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 第3章 従魔編

301.新しい装備

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 ジュナと別れた私は、店の2階で、狩って来た武器や装備や道具をチェックしていった。

 まずは、特級アイテムボックスに、これまでのアイテムボックスに入っていたものをすべて、入れ替えた。次に、普通の装備一式と剣と盾を一つの普通のアイテムボックスに入れた。それには、ポーション類も入れておいた。これを、通常戦闘用アイテムボックスと名付けた。すぐに分かるように、ピンク色を塗っておいた。

 次に、ガラクタを調べてみた。これらは、すべて、闇魔法の防御魔法が掛けられていて、鑑定が出来なかった。そこで、まず、光魔法で、解呪魔法を掛けてみた。

 すると、これまで、使えなかった鑑定が使える様になった。やはり、これらのガラクタは、魔道具だった。マナを流すことによって、魔力を帯びることが出来る。また、マナを流すことによって、魔法を発動することも出来た。

 外見も汚かったので、光魔法で、クリーンにした。更に、闇魔法で、防御魔法を掛け直しておいた。

 これらの魔道具を入れたアイテムボックスを黒色に塗っておいた。ポーション類も一揃い入れておいた。

 作業がひと段落したので、納入用の特殊アイテムボックスを作るための材料を集めることにした。

 いつも、魔石は冒険者ギルドに買い取って貰っていたので、手元にはあまり数がない。

 私は、店を開店する準備を完了させて、中級ダンジョンに潜った。

 また、いつも通りに、薬草を採取して、魔物を狩って行った。今日は、大きめの魔石を集めたいので、少し、下まで潜ることにした。

 いつもは、第8階層ぐらいで引き返すことが多いのだが、今日は、もっと、下まで行くことにした。

 できれば、ワーウルフを狩りたい。スキル探索で調べるとワーウルフの群れが、第11階層で見つかった。

 急いで、ワーウルフの群れまで、行って、群れが逃げないように、土魔法で、周りを壁で取り囲んだ。それから、ゆっくりと、ワーウルフを風魔法の風カッターで、狩って行った。

 ワーウルフをすべて刈り取ってから、土魔法で、壁を取り除いた。ダンジョンの天井までは、20mもあるが、ワーウルフは、ジャンプしても、5mぐらいしか飛び上がることができないので、囲むための壁は8mで十分だった。

 月に10個の特殊アイテムボックスの納入なので、もっと、狩っておきたかった。

 そこで、もう一度、スキル探索で調べることにした。まだ、この階層にワーウルフの群れがあったので、その群れを狩ることにした。先ほどと同じやり方だ、ワーウルフを狩り、魔石を回収できた。

 これで、少し、ゆとりができたかな。閉じ込めるための壁を取り除こうとしたとき、動きの素早い魔物が壁の中に入って来た。それは、ワーキャットだった。

 珍しい魔物なので、急いで、壁を取り除く代わりに、壁の高さを倍の16mにして、自分も含めて、完全に閉じ込めた。出入口を無くした。

 スキル探索で調べると、激しく動く魔物が見えた。動きが激しいので、表示が見辛い。

 そこで、私は、土魔法で、高い壁の上部を絞り、封鎖してから、壁を徐々に縮めて行った。

 土壁が半径2mぐらいの半球になった所で、もう一度、スキル探索で調べると、今度ははっきりとわーキャット(LV32)と分かった。

 これは、何としても従魔契約まで、達成したい。

 カマクラのような中で、光魔法で、明かりを灯した。

 目の前に、ワーキャットの姿が現れた。その名の通り、猫耳族の獣人であった。猫耳と尻尾のふわふわに見とれてしまった。

 暫く、ぼんやりしていると、急に攻撃された。鋭い爪で、引っ掻かれた。普通の鎧は、裂けてしまった。

 仕方がないので、闇魔法で身体を結界で囲んで、防御することにした。これで、ワーキャットの攻撃で、鎧が裂けることは無くなった。しかし、攻撃は、私にダメージを与えていた。鎧の防御力をワーキャットの攻撃力が上回っているようだ。そのままでも、大したダメージではないのだが、試しに、闇魔法の結界をもう一重増やしてみた。
 
 すると、今度は、ワーキャットの攻撃を完全に防ぐことが出来た。

 私は、ワーキャットが諦めるまで、好きに攻撃をさせてあげた。暫くすると、やっと諦めたようだ。

 私の目の前で、ワーキャットが大人しくしゃがんでいる。私は、ワーキャットに声を掛けてみた。

 「脅かして、ごめんなさい。あなたと仲良くなりたいの。私は、テラよ。あなたは?」

 ワーキャットは、話さない。ジーと、こちらを見ている。

 「話せないのかな? 私は、テラよ。テラ」

 やはり、反応がない。試しに思念伝達で、声を掛けてみた。
 
 「私は、テラ。あなたと仲良くなりたいの」

 「スピア」

 思念伝達で、話が出来るようだ。もう一度、思念伝達で、声を掛けた。

 「スピア、仲良くなりたい」

 「いいよ」

 「良かった」

 「私の従魔になって貰ってもいい?」

 「いいよ」

 私は、ゆっくり、スピアの所へ歩いて行き、頭の上に手を置いた。

 「スピア、あなたは、私の従魔」
 
 「私は、テラの従魔」

 私の手とスピアの間に光の輪が見えた。すると、私の手の甲にスピアの紋章が現れた。スピアにも私の紋章が現れた。しかし、毛で覆われているので、良く見えなかった。

 これで、従魔契約が完了したようだ。以前、賢者サビオに聞いていたように、従魔になりたいと思ってくれれば、特殊な魔法は必要がなく、従魔契約が完了するようだ。

 まさに、今回がそれにあたる。特に、魔法は起動していない。

 私には、新しい仲間スピアが出来た。スピアは、裸なので、今アイテムボックスに入っている私の服を着せた。でも、私の倍以上あるスピアには、小さいようで、着ることが出来ないようだ。

 仕方がないので、近くの草を使って、簡易の服を作って、スピアに着せてあげた。

 大した服ではないが、それでも、スピアは喜んでくれた。

 私は、土壁を取り除き、一度店に帰ることにした。私は、スピアの腰に抱き付き、転移魔法で店の地下まで移動した。

 「スピア、ちょっと、ここで待っていてね」

 私は、思念伝達で、スピアに声を掛けながら、店を飛び出した。近くの服屋に駆け込んで、適当な服を買って帰った。

 「お待たせ。これに着替えてみて」

 すると、スピアは、目の前で来ている物を脱ぎ捨て、私の手から新しい服を取ると着ていった。

 「よく似合うよ。スピア」

 私は、思念伝達で、スピアに声を掛けた。
 
 「うん。似合っている」

 スピアとは、うまくやれそうだ。嬉しくなって、私は、笑ってしまった。
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