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第4章 教会(対決)編
66.影の支配者
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私達は、教会と対抗できるほどの力を得ようとした。そのため、リーグリ王国での神殿長の権力の低下を狙って治療院や孤児院の活動を活発化していった。
神殿は、これまで、光魔法で神官が治療して、お布施を頂いたり、孤児を引き取って、里子として貴族に出す代わりにお布施を貰っていた。そのお布施が、減少しては、キリを目の敵にすることになるのだが、キリやミユがお布施として、減少分を上回る額を収めていたので、神殿長は、特に気にすることはなかった。
以前、キリがダンジョンの崩落事故で、死にかけたと噂を流した時、捕らえた者達は、隠密チームによって、神殿長の手先のもので、神殿に勤務する神官であることが分かっている。そして、彼らを神殿に返す代わりに、隠密チームが成りすまして、神殿の中に潜り込んでいた。
私は、神殿に潜り込んでいる隠密チームのリーダであるエプリに思念伝達で連絡を取った。
「キリ、だけど、今、話せるか?」
「はい、大丈夫です」
「これまでで、組織に関することは十分に情報が得られているが、勇者召喚について、情報が少ない。至急集めてくれないか」
「はい、分りました。それから、以前に依頼されていた、我々の仲間になりそうな神官ですが、既に10数人内諾を取っています。まだまだ、増えそうです」
「そちらの方は、時間を掛けても良いから、こちらの情報は流さないように用心してくれ」
「はい、大丈夫です」
「それから、光魔法が使える神官の名前のリストが欲しい。できれば、似顔絵付きで」
「はい、分りました。早速、用意します」
「それから、宝物庫に収められている神具のリストも、その用法も含めて、詳細に作って欲しい」
「分かりました」
私は、エプリとの思念伝達を切った。
「神殿内部に送り込んで、隠密チームは、よく働いてくれている。これなら、神殿関係は、任せておいても良いかもね」
思わず、独り言で、本音を言ってしまった。すると、後ろから、声が聞こえた
「キリ、何をにやにやしているの?」
私の事をじっと見ていたミユが私に声を掛けて来た。
「ミユ、いつから、居たの?」
「最初からよ。キリが、隠密チームに連絡を取っているときから」
「最初に、声を掛けてよ。ビックリしたわ」
「キリは、最近、独り言が増えた?」
「そんなことはないわ。今のは、思わずよ。いつもは、静かな物よ」
「本当?」
ミユは、私の顔を覗き込んで来た。いかにも、疑わしいって、顔をしている。
「もう、やめてよね」
私は、ミユに抱き付いて、下から、見られないようにした。
「あらあら、お姉さんに甘えているの?」
「そんなことはないわ」
私は、ミユのふくよかな身体に顔を埋めて、恥ずかしそうにしている顔を隠した。
「いいのよ。私は、キリに甘えて欲しいわ」
「本当? 本当に甘えるわよ」
「いいわよ」
まるで、争いごとなど、一切ないように、久しぶりにミユに甘えることが出来た。こんな時間が、いつもだったらいいのに。
「キリ、今は、軍隊の方は、どれだけ、準備ができているの?」
「どうして、気になるの? どこかで、戦争でも起こるの?」
「私達の大陸には、6つの大国があるわ。その中でも、ザーセン王国は、もっとも、巨大よ」
「知っているわ。人口20万人と、大国最大の人口と経済力を誇っているわ。それに、軍隊も、強大ね」
「そうよ。今、私達の最大の強敵は、リーグリ王国の隣国であるザーセン王国というわけよ」
「それに、ザーセン王国に対しては、これまで、まだ、図書のデータベースだけで、その他の事は、手つかずの状態ね」
「だから、ザーセン王国に対応できるように、軍事力を持っておかないといけないと思うの」
「ミユ、それなら、ザーセン王国の国境付近に地下基地を造って行く?」
「そうね。キリは、今、その余裕があるの?」
「私なら、 大丈夫よ。パープルの背に乗って、一周回って来るだけよ。でも、国王に許可を取っておかないといけないわ」
「それなら、ウディーア王国との国境から始めてくれる?」
「いいの、直ぐに動くよ?」
「ウディーア王国は、私の言いなりよ。大丈夫よ」
「分かったわ」
私は、パープルの背に乗って、ウディーア王国との国境に向かった。そして、国境に着くなり、高さ30mほどの塀を張り巡らせた。
それから、適当な感覚で、地下基地を造っていった。国境の始まりと終わりに1つずつ、それから、その2つの基地から等距離に3個の地下基地を造った。
「取り敢えず、これで、入れ物だけは設置できたわ。それに、転移魔法用の魔法陣をすべての基地に描いておいたから、他の基地からマナドール兵士を送り込むことも簡単にできるわ」
「キリ、帰る?」
「そうね。ついでだから、トード王国との国境にも、地下基地だけを造っておくわ。地下基地なら、見つからないから」
「うん。頑張る」
「お願いね」
