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 第13章 魔法学院(マテーダ王女)編

1306.テラ・ワールドの全国展開

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 今日は、朝から、思念伝達でリンダに連絡を取った。以前依頼していた、テラ・ワールドの支店の全国展開について、今、どんな状況か、確認したかった。

 「おはよう。テラだよ。起きていた?」

 「起きていたよ。今日は、テラ、早起きね」

 「そうだね。リンダに依頼した支店のことだけど。どんな感じ?」

 「ミヤーコ王国とイーキ王国は、完了したよ。すべての街や村に支店を1店舗は、確保したよ。従業員も雇って、配置済みと、報告を受けているよ」

 「ヘノイ王国は、どうなっている?」

 「ここは、まだ、半分ぐらいね。もう1週間は掛かるよ。そんなに急いでいるの?」

 「できれば、早く終わらせたいんだ」

 「どういうこと?」

 「その国を、テラ・ワールドで支配したいんだ」

 「今やっているのは、基地を作っているのとは、違うよ。単に、支店を作っているだけだよ」

 「いや、それでいいんだ。テラ・ワールドは、経済面から、支配していきたいんだ」

 「私には、よく分からないわ」

 「今度、ゆっくり説明するよ」

 「そうしてね。待っているわ」

 次に、思念伝達でガーベラに連絡を取った。

 「ガーベラ、テラ、だよ」

 「どうしたの? 朝早くから」

 「安売り用の赤のポーションは、順調に販売できているの?」

 「問題ないわ。補充に少し手間取っているけど、特に、問題はないわ」

 「生産の方は、余裕があるかな?」

 「そうね。薬草は、必要以上に栽培出来ているわ。採取も赤字には、なっていないわ。うまく、回っているわ」

 「それじゃ、赤のポーションの生産の方は、どうかな?」

 「あの赤のポーションを作るための神具は、使いやすいみたい。だから、こちらは、どんどん、在庫が溜まっているわ」

 「それじゃ、赤字じゃないの? あの値段では、無理かな?」

 「赤字じゃないけど。売れている数は、凄いのに、それほどの儲けになっていないわ。ほとんどが、人件費に消えているから。だから、在庫は、場所を取っているだけよ。特に、問題はないわ」

 「それなら、いいよ。申し訳ないけど、その赤のポーションの生産を出来る限り沢山作ってくれないかな? 薬草の採取の人数も増員して、工場の人員も増員して、可能な限り、沢山作って欲しいんだ」

 「分かったわ。でも、それをどこに置くの?」

 「リンダに頼んで、テラ・ワールドの本店のある森の中で、保管して貰ってくれる」

 「わかったわ。連絡をとって、大量生産を始めるわ」

 「よろしくね」

 「テラは、王宮の部屋で、寝ないの?」

 「そんなことないよ。また、いくよ」

 「そう、それなら、いいわ」

 「それじゃ、バイバイ」

 私は、思念伝達を切った。あの工場だけでは、量が足らないかも知れない。別の場所でも、大量生産の拠点を作っている方が、いいかも。

 私は、思念伝達で、レンゲーに連絡を取った。そして、森の中に地下農場と地下工場の建設と赤のポーションの大量生産を依頼した。実際の生産には、薬草が育つまでの時間が掛かるだろう。

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 私は、もう一度、思念伝達で、リンダに連絡を取った。

 「リンダ、何度もごめん」

 「テラ。いいよ。遠慮しないでね」

 「ありがとう。少し、計画を変更するよ。一気に、全国展開しようと思っていたんだけど。それは、少し、延期するよ。だから、ヘノイ王国の方は、それほど、慌てなくてもいいよ」

 「わかったわ。でも、遠慮しないでね」

 「分かっているよ。でも、誤解しないでね。今回の延期は、売り出す予定の赤のポーションの生産が追い着かないからだよ。リンダの仕事とは、関係ないからね」

 「はい、分かったわ」

 「それで、どのように変更するの?」

 「全国展開の前に、このヤガータ国で、実験的に実施しようと思っている」

 「具体的には、どうするの?」

 「まず、通常の量の赤のポーションの価格を下げる。今、金貨1枚で売っている物を、銀貨80枚に変更して、テラ・ワールドの全支店で一斉に販売します」

 「それじゃ、冒険者ギルドで、赤のポーションが売れなくなるわ」

 「それは、いいんだ。別に冒険者ギルドは、赤のポーションで儲けているわけじゃないから」

 「でも、買取価格は、金貨1枚よ。テラ・ワールドの商品を冒険者ギルドに持ちこまれない?」

 「それでは、予め冒険者ギルドから、テラ・ワールドの商品の買い取りをしないと掲示して貰っておくよ。それから、テラ・ワールドの赤のポーションには、テラ・ワールドのラベルを瓶に刻印して、消せないようにするよ。これからの、テラ・ワールドの商品にはすべてこのラベルを付けることにするね」

 「それは、いいわね。ついでに、包装紙にも、テラ・ワールドのマークを入れない?」

 「いいよ。袋を持っているだけで、テラ・ワールドの宣伝になるね」

 「デザインは、私にやらせて」

 「いいよ。リンダに任せるよ」

 「今、リンダは、時間あるの? 」

 「少しなら、大丈夫だよ」

 「そっちに行っても、いい?」

 「構わないけど、テラは、授業は? さぼるの?」

 「いや、そうだね。また、今度、そっちに行くよ。それから、テラ・ワールドの看板も考えておいてもらえる?」

 「いいわ。一緒に、考えておくわ」

 「もう一ついいかな? テラ・ワールドの支店とは別に、テラ・ワールドの加盟店をつくる。その加盟店では、テラ・ワールドの支店のようにテラ・ワールドの商品を販売してもらう。その加盟店用の看板も考えてくれないかな?」

 「なんだか、よく分からないけど。支店とは別に、テラ・ワールドの商品の販売店と分かるようにすれば、いいのね」

 「そうだよ。それで、支店よりは簡易版にしてね」

 「いいよ。考えておくね」

 「それじゃ、授業にいくよ」

 「そうよ。さぼらないでね」

 私は、リンダとの思念伝達を切って、急いで、魔法学院の授業に間に合うように移動した。
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