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第11章 魔法学院(生徒)編
1106.油田発見
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漸く、油田が見つかったとの報告を受けた。長かったが、一つ見つけただけで、大手柄だ。これで、ミヤーコ王国の原油独占から、解放される。原油から取り出される灯油は、広く利用されている。特に、夜道を照らすのに、魔石より手軽なので、最近では、灯油の街灯が増えている。
今後は、灯油の利用範囲が拡大してくることは、目に見えている。それを我ヤガータ国が手に入れた。この価値は測り切れない。
カリーンは、更なる油田の調査と原油の利用方法について、研究すると言っている。原油関係は、カリーンに任せよう。これで、ヤガータ国も豊かになる。
私は、早速、ガーベラ、リンダ、シルバ、シロッコス、レンゲーなどに結果を報告した。それと共に有効活用できるアイデアがあれば、カリーンに伝える様に言っておいた。
今日は、久しぶりの休日だ。といっても、魔法学院が休みだというだけで、仕事が無くなったわけではない。魔法学院の授業は、前期と後期に分かれており、前期終了時に試験がある。それと、後期終了時には、進級試験がある。
ただ、単位制になっているので、進級できなくても習得した科目の単位は有効である。だから、翌年は、不合格だった科目を取るだけだ。
進級と言っても、特に意味はなく、一定の単位を修得できない時に、在籍している学年を決めるだけの事で、2年目になれば、2年生の科目を受講できる。
ただし、中級火魔法講座は、初級火魔法講座を習得していないと受講できない。当然、上級火魔法講座は、中級火魔法講座を習得していないと受講できない。
だから、留年するということは、受講できる科目が減ってしまうということになる。
それから、同じ学年は、2年間だけで、それ以上は、繰り返せない。2回進級・卒業できない場合は、退学となる。だから、最長でも、4年間しか在籍できないことになっている。
また、一度退学になった生徒は、再入学することはできない。まあ、これも、当然だね。
シルバは、上級教師に前期末試験を早く作っておくように連絡している。それから、来年度の入学試験の検討や初級教師の模擬授業など、以外にやらなければならない作業は多い。
「テラ、久しぶりね」
「シルバ、どうしたの? 教室まで、覗きに来て」
「実は、テラに、仕事を持って来たのよ。遅くなって、ごめんなさいね」
「何、言っているの? 私は、生徒だよ」
「そうだよ。生徒なら、学院長の言うことは聞かないとだめよね」
「あぁ、そういうことか。簡単に入学を許したのは、私に仕事を振るためだね」
「今頃、何を言っているの。さあ、言うことを聞いて、しっかりと、働いてね。いや、勉強してね。ということね」
「それで、どんな課外学習をすれば、いいのかな?」
「上位の生徒を連れて、他国の魔法学院の見学に行って欲しいの。我が国の魔法学院のレベル向上と、宣伝を兼ねて、他国には、申し入れを既にしているの」
「それで、どこへ行けばいいの?」
「当然、魔法学院のある国すべてよ」
「シルバ、そんなこと、この2日では、無理だよ」
「何も、今すぐ、すべてを回る必要はないのよ。夏休みがあるじゃないの。前期と後期の間は、夏休みになっているよ。前期試験終了後すぐにお休みよ」
「えっ、夏休みも課外学習ってこと?」
「当然よ。その分、今、のんびりしているのだから」
「分かったよ。だけど、私の地位は、他の生徒には、内緒だよ。いい?」
「私は、大丈夫だけど、オーガネッチやマテーダ王女は、どうするの? 先日も、食堂まで押し掛けたそうね」
「そうだね。シルバ、何とかしてよ。学校の中には入れないように、できないの?」
「できるよ。だって、私は、学院長だからね。でも、これは、高いよ」
「分かったよ。シルバの言い値で買うよ。いくらでも、言ってください」
「それじゃ、引率の先生は、誰がいいかな? 希望は聞くよ」
「光魔法のミュー先生がいいな。優しそうだから」
「いいわよ。その代わり、しっかりと視察、じゃなかった。見学をしてきてね」
「はい。分かりました。学院長シルバ様」
「よし、よし、その調子でね。頑張ってきてね」
「はい。失礼します」
折角の週末なのに他国の魔法学院の見学だった。参ったなぁ。シルバの書類では、隣国のミヤーコ王国の魔法学院のようだ。都市シジンに、シジン魔法学院がある。そこへ、今日の夕方から出発だ。明日の朝から、見学をして、夕食後帰って来るという日程になっていた。
今夜は、魔法学院が用意したホテルに泊まることになっていた。ミヤーコ王国の都市シジンは、結構行っている。因縁深い国であり、変な記憶が残っている街だ。
夕方になって、魔法学院の玄関前に馬車が止まった。引率教師のミュー先生、私達、レイカ、ルカ、オウカのお馴染みのメンバーがやって来た。馬車の中は広く、6人どころか、10人でも余裕で、乗れる。
「あぁ、テラ、よろしくね」
「ルカ、オウカ、よろしく」
「スピア、元気? 私は、レイカと言います。よろしくお願いいたします」
「私は、ルカ、よろしく」
「私は、オウカと言います。よろしくお願いいたします」
お互いに挨拶をして、馬車に乗り込んだ。全員乗り込むとすぐに出発した。ミヤーコ王国は、隣国なので、そんなに、時間は掛からない。今日は、ホテルで、夕食を取ることになっている。
