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 第7章 テラ・ワールド編

703.ベルーナ大佐の依頼

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  私達は、ベルーナ大佐の依頼を果たすために、ヘノイ王国とソーロン帝国との国境付近にやって来た。

 私は、スキル探索で、レベル40以上の者がいないか、探した。すると、森の中の洞窟の中に5人発見した。

 次に、村以外で、人が多く集まっている処を探した。すると、100人以上が集まっている場所があった。

 そこは、農園の様だった。その農園の傍の建物に人が集まっていた。レベルは、かなり低かった。軍人ではなさそうだ。

 私達は、隠密魔法を起動して、まず、農園の建物に向かった。人々の近くに行って、会話を聞いた。

 「そろそろ、始めるのだろう」

 「まだ、指示h来ていない。焦るな」

 「本当に、武器を持って来てくれるのか」

 「そう、聞いている。そうでなければ、反乱なんて起こせないだろう」

 「俺たちだけってことは、ないだろうなぁ」

 「そんな訳ないだろう。支援軍が来ることになっている」

 「あの軍人達の話は、信用できるのか?」

 「仕方ないだろう。他に方法はないのだから」

 「せめて、あの穀物が売れれば、こんなことをしなくても済むのに」

 「そうだな。俺も、死ぬのは嫌だぜ」

 「当たり前だ、死にたい奴なんてここには、いない」

 どうも、軍人風の男たちが反乱を焚きつけているようだ。しかし、ソーロン帝国が、一方的に穀物の買い上げを止めたのだろう。そうでなければ、反乱なんて、焚きつけられてもしないだろう。

 黒幕の軍人風の男たちを探したいが、情報がなさすぎる。もう暫く、この農民たちを見張っていてもいいが、おそらく、大した情報は、得られそうにない。

 私は、遠隔投影接続器テレビジョン・コネクタの魔法陣を少しアレンジして、一方的に映像を流すようにした。つまり、監視カメラを作った。それを、農園の傍の建物に付けた。これで、もし、軍人風の男たちがやってきたら、分かるだろう。ついでに、建物の裏手に転移魔法用の魔法陣を描いておいた。

 次に、森の中の洞窟に向かった。ここでは、隠密魔法を解除して進んだ行った。洞窟に入る前に、転移魔法用の魔法陣を描いておいた。

 「すみません。誰かいませんか?」

 「誰だ、何の用だ」

 「おい、ジャールどうした?」

 「人がこっちに歩いてくる」

 「こんな、森の中の洞窟に、誰が来るっていうんだ」

 「でも、ほら、そこにいるよ」

 「こんばんは、私はテラと言います。横にいるのは、スピアです」

 「何しに来た」

 「ジャール、取り押さえろ」

 「はい、了解」

 ジャールという人が、私達に向かってきた。武器は使わないようだ。

 「ドリャー」

 ジャールが蹴って来たが、私は、避けた。

 「スピア、攻撃しないでね。怪我で済まなくなるから」

 「誰に、言っているんだ。ドリャー」

 また、蹴って来たが、私は、かわした。

 「こいつ、かわしたなあ」

 「ジャール、無理だよ。当たらないよ」

 「まだ、まだ。ドリャー」

 仕方がないので、私は、飛び蹴りをして来たジャールの足首を持って、振り回した。

 「おい、辞めてくれ。目が回る」

 「もう少し、回しますね」

 「おい、気分が悪くなってきた。止めてくれ」

 「はい、それでは、休憩してください」

 私は、ジャールを床に置いた。

 「おい、ジャールがやられたぞ」

 「メロール、どうする。可成り強いぞ」

 メロールがリーダの様だ。私と話すことにしたようだ。

 「俺が、話をする。手出しをするな」

 「「はい、了解」」

 「さて、私は、メロールという。この者たちのリーダーだ。用件を言ってくれ」

 「メロールは、元軍人だよね」

 「何を言ってる。軍服は着ていないぞ」

 「ふーん、でも、元中将だね。メロールって言った?」

 「何をバカな事を言っている。俺は、元軍人ではないぞ」

 「まあ、いいか。あなた達は、ここで何をしているの?」

 「俺たちか。俺たちは、ここでキャンプをしているだけだよ」

 「そうか、どうしても、本当の事を言ってくれないんだね。仕方がないから、ここで、倒してしまうね」

 「いや、本当だよ。信じてくれ」

 「私は、どうでもいいの。あなた達は、私の邪魔になりそうだから、ここで消えて貰うだけよ」

 「どうしても、やるっていうのか」

 「いいえ、あなたが本当の事を話せば、戦ったりしないわ」

 「だから、キャンプだって言ってるだろう」

 「スピア、倒してくれる」

 「うん。テラ、倒すよ」

 スピアが、5人全員を小突いて行った。それで、気絶したので、一カ所に集めて、縛り上げた。

 「ご苦労様、スピア、もういいよ」

 暫く、私は、手鏡を見ていた。まだ、何の変化もなかった。

 「おい、これをほどいてくれ」

 私達は、無視して、手鏡を覗いていた。

 「おい、聞こえてるだろう。俺たちを、自由にしろ」

 何度も、何度も、繰り返し叫んでいた。

 「うるさいなぁ。静かにしててよね」

 「だから、これをほどいてくれって、頼んだいるだろう」

 「うるさい、火球ファイア・ボール
 
 私は、彼らの目の前に大きな火の球を出して、脅した。

 「熱っ、辞めてくれ」

 「うるさいって、言ってるのに、次は、当てるよ」

 やっと、黙ってくれた。漸く、農園の方も、動きがあった。軍服を着た者達が、農園に現れた。

 これが、黒幕だろう。すぐに、転移魔法で農園に移動した。
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