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第2章 商人編
205. カメレオンになる
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私は、上級ダンジョンの情報を集めるために冒険者ギルドに行った。
「リンダ、こんにちわ」
「はい、テラ、こんにちは。お姉さんって、呼んでよ」
「あぁ、すみません。リンダ姉さん。また、教えてくれる?」
「いいよ、今度は、なに?」
「この近くのダンジョンについて、知りたいの。できれば、上級ダンジョンの場所やダンジョンの階層マップが欲しいの」
「そうねぇ。テラには、上級ダンジョンは、まだ、早いと思うけど、情報として知っておいてもいいね」
私は、リンダから、近くのダンジョンの情報と上級ダンジョンの情報を得た。
上級ダンジョンは、そんなに遠くないので、一度行ってみることにした。
ダンジョンの出入口に監視員がいた。私は、通行料金を払って、ダンジョンの中に入ろうとした。
「おい、どこへ行こうとしている。ここは、上級ダンジョンだぞ」
「私は、冒険者で、IDも持っていますよ」
「見せてみろ。なんだ、まだ、Eランクか。このダンジョンは、Cランクからでないと入れない」
「そうなんですか。だめですか?」
「だめだ。Cランクの冒険者と一緒であれば、いいがな」
「それは、パーティーでないといけないのですか?」
「いいや、パーティーでなくていいよ。
Cランクの冒険者が責任をもって、同行するなら通してやる。
だから、今日は帰れ」
「分かりました」
Cランクより下のランクでは、上級ダンジョンの中に入れて貰えないようだ。
今の、自分のランクを上げるか、それとも、どこかのパーティーに参加するしか、方法がないようだ。
なにか、いい方法はないのか、暫く、考えてみることにした。
仕方がないので、賢者サビオに聞いてみることにした。私は、思念伝達で、賢者サビオに連絡を取った。
「賢者サビオ、テラです」
「テラ、どうしたんじゃ」
「少し、教えて欲しいことがあるのですが、今、いいですか?」
「急ぐのか?」
「できれば、早く知りたいのですが、すみません」
「手短に言いなさい」
「はい、他の人に見えないようにできませんか」
「テラは、魂に成れるじゃろ。だったら、簡単じゃないか」
「いいえ、魂に戻るのではなく。そうですね。見つからないようにすることは出来ますか」
「ふむ、迷彩じゃな。カメレオンの様になればいいのだろう」
「あぁ、そうです」
私は、何か違うような感じがしながら、でも、取り敢えず、教えて貰っておこうと思った。
「闇魔法の光学迷彩魔法で、出来るぞ。今から言うから、しっかり、覚えなさい」
「はい、お願いします」
私は、賢者サビオに闇魔法の光学迷彩魔法を教えて貰った。後で、しっかりと、練習しよう。
「だがな、これでは、上位のランクの者には通用しない」
「えっ、どうしてですか? 見えないのでしょう?」
「達人が目を閉じてでも、戦えるということを知らぬか?」
「聞いた事はあります」
「そうか、テラでも、多少は、出来るだろう。目を閉じてみよ」
「はい、閉じました」
「テラ、集中しろ! 外界のマナを感じるのじゃ!」
「はい、なんとなく、気のようなものを感じます。マナの流れを感じることが出来ます」
「よし、よし、それじゃ。それで、光学迷彩魔法だけでは、だめなんじゃ」
「はい、納得しました。光学迷彩魔法だけでは、不十分なんですね」
「その通りじゃ。それじゃな」
「えっ、賢者サビオ、それも、教えてください」
「テラ、お前は何でも欲しがるなぁ。少しは、努力しろ!」
「すみません。次から、頑張りますから、それだけ、教えてください」
「仕方がないのぉ。今回だけだぞ。次はないぞ」
「はい、肝に銘じます」
「よし、よし、教えてやろう。それは、光魔法の魔力迷彩魔法じゃ」
「しっかり、聞きますので、お願いします」
私は、次に賢者サビオから、光魔法の魔力迷彩魔法を教えて貰った。
「それじゃ、テラ、頑張れよ」
「はい、賢者サビオもお元気で」
私は、賢者サビオに聞いた、2つの魔法を、何度も繰り返し練習した。
しっかり、覚えることが出来たので、これからは、意識しないでも魔法を起動することが出来る様になった。
「よし、実験だ。冒険者ギルドのリンダで、試してみよう」
私は、冒険者ギルドの前で、闇魔法の光学迷彩魔法を起動した。そして、静かに、冒険者ギルドの門を潜り、リンダの前に立った。生憎、リンダは、後ろを向いていたので、顔を合わすことが出来なかった。
「あら、テラ、どうしたの?」
「えっ、リンダは、後ろに目が付いているの?」
「そんなわけないでしょ」
リンダは、クルリっと後ろを向いた。しかし、そこには、テラの姿はなかった。
「あれ、可笑しいな。テラが居たと思ったのに。隠れていないで、出て来てよ!」
リンダは、少し怒ったように、大きな声を出した。やはり、猫耳族のリンダには、私を感じることが出来るようだ。光学迷彩魔法だけでは、だめだ。
私は、続いて、光魔法の魔力迷彩魔法を起動した。
「ん、テラ、本当に消えた。ん、やっぱり、テラ、居る」
「あれ、リンダには、私がいること、わかるの? 見えないし、感じないでしょ」
「うん、見えないし、感じないけど、でも、匂いは残っている。テラの匂い」
「そうか、匂いか。こりゃ参った。リンダには、参った」
これでは、完全ではないのか。五感をなんとか、封じないとだめだ。
