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第4章 教会(対決)編
72.第2の教皇
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勇者召喚を行うことが出来るのは、ザーセン王国だけだと分かっている。だから、ザーセン王国に教会の教皇がいると思っていた。
しかし、今回、教皇と思って、探っていた人物が、ほとんど魔力を持たない普通の人間であった。多くの神殿長や神官の頂点に立つ人物が光魔法を使えない、あるいは、強大な魔力量を持っていないなどと言うことは、考えられない。
私の予想は、魔人にも匹敵するような魔力量を持つ人物だ。
私は、ザーセン王国の広範囲に対してスキル探索を使ってみた。魔人に匹敵する人物なら、国全体に対しての調査でも知ることができるだろう。
すると、都市部の神殿では、反応がなかったのに、ウディーア王国の国境近くの神殿で反応があった。そこは、森林や上級ダンジョンの近くにある神殿で、都市部の神殿に比べると規模も5分の1程度のみすぼらしいものだ。
私は、パープルに頼んで、そこまで、運んで貰うことにした。
今回も、当然、隠密魔法で、姿を消している。
私は、目的地近くに到着した時に、もう一度、スキル探索を使った見た。今度は、目的に建物だけを精査した。
すると、神官らしき者が3人と神殿長らしき者が1人いることが分かった。そして、強力な魔力を持つものは、地下室にいた。その者の魔力は魔人に匹敵しているが、明らかに魔人ではなかった。
「キリ、着いたよ」
私達は、目的の神殿の前に到着した。神殿であることを知らないと田舎の冒険者ギルドと間違えそうだった。
私達は、姿を消したまま、神殿の中に入って、地下の部屋に潜り込んだ。
「誰だ!」
姿を消した居たのに、いきなり、見つかったようだ。私達に向かって、声を出して来た。
「へぇ、分かるの?」
「私は、闇魔法には、敏感なの」
「それでバレたのか」
「私に用事でもあるの?」
私は、隠密魔法を解いて、姿を現した。
「君は、凄い魔力持ちだね」
「あら、貴方に分かるの?」
「それだけ、強大な魔力量なら、分るよ。魔力が垂れ流れているよ」
「私も、まだまだね。これでも、外に漏れないように押さえているのよ」
「何故、こんな田舎に閉じこもっているの? 都会に出れば、もっと、活躍できるだろうに」
「そうね。そうかもね」
「光属性か、うーん、それ以外も出来るみたいだね」
私は、スキル鑑定で、調べて見た。
「あまり、じろじろ見ないでよ」
「すまない。これだけ強大な魔力量を持つ者に会うのは、久しぶりなんだ」
「そうなの。それなら、仕方がないわね」
「暇なら、私と付き合わないか?」
「あら、それって、デートの誘い?」
「いいや、そうじゃないよ」
「なーんだ、残念」
私は、光魔法で、明かりを灯した。これまで、ほとんど真っ暗な中で、話をしていたが、灯りを灯したことで、相手の姿がはっきり見えた。
「急に、灯りを灯さないでよ。暗い部屋に慣れているから、びっくりしたじゃない」
「あっ、すまない」
私は、灯りを少し、絞った。それでも、部屋の様子や着ている物などはっきりと分かった。
相手は、10歳程度の子供に見えた。髪の毛で隠しているが、どうやらエルフのようだ。そうすると、見た目以上に年齢は上かもしれない。
「女性に年齢を聞いたらだめかな?」
「いいわよ。私、気にしないから」
「それで、何歳?」
「自分でも、よく分からないの。最近は、歳を数えていないから。でも、100才は、越しているわね」
「そうか、私より、年上だね。言葉遣いは、買えた方がいい?」
「それも、気にしないから、今のままで、いいわよ」
「僕は、強力な魔力を持つものがいると思って、ここまで、やって来たんだ」
「私を見て、どう思ったの?」
「そうだね。当てが外れたよ。もっと、邪悪な存在がいると思っていたんだ。でも、実際は、幼い少女のように見えるから」
「そうね。そう見えるだけね。本当は、邪悪な存在かも」
ここで、教皇のことを聞いても、おそらく、はぐらされるだろう。私の本来に目的を隠すために、適当に話して、帰るのがよさそうだ。
「お邪魔したね。それじゃ、失礼するよ」
「あら、もう帰るの? 久しぶりの来客で、喜んでいたのに」
「縁があれば、また、会えるよ」
「そうね」
私は、部屋を出て、転移魔法を使わずに、パープルの背に乗って、軍港まで、帰った。途中で、神殿近くのダンジョンの中に転移魔法用の魔法陣を描いて、隠しておいた。
「パープル、どう思った?」
「ちょっと、ヤバいかも」
「そうか。パープルも、感じたか。光魔法が使える割に、闇魔法にも精通しているように、感じられた」
「うん。闇魔法も使えるかも」
「そうかも、魔人に近い感じがしたよ」
「うん。感じた」
私は、ミユに思念伝達で、連絡を取った。そして、今、出会ったエルフについて、報告をした。
「キリ、直ぐに戻って来て!」
「ミユ、どうしたの?」
「例の王宮の横にある神殿で、捕らえたはずの教皇が戻っているの」
「そんなはずは、無いわ。今は、尋問している所よ」
