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 第19章 ムーン誕生編

1904.テラの後継者

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 私は、地下牢前の工房に転移魔法で移動した。このまま、魔法で、テラ以外に見える様にしていてもいいのだが、テラが死んでしまったと思っている部下に、何時までも、誤魔化した状態では居れない。

 そこで、もう一体土人形ゴーレムを作ることにした。それを、テラの後継者として、紹介することにした。

 「年齢は、少し、上がいいかなぁ。リンダと同じぐらいの22才位で、やっぱり、人間族かなぁ」

 私は、気に入るまで色々と考えながら、作り上げた。

 「そうだ、名前を付けないといけないね。今回は、ムーンにしよう」

 私は、スピアに思念伝達で、連絡を取った。

 「スピア、テラだよ。ちょっと、地下牢前の工房に来てくれる?」

 「いいよ。すぐ行くよ」

 スピアは、転移用魔法陣で移動してきた。

 「テラ、お待たせ」

 「スピア、この土人形は、どう思う」

 「これ、テラの新しい身体になるの?」

 「そうだよ。だめかな?」

 「一気に大人だね。でも、いいよ」

 「そうか。この土人形をムーンと名前を付けたよ。スピアも、覚えてね。テラって、言ったらだめだよ」

 「うん。分かった」

 私は、早速、新しい土人形をに魂の刻印用の魔法陣を描いて起動した。そして、以前の土人形をガラスのケースの中に入れて保管した。

 「スピア、どうかな?」

 「うん、ムーンいいよ」

 「おっ、スピア、偉い」

 「それじゃ、一緒に来てくれる?」

 私は、スピアを伴って、これまで、テラの元で働いていた人々にムーンを紹介することにした。

 まず、最初は、リンダだね。私は、スピアを抱きかかえて、転移魔法で、リンダの部屋に移動した。
 
 「こんにちわ。リンダさんですか?」

 「あら、スピア、久しぶりね」

 スピアは、リンダに会って、喜んでいる。ふさふさの尻尾を振っている。

 「突然押し掛けて、すみません。私は、テラさんのもとで、仕事を手伝っていた、ムーンと言います。今後は、テラさんの仕事を引き継いでいきますので、よろしくご指導ください」

 「はい、私は、リンダといいます。テラの相棒みたいなものね」

 「リンダ、またね。バイバイ」

 「今日は、顔合わせと言うことで、これで失礼します」 

 私は、スピアの腰を抱き、王宮の私の部屋に転移魔法で移動した。

 「コン、コン。すみません。ガーベラさんは、ご在宅ですか?」

 「はい、居ます。どうぞ」

 私とスピアは、ガーベラの部屋に入って行った。

 「私は、テラの手伝いをしていました。ムーンと言います。よろしく、お願いします」

 「あら、スピアも一緒に、来たの? 
  私は、ガーベラと言います。この国の宰相をしています。よろしく」

 「今後は、テラの仕事の引継ぎをしていきます。よろしく、ご指導ください」

 「はい。よろしく」

 ガーベラは、少し不審がっていた。テラから、ムーンについては、聞いたことがなかったからだ。ただ、スピアが、一緒に来たので、少しは、安心した。スピアが、全く知らない人と一緒に行動することはあり得ないからだ。

 私とスピアは、ガーベラの部屋を出て、次に、魔法学院に転移魔法で移動した。

 ここで、シルバ学院長に会う予定だ。

 「コン、コン。失礼します」

 「急に、尋ねて来てすみません。私は、テラさんの仕事の手伝いをしていたムーンと言います。
 今後とも、よろしくお願いいたします」

 「初耳ね。ムーンって、聞いたことないよ。スピア、知っている人?」

 「うん。よく知っている人。テラ、安心」

 「なら、いいわ。こちらこそ、よろしくお願いいたします。ところで、ムーンは、魔法は使える?」

 「はい、テラさんに習っていますので、使えます」

 「そう、テラと比べて、どうなの?」

 「えっ、どう? っていうのは、どういうことでしょうか?」

 「テラって、凄い魔法を使うでしょ。それと同じことはできるの?」

 「まあ、ある程度は大丈夫です。テラさんほどでは、無いですが、普通の魔導士には、負けませんよ」

 「そう、それは、嬉しいわ。また、お願いすることもあると思うので、よろしくね」

 「はい、テラさん同様によろしく、お願いします」

 「本当? テラと同じでいいのね」

 シルバ学院長は、にやりと笑った。私は、気が付かない振りをして、退室した。

 「また、伺います。今日は、これで、失礼します」

 私とスピアは、シルバ学院長の部屋を出て、次の相手に会いに行くことにした。

 今日は、ここで、終了だ。多くの人と一度に会うのは、疲れる。私は、スピアを抱きしめて、ふわふわを体中で噛み締めていた。

 あと、一息だ。レンゲーに会いに、行くことにした。ただ、今、レンゲーがどこに居るか、定かでないので、思念伝達で、レンゲーに連絡を取ることにした。

 「レンゲーさんですか? 私は、テラさんの手伝いをしていたムーンといいます。突然の連絡で、申し訳ありません。現在、レンゲーさんは、何処に居られますか?」

 「ムーンさん、お初にお目にかかります。私は、官吏長のレンゲーと言います。現在、大陸を時計回りに一周している所です」

 「そうですか。船上ですね。それでは、ヤガータ国の港に寄港された時に、また、ご挨拶させて貰います」

 「分かりました。また、その時に、それでは、失礼します」

 私は、レンゲーとの思念伝達を切った。まあ、挨拶は出来たから、上出来だね。

 私は、スピアを抱きしめて、城に転移魔法で移動した。

 そして、2階に上がり、レイカの部屋に入って行った。

 「あら、スピア、その方は、誰?」

 「あっ、レイカ様、私は、テラさんの手伝いをしていました。ムーンと言います。これからは、テラさんの仕事の引継ぎをしていきます。今後とも、よろしくお願いいたします」

 「そうですか。レイカといいます。よろしくお願いいたします」

 レイカは、すぐに、テラjrを抱き上げて、お乳を飲ませ始めた。

 「それでは、これで、失礼します」
 
 私は、一人で、レイカの部屋を出て行った。スピアは、レイカのお手伝いをするようだ。

 何だか、どっと疲れが出た。直ぐに、寝てしまいたかった。私は、転移魔法で移動した。そして、暗示魔法で、テラに見える様にミューに暗示を掛けた。そのまま、ベッドに押し倒して、一晩を共にした。
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