上 下
112 / 257
 第13章 魔法学院(マテーダ王女)編

1302.ガーベラへの相談

しおりを挟む
 今日は、ガーベラと会うことになっている。私は、思念伝達で、ガーベラに連絡を取った。

 「ガーベラ、テラだよ」

 「どうしたの?」

 「来月から、国民になるための手数料を取っていくよ。前に言っていたように、金貨5枚で」

 「わかったわ。それは、やっておくね」

 「それから、ソーロン帝国の軍隊の動きはある?」

 「以前のままのようね。それに、リザードマンを引き抜いているでしょ。だから、今は、軍隊を動かすことは無いと思うわ。それと、シロッコスからの連絡だけど、ソーロン帝国の軍隊は、北側よりも、南側に重点的に配備されていると聞いているわ」

 「そうか、それなら、いいよ」

 「ところで、今日の夕方は、何か、用事が入っているの」

 「特にないわ。どうして?」

 「少し、個人的に相談したいことがあるのだけど、いいかな?」

 「えぇ、いいわ。どこであう?王宮の私の部屋でもいいよ」

 「それじゃ、夕方に、食事前に行くよ」

 「はい、それじゃ、またね」

 私は、思念伝達を切った。夕食まで、かなり時間がある。その時間で、港湾で、船を作ることにした。
 まず、兵士を1000人乗せて運べる船を作ることにした。こちらは、以前作った船と構造上は同じなので、スケールだけ、気を付けて作っていった。

 これが、10隻なので、こちらを連続で創ることにした。やっと作り終えると、もう、夕方になっていた。後は、また、後日だ。急いで、王宮に戻り、自分の部屋で暫く待った。

 そろそろかな。私は、隣の部屋のドアをノックした。
 
 「どうぞ」

 「失礼します」

 「すみません。忙しい時に」

 「私も、聞きたいことがあったから、いいわよ」

 「ガーベラが、聞きたいことって何?」

 「私の話は、いつでもいいの。だから、テラから、話して」

 ガーベラは、ベッドに座って、足を組んでいる。いつもの服に比べて、今日は、楽な服を着ている。

 ガーベラの部屋は、女の子の部屋というより、書斎にベッドを運び込んだような感じだ。これでは、部屋に仕事を持ち込んでいるのが、手に取るようにわかる。

 「実は、シロッコスのことだけだど。レベルは、上がっているけど、もともとは、リーダーではないの。だから、心配」

 「でも、レンゲーが付いているでしょ。それに、技術顧問として、カーリンもいるよ」

 「そうだね。大丈夫かな。最近、心配性になっているかも」

 「テラは、ちょっと、手を広げすぎよ。だから、ミスがないかと、不安になるのよ。ほとんどは、任せているのでしょ」

 「そうだよ。ガーベラにも、色々と任せているしね」

 「だったら、任せていることは、考えないこと。割り切りなさいよ」

 「分かった。そうするよ。ところで、ガーベラの話って何?」

 「大したことじゃないけど、マテーダ王女とはどうだった?」

 「うん、特に問題はないようだね」

 「それなら、いいけど。用心してね。意外
 「それじゃ、また」

 私は、ガーベラの部屋を出て、自分の部屋に戻った。本当は、もう一つ相談したかったが、なんだか、話し辛かった。多分、ベッドのせいだ。

 私は、港湾に戻って、船の製作の続きを始めた。軍船を設計図通りに作っていった。これが、5隻いるということだ。後、もう少し、頑張って作ってしまうことにした。
 
 色々と細かな設計図だったので、時間が掛かった。気が付くともう、夜中になっていた。

 もう一度、王宮の自分の部屋に戻って、ベッドに入って、寝込んでしまった。

 朝起きてから、ガーベラに確認しておきたいことができた。私は、思念伝達でガーベラに連絡を取った。

 「ガーベラ、おはよう。起きていた?」

 「あぁ、テラね。昨日は、遅くまで、ご苦労様」

 「夜中に帰って来たのを知っているんだね。実は、急に思ったことなんだけど。各国の空って、どういう扱いになっているの?」

 「空って、鳥が飛んでいる所よ」

 「その空って、誰のもの?」

 「どういうこと?誰も空に行けないから、誰のものでもないよ」

 「もし、空に行けたら、国の境界はどうなるかな?」

 「多分、領土の上空はすべて、その国の物でしょうね」

 「そうなるね。でも、今は、誰の物でもないのね」

 「そうね。聞いたことないね。空がどの国の物かって」

 「それじゃ、海はどうなっているの」

 「海も同じようなものね。正確には、決まっていないけど。その国の領土の近海はその国の海になるでしょうね」

 「今は、すべてが、曖昧なままだね」

 「そうなるわね。どちらも、まだ、自由にいけないからね。誰でも、行けるようになると、自分の物だと主張するでしょうね」

 「やっぱり、そうなるね。実は、空を飛ぶ、道具を考えているんだ。今なら、試しで飛ばしても、文句を言われないよね」

 「自信はないけど、言われないでしょうね」

 「わかった。ありがとう」

 「また、会いましょう。って、今、隣にいるのじゃないの?」

 「はい、そうです。またね」
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

あなたに本当の事が言えなくて

恋愛 / 完結 24h.ポイント:674pt お気に入り:2,476

夫に「好きな人が出来たので離縁してくれ」と言われました。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:3,940pt お気に入り:3,914

無知なヒロインには理由が有る

恋愛 / 完結 24h.ポイント:284pt お気に入り:12

殿下の御心のままに。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:745pt お気に入り:3,091

二度と読めない小説、二度と聴けない音楽

恋愛 / 完結 24h.ポイント:106pt お気に入り:0

侯爵様が好きにしていいと仰ったので。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,320pt お気に入り:4,270

処理中です...