「まだ、まだ、勉強が足らないなぁ。でも、暫くは、賢者サビオに聞けないしね」
私は、苦手な考えることをやってみようと、思った。
「リンダ、こんにちわ」
「はい、テラ、こんにちは。お姉さんって、呼んでよ」
「あぁ、すみません。リンダ姉さん。また、教えてくれる?」
「いいよ、今度は、なに?」
「この近くのダンジョンについて、知りたいの。できれば、上級ダンジョンの場所やダンジョンの階層マップが欲しいの」
「そうねぇ。テラには、上級ダンジョンは、まだ、早いと思うけど、情報として知っておいてもいいね」
私は、リンダから、近くのダンジョンの情報と上級ダンジョンの情報を得た。
上級ダンジョンは、そんなに遠くないので、一度行ってみることにした。
ダンジョンの出入口に監視員がいた。私は、通行料金を払って、ダンジョンの中に入ろうとした。
「おい、どこへ行こうとしている。ここは、上級ダンジョンだぞ」
「私は、冒険者で、IDも持っていますよ」
「見せてみろ。なんだ、まだ、Eランクか。このダンジョンは、Cランクからでないと入れない」
「そうなんですか。だめですか?」
「だめだ。Cランクの冒険者と一緒であれば、いいがな」
「それは、パーティーでないといけないのですか?」
「いいや、パーティーでなくていいよ。
Cランクの冒険者が責任をもって、同行するなら通してやる。
だから、今日は帰れ」
「分かりました」
Cランクより下のランクでは、上級ダンジョンの中に入れて貰えないようだ。
今の、自分のランクを上げるか、それとも、どこかのパーティーに参加するしか、方法がないようだ。
なにか、いい方法はないのか、暫く、考えてみることにした。
仕方がないので、賢者サビオに聞いてみることにした。私は、思念伝達で、賢者サビオに連絡を取った。
「賢者サビオ、テラです」
「テラ、どうしたんじゃ」
「少し、教えて欲しいことがあるのですが、今、いいですか?」
「急ぐのか?」
「できれば、早く知りたいのですが、すみません」
「手短に言いなさい」
「はい、他の人に見えないようにできませんか」
「テラは、魂に成れるじゃろ。だったら、簡単じゃないか」
「いいえ、魂に戻るのではなく。そうですね。見つからないようにすることは出来ますか」
「ふむ、迷彩じゃな。カメレオンの様になればいいのだろう」
「あぁ、そうです」
私は、何か違うような感じがしながら、でも、取り敢えず、教えて貰っておこうと思った。
「闇魔法の光学迷彩魔法で、出来るぞ。今から言うから、しっかり、覚えなさい」
「はい、お願いします」
私は、賢者サビオに闇魔法の光学迷彩魔法を教えて貰った。後で、しっかりと、練習しよう。
「だがな、これでは、上位のランクの者には通用しない」
「えっ、どうしてですか? 見えないのでしょう?」
「達人が目を閉じてでも、戦えるということを知らぬか?」
「聞いた事はあります」
「そうか、テラでも、多少は、出来るだろう。目を閉じてみよ」
「はい、閉じました」
「テラ、集中しろ! 外界のマナを感じるのじゃ!」
「はい、なんとなく、気のようなものを感じます。マナの流れを感じることが出来ます」
「よし、よし、それじゃ。それで、光学迷彩魔法だけでは、だめなんじゃ」
「はい、納得しました。光学迷彩魔法だけでは、不十分なんですね」
「その通りじゃ。それじゃな」
「えっ、賢者サビオ、それも、教えてください」
「テラ、お前は何でも欲しがるなぁ。少しは、努力しろ!」
「すみません。次から、頑張りますから、それだけ、教えてください」
「仕方がないのぉ。今回だけだぞ。次はないぞ」
「はい、肝に銘じます」
「よし、よし、教えてやろう。それは、光魔法の魔力迷彩魔法じゃ」
「しっかり、聞きますので、お願いします」
私は、次に賢者サビオから、光魔法の魔力迷彩魔法を教えて貰った。
「それじゃ、テラ、頑張れよ」
「はい、賢者サビオもお元気で」
私は、賢者サビオに聞いた、2つの魔法を、何度も繰り返し練習した。
しっかり、覚えることが出来たので、これからは、意識しないでも魔法を起動することが出来る様になった。
「よし、実験だ。冒険者ギルドのリンダで、試してみよう」
私は、冒険者ギルドの前で、闇魔法の光学迷彩魔法を起動した。そして、静かに、冒険者ギルドの門を潜り、リンダの前に立った。生憎、リンダは、後ろを向いていたので、顔を合わすことが出来なかった。
「あら、テラ、どうしたの?」
「えっ、リンダは、後ろに目が付いているの?」
「そんなわけないでしょ」
リンダは、クルリっと後ろを向いた。しかし、そこには、テラの姿はなかった。
「あれ、可笑しいな。テラが居たと思ったのに。隠れていないで、出て来てよ!」
リンダは、少し怒ったように、大きな声を出した。やはり、猫耳族のリンダには、私を感じることが出来るようだ。光学迷彩魔法だけでは、だめだ。
私は、続いて、光魔法の魔力迷彩魔法を起動した。
「ん、テラ、本当に消えた。ん、やっぱり、テラ、居る」
「あれ、リンダには、私がいること、わかるの? 見えないし、感じないでしょ」
「うん、見えないし、感じないけど、でも、匂いは残っている。テラの匂い」
「そうか、匂いか。こりゃ参った。リンダには、参った」
これでは、完全ではないのか。五感をなんとか、封じないとだめだ。
「まだ、まだ、勉強が足らないなぁ。でも、暫くは、賢者サビオに聞けないしね」
私は、苦手な考えることをやってみようと、思った。
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