので、その点だけ、ご了承下さい」
「名前だけ、貸せということだな。分かった。了承した」
私は、ナターシャに思念伝達で、連絡をとり、新たに、コーリアの名前で、工場と商店を創らせた。
工場は、貴族向けの新たな商品を作ることにした。テラ・ワールドの本部の周りの豊富な木材を利用して、高級家具を作ることにした。そして、家具作りに必要な道具をつくり、流れ作業で、仕事が誰にでも出来る様にした。
ガーベラから、突然連絡があった。至急、会って話したいそうだ。
私は、転移魔法で、ガーベラの居る王宮に移動した。
「コン、コン。ムーンです」
「どうぞ、あいているわ」
私は、ドアを開けて中に入っていった。すると、ガーベラがベッドに座って、手招きをしている。
私は、ベッドのガーベラの横に座った。ガーベラの横顔を見たが、何やら、真剣な表情をしている。何か、トラブルでもあったのか? でも、ベッドに座らすかなぁ?
「先日、レイカにあって来たわ」
「それで、どうだった」
「テラの子供だと、話したの。そしたら、本当に喜んでいたわ。死んだと思っていたから、その形見の子供を自分が生んだって、今まで以上に、テラjrを大切にすると思うわ」
「良かった。無理やり生ませたので、どうなるか、心配だったんだ。そうか。喜んでいたのか」
「そうよ。テラの子供を産んだって、自慢していたの。私だけだってね。正妻のガーベラには、子供がいないけど、レイカは、テラの子供を産んだんだって、本当に、憎らしいほど、喜んでいたのよ」
「あれ、ガーベラ、怒っているの?」
「そうよ。あの時は、魔法のことを言われて、納得したけど。今は、だめよ。納得できない」
私が、抱いても、何をしても、ガーベラの怒りは収まりそうになかった。私は、本当に困ってしまった。
そこで、フットーヒ家の顔を売るために、フットーヒ家の主コーリア・フットーヒにある行動に出て貰った。
「私が、これまでに、貴族の病気を13件治してきました」
「そうか、私の家だけでなく、もう、そんなに治したのか」
「はい、でも、最近の灯油の価格の高騰で、生活が厳しい様なのです」
「そうだね。私の家は、ムーンのおかげで、とても裕福だが、この周りの屋敷でも、侍女の部屋の灯油を減らすという話だ。とても、苦労している」
私から、コーリアに、あるお願いをした。
「この屋敷に特別価格で、灯油を仕入れてきます。それを、近所や、私が治療した家に販売してやって欲しいのです」
「私は、いいが、何故、ムーン、そなたが自分自身で行わないのだ」
「私は、まだ、社交界デビューしたばかりの新参者です。ですから、よからぬ噂を立てられる恐れがあります。折角の好意を変に思われるのは嫌なのです」
「なるほど、まだ、ムーンの名は、それほど、知られていないからな。分かった、私が表に立って、売っていくよ」
「ありがとうございます。よろしく、お願いします」
こうして、フットーヒ家の善意を浸透させていった。しばらくすると、フットーヒ家が私財を投げ売って、救済に手を差し向けているという、良い噂が流れた。そして、貧しい貴族が続々と、フットーヒ家にやって来た。
「ムーン、もう、すごい数になって来たよ。資金の方は、大丈夫なのか? 少し、心配になって来た」
もう、灯油の価格は、当初の3割増しになっていた。そのため、フットーヒ家の支出が膨大な物になっていると考えるのが普通だ。でも、フットーヒ家には、他国と同じ価格で降ろしているだけなので、フットーヒ家の支出は全くない。全く問題がない。でも、これは、フットーヒ家の主には内緒だ。
「コーリア殿、全く、問題ありません。私も、少しは、商売をしているので、この程度では、全く影響がありません」
「そうだったね。詳しくは聞かせて貰っていないが、我が家の借金も社交界デビューの費用も、すべて、ムーンが出しているのだからな。無理だけは、しないで欲しい。いいかな」
「はい、大丈夫です」
「コーリア殿、もう一つ、お願いがあります」
「何だね。ムーンの頼みは、最優先だよ。何でも言ってくれ。そろそろ、嫁探しかな」
「そうですね。私も、もう、23才ですから、嫁を貰わないと、だめですね。それも、コーリア殿に頼んで良いですか?」
「もちろんだよ。それは、親の義務だよ。頼まれなくても、喜んで探すよ。何か、希望はあるかな」
「こんなお願いを言っていいか、わかりませんが、王族の末裔でも、大丈夫ですか? お金がなくても、いいです。それは、私が持っていますので」
「うーん、王族か、それなら、没落した王族になるぞ。それでも、いいのか? なんの権限も持っていないぞ」
「ええ、構いません。よろしく、お願いします」
「分かった。それでは、ムーンのお願いは、何かな」
「実は、平民の生活を支援してやりたいのです」
「それは、いい考えだ。それは、どうやって行くのだ」
