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 第15章 魔法学院(前期試験)編

1502.治療のための採血

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 リューの調子が悪そうなので、私は、本格的に治療を考えることにした。近くにいる人が死ぬのは、厭だ。

 私は、リンダに相談して、次の事を実行に移した。

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 私は、薬を血液から作る作ることにした。まずは、原料となる血液を採血していく。ヤガータ国の国民から、血液を買うことにした。最大、400ccで、金貨1枚を対価として、支払う。

 採取した血液は、アイテムボックスの中に入れて固まるのを遅くする。

 病気の人の血液を買うことは出来ないので、採血前に、検査を受けて貰う。もし、病気なら、そのまま病院で治療してもらう。
 
 さらに、採血した血液にウイルスなどの感染症関連の検査を行う。その為の神具を開発しておく。そして、その検査に合格した物だけを薬の材料として使っていく。

 検査に不合格だったものは、ウイルスの大きさよりも目の細かい膜を通してウイルスを除去する。

 その後、成分に分離して、保管する。

 血液の成分は、血漿と血球に分けて、更に赤血球、白血球、血小板に分ける。

 そして、水分を除去して、乾燥したものを瓶に詰めて、アイテムボックスの中に入れて管理する。

 最終的な薬ができあがるまで、血液は、個人のヤガータ国IDで、管理していく。つまり、薬の識別番号と、使われている血液と個人のヤガータ国IDの対応表を作る。

 製造された薬は、指定されて医者にだけ、販売するようにする。また、処方したときの報告も出してもらうように、医師に徹底する。

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 得られた血漿がリューの一次的な薬となるはずだ。これを定期的にリューの血液に注ぎ込んで置けば、延命できると思う。後は、本当の治療を開発する。これは、すぐには、出来ないが、いずれ、できるだろう。

 リンダは、すぐに血液の採血を始めた。私は、まず、保管用のアイテムボックスを作った。これまでより、時間遅延効果を重視した。

 次に、「血液にウイルスなどの感染症関連の検査」と「ウイルスの大きさよりも目の細かい膜」の2つを実現できるように闇魔法の研究を重ねた。

 私は、採血前の病気を検査するところを2人で検査することにした。それで、「ウイルスの大きさよりも目の細かい膜」の開発だけに専念することにした。

 魔法顕微鏡の開発のとき、通常よりも短い波長にしていった経験を活かして、今回も、何も通さない闇魔法の薄い膜を元にして、穴の大きさを変えていった。そして、その穴を魔法顕微鏡で、確認して、ウィルスの大きさより小さくなるように魔法を調整した。

 ようやく完成したので、それを魔法陣に描き、神具に作り上げた。再度、動作を確認してから、同じ物を100個作り上げた。

 最後に、採血用のマニュアルと採血用の袋や機器を作り、すべてをセットとして、アイテムボックスに入れて行った。最後に、採血キットとしてのアイテムボックスが100個出来上がった。

 出来上がった採血用キット100個をリンダに送っておいた。後は、リンダから、完成した薬を送ってもらうだけだ。1日でも早く送ってきて欲しい。

 私は、魔法顕微鏡を100台作って、研究者に無料提供することにした。研究内容をチェックし、研究者本人の面接後、2つの条件を課した。それは、他の人に貸さないことと、研究結果はテラ・ワールドに報告後に発表することの2つだ。

 人選もリンダに任せた。私は、魔法顕微鏡を創り、リンダに100台送っただけだ。本当に、すべて、リンダに丸投げしている。一度、会ってお礼を言わないといけない。

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 レイカが嫌っているミュー先生の光魔法の初級講座が始まった。つい、ミュー先生に見とれてしまう。横にいるレイカに睨まれないように、用心しながら、見ていた。

 いつの間にか、授業が終わってしまった。なんとなく、ミュー先生の大人の魅力に私は打ちのめされているのだろうか? 

 こんな気持ちになった原因を考えてみた。そうだ、他校の魔法学院を見学に行ったときのあの出来事以来、こんな気持ちになっている。おそらく、その性だ。

 そうか、それなら、同じ経験を他の人で行えば、ミュー先生のことを忘れるだろう。ただ、大人でないといけない。だれか、いないだろうか? 

 シルバは、大人だが、辞めた方がよさそうだ。後で、どんな仕事が来るか分からない。ただでさえ、最近は、私のことを上司だと思っていないようだから。

 ローララは、こんなことを頼めるほど、親密では無い。頼んだあとのリアクションが予想できない。分からないことほど、怖いものはない。これも、だめだ。

 色々と考えていると、誰かに頭を叩かれた。

 「テラ、また、私以外の人のことを考えていたでしょ」

 「痛いよ。何、するの?」

 「厭らしいこと、考えていたでしょ」

 「そんなこと、ないよ」

 「テラの顔を見れば、分かるよ。ミュー先生の顔を見るなり、様子が変だったもの」

 「えっ、顔に出るわけないよ」

 「なぜ、そんなに断言できるのよ」
 
 それは、私が、土人形だからだよ、って言えないよね。 この状況は、変えた方がいいのか、悩ましい。
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