「だから、キリ自身の目で確かめて欲しいの。だから、直ぐに戻って来て!」
「分かった。直ぐに、戻るわ」
私は、転移魔法で、ミユの居る城まで移動した。ミユって、変な事を言うわね。しっかり、確かめるわ。
しかし、今回、教皇と思って、探っていた人物が、ほとんど魔力を持たない普通の人間であった。多くの神殿長や神官の頂点に立つ人物が光魔法を使えない、あるいは、強大な魔力量を持っていないなどと言うことは、考えられない。
私の予想は、魔人にも匹敵するような魔力量を持つ人物だ。
私は、ザーセン王国の広範囲に対してスキル探索を使ってみた。魔人に匹敵する人物なら、国全体に対しての調査でも知ることができるだろう。
すると、都市部の神殿では、反応がなかったのに、ウディーア王国の国境近くの神殿で反応があった。そこは、森林や上級ダンジョンの近くにある神殿で、都市部の神殿に比べると規模も5分の1程度のみすぼらしいものだ。
私は、パープルに頼んで、そこまで、運んで貰うことにした。
今回も、当然、隠密魔法で、姿を消している。
私は、目的地近くに到着した時に、もう一度、スキル探索を使った見た。今度は、目的に建物だけを精査した。
すると、神官らしき者が3人と神殿長らしき者が1人いることが分かった。そして、強力な魔力を持つものは、地下室にいた。その者の魔力は魔人に匹敵しているが、明らかに魔人ではなかった。
「キリ、着いたよ」
私達は、目的の神殿の前に到着した。神殿であることを知らないと田舎の冒険者ギルドと間違えそうだった。
私達は、姿を消したまま、神殿の中に入って、地下の部屋に潜り込んだ。
「誰だ!」
姿を消した居たのに、いきなり、見つかったようだ。私達に向かって、声を出して来た。
「へぇ、分かるの?」
「私は、闇魔法には、敏感なの」
「それでバレたのか」
「私に用事でもあるの?」
私は、隠密魔法を解いて、姿を現した。
「君は、凄い魔力持ちだね」
「あら、貴方に分かるの?」
「それだけ、強大な魔力量なら、分るよ。魔力が垂れ流れているよ」
「私も、まだまだね。これでも、外に漏れないように押さえているのよ」
「何故、こんな田舎に閉じこもっているの? 都会に出れば、もっと、活躍できるだろうに」
「そうね。そうかもね」
「光属性か、うーん、それ以外も出来るみたいだね」
私は、スキル鑑定で、調べて見た。
「あまり、じろじろ見ないでよ」
「すまない。これだけ強大な魔力量を持つ者に会うのは、久しぶりなんだ」
「そうなの。それなら、仕方がないわね」
「暇なら、私と付き合わないか?」
「あら、それって、デートの誘い?」
「いいや、そうじゃないよ」
「なーんだ、残念」
私は、光魔法で、明かりを灯した。これまで、ほとんど真っ暗な中で、話をしていたが、灯りを灯したことで、相手の姿がはっきり見えた。
「急に、灯りを灯さないでよ。暗い部屋に慣れているから、びっくりしたじゃない」
「あっ、すまない」
私は、灯りを少し、絞った。それでも、部屋の様子や着ている物などはっきりと分かった。
相手は、10歳程度の子供に見えた。髪の毛で隠しているが、どうやらエルフのようだ。そうすると、見た目以上に年齢は上かもしれない。
「女性に年齢を聞いたらだめかな?」
「いいわよ。私、気にしないから」
「それで、何歳?」
「自分でも、よく分からないの。最近は、歳を数えていないから。でも、100才は、越しているわね」
「そうか、私より、年上だね。言葉遣いは、買えた方がいい?」
「それも、気にしないから、今のままで、いいわよ」
「僕は、強力な魔力を持つものがいると思って、ここまで、やって来たんだ」
「私を見て、どう思ったの?」
「そうだね。当てが外れたよ。もっと、邪悪な存在がいると思っていたんだ。でも、実際は、幼い少女のように見えるから」
「そうね。そう見えるだけね。本当は、邪悪な存在かも」
ここで、教皇のことを聞いても、おそらく、はぐらされるだろう。私の本来に目的を隠すために、適当に話して、帰るのがよさそうだ。
「お邪魔したね。それじゃ、失礼するよ」
「あら、もう帰るの? 久しぶりの来客で、喜んでいたのに」
「縁があれば、また、会えるよ」
「そうね」
私は、部屋を出て、転移魔法を使わずに、パープルの背に乗って、軍港まで、帰った。途中で、神殿近くのダンジョンの中に転移魔法用の魔法陣を描いて、隠しておいた。
「パープル、どう思った?」
「ちょっと、ヤバいかも」
「そうか。パープルも、感じたか。光魔法が使える割に、闇魔法にも精通しているように、感じられた」
「うん。闇魔法も使えるかも」
「そうかも、魔人に近い感じがしたよ」
「うん。感じた」
私は、ミユに思念伝達で、連絡を取った。そして、今、出会ったエルフについて、報告をした。
「キリ、直ぐに戻って来て!」
「ミユ、どうしたの?」
「例の王宮の横にある神殿で、捕らえたはずの教皇が戻っているの」
「そんなはずは、無いわ。今は、尋問している所よ」
「だから、キリ自身の目で確かめて欲しいの。だから、直ぐに戻って来て!」
「分かった。直ぐに、戻るわ」
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