「おそらく、仕事をなくしているのだろうと思います。そこで、私が、工場と商店をコーリア殿の名前で、創ります。そこの従業員として、雇ってください。社長は、コーリア殿にやって貰います。ただし、コーリア殿には、給料として、お金を渡します。経営は、私がやりますので、その点だけ、ご了承下さい」
「名前だけ、貸せということだな。分かった。了承した」
私は、ナターシャに思念伝達で、連絡をとり、新たに、コーリアの名前で、工場と商店を創らせた。
工場は、貴族向けの新たな商品を作ることにした。テラ・ワールドの本部の周りの豊富な木材を利用して、高級家具を作ることにした。そして、家具作りに必要な道具をつくり、流れ作業で、仕事が誰にでも出来る様にした。
ガーベラから、突然連絡があった。至急、会って話したいそうだ。
私は、転移魔法で、ガーベラの居る王宮に移動した。
「コン、コン。ムーンです」
「どうぞ、あいているわ」
私は、ドアを開けて中に入っていった。すると、ガーベラがベッドに座って、手招きをしている。
私は、ベッドのガーベラの横に座った。ガーベラの横顔を見たが、何やら、真剣な表情をしている。何か、トラブルでもあったのか? でも、ベッドに座らすかなぁ?
「先日、レイカにあって来たわ」
「それで、どうだった」
「テラの子供だと、話したの。そしたら、本当に喜んでいたわ。死んだと思っていたから、その形見の子供を自分が生んだって、今まで以上に、テラjrを大切にすると思うわ」
「良かった。無理やり生ませたので、どうなるか、心配だったんだ。そうか。喜んでいたのか」
「そうよ。テラの子供を産んだって、自慢していたの。私だけだってね。正妻のガーベラには、子供がいないけど、レイカは、テラの子供を産んだんだって、本当に、憎らしいほど、喜んでいたのよ」
「あれ、ガーベラ、怒っているの?」
「そうよ。あの時は、魔法のことを言われて、納得したけど。今は、だめよ。納得できない」
私が、抱いても、何をしても、ガーベラの怒りは収まりそうになかった。私は、本当に困ってしまった。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
(完)私の家を乗っ取る従兄弟と従姉妹に罰を与えましょう!
青空一夏
ファンタジー
婚約者(レミントン侯爵家嫡男レオン)は何者かに襲われ亡くなった。さらに両親(ランス伯爵夫妻)を病で次々に亡くした葬式の翌日、叔母エイナ・リック前男爵未亡人(母の妹)がいきなり荷物をランス伯爵家に持ち込み、従兄弟ラモント・リック男爵(叔母の息子)と住みだした。
私はその夜、ラモントに乱暴され身ごもり娘(ララ)を産んだが・・・・・・この夫となったラモントはさらに暴走しだすのだった。
ラモントがある日、私の従姉妹マーガレット(母の3番目の妹の娘)を連れてきて、
「お前は娘しか産めなかっただろう? この伯爵家の跡継ぎをマーガレットに産ませてあげるから一緒に住むぞ!」
と、言い出した。
さらには、マーガレットの両親(モーセ準男爵夫妻)もやってきて離れに住みだした。
怒りが頂点に到達した時に私は魔法の力に目覚めた。さて、こいつらはどうやって料理しましょうか?
さらには別の事実も判明して、いよいよ怒った私は・・・・・・壮絶な復讐(コメディ路線の復讐あり)をしようとするが・・・・・・(途中で路線変更するかもしれません。あくまで予定)
※ゆるふわ設定ご都合主義の素人作品。※魔法世界ですが、使える人は希でほとんどいない。(昔はそこそこいたが、どんどん廃れていったという設定です)
※残酷な意味でR15・途中R18になるかもです。
※具体的な性描写は含まれておりません。エッチ系R15ではないです。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
晴れて国外追放にされたので魅了を解除してあげてから出て行きました [完]
ラララキヲ
ファンタジー
卒業式にて婚約者の王子に婚約破棄され義妹を殺そうとしたとして国外追放にされた公爵令嬢のリネットは一人残された国境にて微笑む。
「さようなら、私が産まれた国。
私を自由にしてくれたお礼に『魅了』が今後この国には効かないようにしてあげるね」
リネットが居なくなった国でリネットを追い出した者たちは国王の前に頭を垂れる──
◇婚約破棄の“後”の話です。
◇転生チート。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
◇人によっては最後「胸糞」らしいです。ごめんね;^^
◇なので感想欄閉じます(笑)
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる