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第8章 ヤガータ国編
802.ヤガータ国の再建
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ついに、ミヤーコ王国に、全額返納する日がやって来た。私とウェーリィ王は、ミヤーコ王国にやって来た。兵士に案内されて、国王の居る玉座の間まで、やって来た。
「よくやって来た。こちらにどうぞ」
ミヤーコ王国の国王は、私達を近くに置いてあるテーブルに座るように手で示した。
「やっと、返済できる。これまで、待ってくれて、感謝する」
「なに、同じフラン連合国の一員じゃないか。当たり前だよ」
「そうだな、隣国でもあるな」
「それでは、早速、返済の手続きをしようか。お互い、暇だはないだろう」
「それでは、お願いする」
数名の官吏が、書類を持ってテーブルにやって来た。
「こちらに、サインをお願い致します」
両国の国王が書類にサインした。
「それでは、IDで、借金を入金してください」
「金貨5000万枚だね」
ウェーリィ王が確認のために声に出した。
「いいえ、違いますよ。金貨5500万枚です」
「えっ、どういうことだ」
「1月待ったじゃ無いですか。だから、利息が付いたのですよ」
「そんな、ばかな。通達の金額だとばかり、利息の事は、聞いていないぞ」
「はっ、はっ、はっ、そんなことは、常識ですよ。敢えて書かなくても」
「テラ、どうしよう」
「気にしないでください。払えばいいのです」
私は、官吏のIDに私のIDから、金貨5500万枚を移動した。
「確認してください」
「はい、確かに、入金されました」
「さあ、ウェーリィ王、帰りましょう」
ミヤーコ王国の国王は、思惑が外れて、言葉も無い様だった。おそらく、ウェーリィ王がギリギリの金貨を持ってくると思っていたのだろう。
ヤガータ国に戻って来た私達は、謁見の間で、話をした。
「ウェーリィ王、残りの借金もできるだけ、早く返した方がいいですよ」
「そうだな。利息があれほど大きいとは、思ってもいなかった」
「1年で、約3倍にもなりますよ。非常に高利でしたね」
「そうだ、残りの借金も借りて貰えないか」
「いいですよ。でも、今、手持ちがあまりないので、すべてを一括で返済は難しいですね」
「分かった。宰相を呼ぶので、今後の事を詰めてくれ。
それから、一つ頼みがある。わしの養子になってくれんか」
「ウェーリィ王には、子供はいないのですか?」
「そうだな。3人いるよ。男が2人、女が1人だ」
「そんなにいるなら、私を養子にする必要はないのでは?」
「いや、実務を任すことが出来る者が一人もいない。3人とも、全く、仕事をしないのだ」
「そうですか、それなら、仕事ができる役職でいいですよ」
「そうか、王族にせずとも、働いてくれるか」
「この国が普通の国になるまでなら、いいですよ」
「よし、わかった」意外
暫くして、宰相のガーベラがやって来た。可成り若い女性だった。少し、意外だった。もっと、年寄りを考えていたから。
「ウェーリィ王、お呼びですか」
「こちらが、テラだ。この度の借金返済では、多大な負担をして貰った」
「はい、存じております」
「そこで、この者をそちの傍で、働いて貰おうと思っている」
「私、一人では不満でしょうか」
「いや、そんなことはない。ガーベラは、いつも、よくやってくれている。しかし、金はないであろう」
「それは、これから、頑張って、…」
ガーベラは、言葉に詰まってしまった。すこし、息を整えているようだ。まだ、若い。感情に流されやすいようだ。
「はい、わかりました。それでは、我が国の伯爵になって貰います」
「よろしい。直ぐに手続きをしてくれ。それから、各所への通知もお願いする」
「はい、直ちに」
「よし、よし、これで、テラは、伯爵だ」
私は、伯爵がどういうものか、よく分かっていないが、貴族になれると思い、ウキウキした気分だった。
「はい、ウェーリィ王、ありがとうございます」
「これからも、この国のために、働いてくれ」
私は、宰相のガーベラとこの国の実情について、話し合った。
まず、借金だが、残りの国からは、一律金貨50万枚を借りていた。現在では、1国当たり金貨約880万枚になっている。手持ちで、残り全額返納は、無理なので、取り敢えず、3国だけ、全額返納することにした。残り3国は、もう1ケ月待って貰うことにした。
つぎに、ヤガータ国の災害について、ガーベラに詳しく聞いた。この国では、いくつかの災害が定期的に起こり、それに伴って、支援金の配布がされていた。税収がほとんどない状態で、支出のみ膨れ上がっている状態だ。そのため、大きな商店もすべて、資金を引き揚げてしまっている。
災害の1つは、地震だ。それほど、大きな地震ではないが、国民の大半が木造の家屋なので、すぐ、壊れてしまうようだ。事実、しっかりした建物の大半がそのまま残っている。ほとんどが、遺跡のような建物だ。つまり、昔建てられて建物は頑丈だったということになる。
もう1つの災害は、魔物の侵攻だ。これも、どうやら、定期的に起こっているようだ。
小さな国の割に、ダンジョンが多く、しかも、そのいずれもが、上級ダンジョンという危険なダンジョンだ。そこから、定期的に魔物が溢れ出す様だ。
最後の1つは、それほど被害が大きい訳ではないが、大雨による、土砂災害だ。というのも、この国では、農業すらまともでないので、荒れ地が荒れても、被害にならないという訳だ。
