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 第13章 魔法学院(マテーダ王女)編

1308.加盟店計画

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 先ほど、リンダから思念伝達で、連絡を受けた。看板や包装用の袋などのデザインが出来上がったので、確認して欲しいということだ。

 早速、私は、リンダに会いに転移魔法で、移動した。

 「リンダ、早かったね」

 「えぇ、頑張ったわよ。これだけど、どう?」

 「良いと思うよ。それから、加盟店用の物は、もっと小さいサイズにして欲しい。支店と区別したいから」

 「わかったわ。それ以外は、どう?」

 「後は、問題ないと思うよ。それから、今後の計画を話しておくね。

 『テラ・ワールドの本店から、支店へ商品を送り、販売してもらう。場合によれば、無人販売用の機械を使っても良い。配送には、テラ・ワールドの本店にある、転移用の魔法陣を使う。

 加盟店には、支店と同じように商品を卸すが、支店へ卸すときは、商品代金は、不要だが、加盟店の場合は、販売価格の20%引きで降ろす。後は、販売店に任せる。ただし、販売出来た商品に関しては、5%の手数料を貰う。売れなかった商品は、引き取る。ただし、引き取り期限を商品受け取り後1ケ月とする。

 加盟店は、テラ・ワールドの商品の類似商品は販売できない。その他の商品については、加盟店が他から仕入れても良い。

 加盟店は、入会時に金貨20枚を登録料として、支払うこと。
 また、月金貨5枚を相談料として支払うこと。』

 これが、今回考えている、テラ・ワールドの加盟店計画だよ」

 「それで、加盟店はあると思うの?」

 「さあ、どうかな? これは、実験だよ。失敗したら、また、考えるよ」

 「そうか、やってみないと分からない物ね。一つ気になったのが、商店に商品を卸していた錬金術師は、どうなるの?」

 「当面は、赤のポーションを売っていくので、他の商品を創れば、問題ないよ。もし、創れないのなら、失業するね」

 「結構な数の失業者がでない?」

 「まあ、やってみないとね」

 「まあ、やりながら、改善しましょうか」

 「うん。ありがたい。そう言って貰って。ただ、今、致命的な欠陥があれば、教えてね。私、結構抜けているから。自慢じゃにけどね」

 「はい、はい、よく分かっていますよ」

 「良かった。リンダに分かって貰えている。嬉しいな?」

 「いつ、スタートする?」

 「それは、リンダに任せるよ。加盟店の用紙も作っておいてね」

 「いいよ。後は、このリンダに任せてよ」

 「はい。お願いします」

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 後日、リンダから、連絡が入った。明日から、始めるということだ。暫くは、目が離せないね。

 シロッコスから、連絡が入った。兵士の家族の移民は、順調に言っているらしい。ほとんどが、一緒に暮らしたいと言っているらしい。それと、住居が無料で、提供されることも影響が大きいようだ。

 ただ、巫女の件は、大きな進展がないようだ。やはり、宗教がらみは難しいようだ。別のことを考えないとだめかもしれない。

 レンゲーから、ちょっと、変わった報告が入った。それは、ソーロン帝国の南に大きな大陸ががあり、どうも、そこから魔物の侵攻があるようだ。それに対抗するために、ソーロン帝国は、高さ20mにも及ぶ高い壁を作っているようだ。しかも、その厚みが2mもあり、通常の攻撃では、破ることができないほどの物らしい。一定の間隔で、見張り台と大きな鉄の門があるそうだ。その門は、鉄でできており、厚さ50cmにもなるそうだ。

 いままで、勘違いをしていたようだ。ソーロン帝国が、軍備を強化していたのは、他の国を攻めるためではなく、魔物の侵攻から、帝国を守るためだったようだ。

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 今日は、色々と動き回ったせいで、授業に参加することが出来なかった。明日は、授業に出よう。そう思いながら、魔法学院の自分の部屋で、ベッドの上で、頭から、布団を被って、眠り込んでしまった。

 「コン、コン」

 誰かが、ノックしている。こんな夜中に誰だろう。私は、寝たふりをして、様子を見ていた。

 「コン、コン」

 また、ノックしている。今度は、ドアを開けようとしている。この部屋には、結界が張ってあるから、私が許可して者以外はいてくることはできない。

 あれ、中に入って来た。私の闇魔法の結界が破られた。これは、一大事だ。私は、耳を澄ましながら、侵入者の様子を窺っていた。

 すると、いきなり、布団の中に忍び込んで来た。思わず、私は、侵入者の両手を掴み、ベッドの上に押し付けて、自由を奪った。それから、光魔法で、部屋の明かりをつけた。

 「誰だ、こんな夜中に!」

 「テラ、私よ。手が痛いわ」

 「あっ、ごめん。てっきり、強盗か何かだと勘違いしたよ」

 「何度もノックしたのに、返事がなかったから」

 「ごめん、寝込んでいたみたいだ」

 「本当に、ノックしたのよ。でも、返事がないから」

 「わかったよ。ごめん」

 「今日は、どうしたの? 授業に出なかったでしょ。魔法学院の中を探し回ったのよ」

 「今日は、色々、しないといけないことがあったんだ」

 「テラは、よく、こそこそ、何か、してる。何、してるの」

 「何でもないよ。家の用事だよ」

 「うそ、家族はスピアだけって、言ってたよ。だから、家の用事なんて、あるはずないよ」

 「嘘ではないよ。本当に、家の用事だよ。私の事が信じられないの?」

 「そんなことないもん。信じているもん」

 急に、幼子のような喋り方を始めた。どうしたらいいの? こりゃ、また、大変だ。授業に出ても、休んでも、何をしても、捕まってしまう。その後、安心して、寝るまで、ずっと相手をする羽目になった。
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