なんだか、不安になって来た。別に、乗り物酔いは、しないけど。気分が悪くなってきている。
馬車が揺れる度に、私の心臓も飛び跳ねているようだ。早く、帰りたい。
今後は、灯油の利用範囲が拡大してくることは、目に見えている。それを我ヤガータ国が手に入れた。この価値は測り切れない。
カリーンは、更なる油田の調査と原油の利用方法について、研究すると言っている。原油関係は、カリーンに任せよう。これで、ヤガータ国も豊かになる。
私は、早速、ガーベラ、リンダ、シルバ、シロッコス、レンゲーなどに結果を報告した。それと共に有効活用できるアイデアがあれば、カリーンに伝える様に言っておいた。
今日は、久しぶりの休日だ。といっても、魔法学院が休みだというだけで、仕事が無くなったわけではない。魔法学院の授業は、前期と後期に分かれており、前期終了時に試験がある。それと、後期終了時には、進級試験がある。
ただ、単位制になっているので、進級できなくても習得した科目の単位は有効である。だから、翌年は、不合格だった科目を取るだけだ。
進級と言っても、特に意味はなく、一定の単位を修得できない時に、在籍している学年を決めるだけの事で、2年目になれば、2年生の科目を受講できる。
ただし、中級火魔法講座は、初級火魔法講座を習得していないと受講できない。当然、上級火魔法講座は、中級火魔法講座を習得していないと受講できない。
だから、留年するということは、受講できる科目が減ってしまうということになる。
それから、同じ学年は、2年間だけで、それ以上は、繰り返せない。2回進級・卒業できない場合は、退学となる。だから、最長でも、4年間しか在籍できないことになっている。
また、一度退学になった生徒は、再入学することはできない。まあ、これも、当然だね。
シルバは、上級教師に前期末試験を早く作っておくように連絡している。それから、来年度の入学試験の検討や初級教師の模擬授業など、以外にやらなければならない作業は多い。
「テラ、久しぶりね」
「シルバ、どうしたの? 教室まで、覗きに来て」
「実は、テラに、仕事を持って来たのよ。遅くなって、ごめんなさいね」
「何、言っているの? 私は、生徒だよ」
「そうだよ。生徒なら、学院長の言うことは聞かないとだめよね」
「あぁ、そういうことか。簡単に入学を許したのは、私に仕事を振るためだね」
「今頃、何を言っているの。さあ、言うことを聞いて、しっかりと、働いてね。いや、勉強してね。ということね」
「それで、どんな課外学習をすれば、いいのかな?」
「上位の生徒を連れて、他国の魔法学院の見学に行って欲しいの。我が国の魔法学院のレベル向上と、宣伝を兼ねて、他国には、申し入れを既にしているの」
「それで、どこへ行けばいいの?」
「当然、魔法学院のある国すべてよ」
「シルバ、そんなこと、この2日では、無理だよ」
「何も、今すぐ、すべてを回る必要はないのよ。夏休みがあるじゃないの。前期と後期の間は、夏休みになっているよ。前期試験終了後すぐにお休みよ」
「えっ、夏休みも課外学習ってこと?」
「当然よ。その分、今、のんびりしているのだから」
「分かったよ。だけど、私の地位は、他の生徒には、内緒だよ。いい?」
「私は、大丈夫だけど、オーガネッチやマテーダ王女は、どうするの? 先日も、食堂まで押し掛けたそうね」
「そうだね。シルバ、何とかしてよ。学校の中には入れないように、できないの?」
「できるよ。だって、私は、学院長だからね。でも、これは、高いよ」
「分かったよ。シルバの言い値で買うよ。いくらでも、言ってください」
「それじゃ、引率の先生は、誰がいいかな? 希望は聞くよ」
「光魔法のミュー先生がいいな。優しそうだから」
「いいわよ。その代わり、しっかりと視察、じゃなかった。見学をしてきてね」
「はい。分かりました。学院長シルバ様」
「よし、よし、その調子でね。頑張ってきてね」
「はい。失礼します」
折角の週末なのに他国の魔法学院の見学だった。参ったなぁ。シルバの書類では、隣国のミヤーコ王国の魔法学院のようだ。都市シジンに、シジン魔法学院がある。そこへ、今日の夕方から出発だ。明日の朝から、見学をして、夕食後帰って来るという日程になっていた。
今夜は、魔法学院が用意したホテルに泊まることになっていた。ミヤーコ王国の都市シジンは、結構行っている。因縁深い国であり、変な記憶が残っている街だ。
夕方になって、魔法学院の玄関前に馬車が止まった。引率教師のミュー先生、私達、レイカ、ルカ、オウカのお馴染みのメンバーがやって来た。馬車の中は広く、6人どころか、10人でも余裕で、乗れる。
「あぁ、テラ、よろしくね」
「ルカ、オウカ、よろしく」
「スピア、元気? 私は、レイカと言います。よろしくお願いいたします」
「私は、ルカ、よろしく」
「私は、オウカと言います。よろしくお願いいたします」
お互いに挨拶をして、馬車に乗り込んだ。全員乗り込むとすぐに出発した。ミヤーコ王国は、隣国なので、そんなに、時間は掛からない。今日は、ホテルで、夕食を取ることになっている。
なんだか、不安になって来た。別に、乗り物酔いは、しないけど。気分が悪くなってきている。
馬車が揺れる度に、私の心臓も飛び跳ねているようだ。早く、帰りたい。
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