借金返済をガーベラと一緒に処理をした。ガーベラは、王宮に住んでいるので、私も王宮に住み続けることにした。便利なように、ガーベラの隣の部屋を借りた。
私は、自分の部屋で、これからの事を空想していた。なんだか、ワクワクしている。
「よくやって来た。こちらにどうぞ」
ミヤーコ王国の国王は、私達を近くに置いてあるテーブルに座るように手で示した。
「やっと、返済できる。これまで、待ってくれて、感謝する」
「なに、同じフラン連合国の一員じゃないか。当たり前だよ」
「そうだな、隣国でもあるな」
「それでは、早速、返済の手続きをしようか。お互い、暇だはないだろう」
「それでは、お願いする」
数名の官吏が、書類を持ってテーブルにやって来た。
「こちらに、サインをお願い致します」
両国の国王が書類にサインした。
「それでは、IDで、借金を入金してください」
「金貨5000万枚だね」
ウェーリィ王が確認のために声に出した。
「いいえ、違いますよ。金貨5500万枚です」
「えっ、どういうことだ」
「1月待ったじゃ無いですか。だから、利息が付いたのですよ」
「そんな、ばかな。通達の金額だとばかり、利息の事は、聞いていないぞ」
「はっ、はっ、はっ、そんなことは、常識ですよ。敢えて書かなくても」
「テラ、どうしよう」
「気にしないでください。払えばいいのです」
私は、官吏のIDに私のIDから、金貨5500万枚を移動した。
「確認してください」
「はい、確かに、入金されました」
「さあ、ウェーリィ王、帰りましょう」
ミヤーコ王国の国王は、思惑が外れて、言葉も無い様だった。おそらく、ウェーリィ王がギリギリの金貨を持ってくると思っていたのだろう。
ヤガータ国に戻って来た私達は、謁見の間で、話をした。
「ウェーリィ王、残りの借金もできるだけ、早く返した方がいいですよ」
「そうだな。利息があれほど大きいとは、思ってもいなかった」
「1年で、約3倍にもなりますよ。非常に高利でしたね」
「そうだ、残りの借金も借りて貰えないか」
「いいですよ。でも、今、手持ちがあまりないので、すべてを一括で返済は難しいですね」
「分かった。宰相を呼ぶので、今後の事を詰めてくれ。
それから、一つ頼みがある。わしの養子になってくれんか」
「ウェーリィ王には、子供はいないのですか?」
「そうだな。3人いるよ。男が2人、女が1人だ」
「そんなにいるなら、私を養子にする必要はないのでは?」
「いや、実務を任すことが出来る者が一人もいない。3人とも、全く、仕事をしないのだ」
「そうですか、それなら、仕事ができる役職でいいですよ」
「そうか、王族にせずとも、働いてくれるか」
「この国が普通の国になるまでなら、いいですよ」
「よし、わかった」意外
暫くして、宰相のガーベラがやって来た。可成り若い女性だった。少し、意外だった。もっと、年寄りを考えていたから。
「ウェーリィ王、お呼びですか」
「こちらが、テラだ。この度の借金返済では、多大な負担をして貰った」
「はい、存じております」
「そこで、この者をそちの傍で、働いて貰おうと思っている」
「私、一人では不満でしょうか」
「いや、そんなことはない。ガーベラは、いつも、よくやってくれている。しかし、金はないであろう」
「それは、これから、頑張って、…」
ガーベラは、言葉に詰まってしまった。すこし、息を整えているようだ。まだ、若い。感情に流されやすいようだ。
「はい、わかりました。それでは、我が国の伯爵になって貰います」
「よろしい。直ぐに手続きをしてくれ。それから、各所への通知もお願いする」
「はい、直ちに」
「よし、よし、これで、テラは、伯爵だ」
私は、伯爵がどういうものか、よく分かっていないが、貴族になれると思い、ウキウキした気分だった。
「はい、ウェーリィ王、ありがとうございます」
「これからも、この国のために、働いてくれ」
私は、宰相のガーベラとこの国の実情について、話し合った。
まず、借金だが、残りの国からは、一律金貨50万枚を借りていた。現在では、1国当たり金貨約880万枚になっている。手持ちで、残り全額返納は、無理なので、取り敢えず、3国だけ、全額返納することにした。残り3国は、もう1ケ月待って貰うことにした。
つぎに、ヤガータ国の災害について、ガーベラに詳しく聞いた。この国では、いくつかの災害が定期的に起こり、それに伴って、支援金の配布がされていた。税収がほとんどない状態で、支出のみ膨れ上がっている状態だ。そのため、大きな商店もすべて、資金を引き揚げてしまっている。
災害の1つは、地震だ。それほど、大きな地震ではないが、国民の大半が木造の家屋なので、すぐ、壊れてしまうようだ。事実、しっかりした建物の大半がそのまま残っている。ほとんどが、遺跡のような建物だ。つまり、昔建てられて建物は頑丈だったということになる。
もう1つの災害は、魔物の侵攻だ。これも、どうやら、定期的に起こっているようだ。
小さな国の割に、ダンジョンが多く、しかも、そのいずれもが、上級ダンジョンという危険なダンジョンだ。そこから、定期的に魔物が溢れ出す様だ。
最後の1つは、それほど被害が大きい訳ではないが、大雨による、土砂災害だ。というのも、この国では、農業すらまともでないので、荒れ地が荒れても、被害にならないという訳だ。
借金返済をガーベラと一緒に処理をした。ガーベラは、王宮に住んでいるので、私も王宮に住み続けることにした。便利なように、ガーベラの隣の部屋を借りた。
私は、自分の部屋で、これからの事を空想していた。なんだか、ワクワクしている。
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