パープルの背に乗って、また、地下基地を設置していった。先ほどと同様の方法で、国境の両端に1つずつ、それから、等距離の感覚で、3つの地下基地を設置した。
「これで、完了ね」
「うん。帰るよ」
「はい」
私は、パープルの背に乗ったまま、転移魔法で、ミユのいる城まで、移動した。
神殿は、これまで、光魔法で神官が治療して、お布施を頂いたり、孤児を引き取って、里子として貴族に出す代わりにお布施を貰っていた。そのお布施が、減少しては、キリを目の敵にすることになるのだが、キリやミユがお布施として、減少分を上回る額を収めていたので、神殿長は、特に気にすることはなかった。
以前、キリがダンジョンの崩落事故で、死にかけたと噂を流した時、捕らえた者達は、隠密チームによって、神殿長の手先のもので、神殿に勤務する神官であることが分かっている。そして、彼らを神殿に返す代わりに、隠密チームが成りすまして、神殿の中に潜り込んでいた。
私は、神殿に潜り込んでいる隠密チームのリーダであるエプリに思念伝達で連絡を取った。
「キリ、だけど、今、話せるか?」
「はい、大丈夫です」
「これまでで、組織に関することは十分に情報が得られているが、勇者召喚について、情報が少ない。至急集めてくれないか」
「はい、分りました。それから、以前に依頼されていた、我々の仲間になりそうな神官ですが、既に10数人内諾を取っています。まだまだ、増えそうです」
「そちらの方は、時間を掛けても良いから、こちらの情報は流さないように用心してくれ」
「はい、大丈夫です」
「それから、光魔法が使える神官の名前のリストが欲しい。できれば、似顔絵付きで」
「はい、分りました。早速、用意します」
「それから、宝物庫に収められている神具のリストも、その用法も含めて、詳細に作って欲しい」
「分かりました」
私は、エプリとの思念伝達を切った。
「神殿内部に送り込んで、隠密チームは、よく働いてくれている。これなら、神殿関係は、任せておいても良いかもね」
思わず、独り言で、本音を言ってしまった。すると、後ろから、声が聞こえた
「キリ、何をにやにやしているの?」
私の事をじっと見ていたミユが私に声を掛けて来た。
「ミユ、いつから、居たの?」
「最初からよ。キリが、隠密チームに連絡を取っているときから」
「最初に、声を掛けてよ。ビックリしたわ」
「キリは、最近、独り言が増えた?」
「そんなことはないわ。今のは、思わずよ。いつもは、静かな物よ」
「本当?」
ミユは、私の顔を覗き込んで来た。いかにも、疑わしいって、顔をしている。
「もう、やめてよね」
私は、ミユに抱き付いて、下から、見られないようにした。
「あらあら、お姉さんに甘えているの?」
「そんなことはないわ」
私は、ミユのふくよかな身体に顔を埋めて、恥ずかしそうにしている顔を隠した。
「いいのよ。私は、キリに甘えて欲しいわ」
「本当? 本当に甘えるわよ」
「いいわよ」
まるで、争いごとなど、一切ないように、久しぶりにミユに甘えることが出来た。こんな時間が、いつもだったらいいのに。
「キリ、今は、軍隊の方は、どれだけ、準備ができているの?」
「どうして、気になるの? どこかで、戦争でも起こるの?」
「私達の大陸には、6つの大国があるわ。その中でも、ザーセン王国は、もっとも、巨大よ」
「知っているわ。人口20万人と、大国最大の人口と経済力を誇っているわ。それに、軍隊も、強大ね」
「そうよ。今、私達の最大の強敵は、リーグリ王国の隣国であるザーセン王国というわけよ」
「それに、ザーセン王国に対しては、これまで、まだ、図書のデータベースだけで、その他の事は、手つかずの状態ね」
「だから、ザーセン王国に対応できるように、軍事力を持っておかないといけないと思うの」
「ミユ、それなら、ザーセン王国の国境付近に地下基地を造って行く?」
「そうね。キリは、今、その余裕があるの?」
「私なら、 大丈夫よ。パープルの背に乗って、一周回って来るだけよ。でも、国王に許可を取っておかないといけないわ」
「それなら、ウディーア王国との国境から始めてくれる?」
「いいの、直ぐに動くよ?」
「ウディーア王国は、私の言いなりよ。大丈夫よ」
「分かったわ」
私は、パープルの背に乗って、ウディーア王国との国境に向かった。そして、国境に着くなり、高さ30mほどの塀を張り巡らせた。
それから、適当な感覚で、地下基地を造っていった。国境の始まりと終わりに1つずつ、それから、その2つの基地から等距離に3個の地下基地を造った。
「取り敢えず、これで、入れ物だけは設置できたわ。それに、転移魔法用の魔法陣をすべての基地に描いておいたから、他の基地からマナドール兵士を送り込むことも簡単にできるわ」
「キリ、帰る?」
「そうね。ついでだから、トード王国との国境にも、地下基地だけを造っておくわ。地下基地なら、見つからないから」
「うん。頑張る」
「お願いね」
パープルの背に乗って、また、地下基地を設置していった。先ほどと同様の方法で、国境の両端に1つずつ、それから、等距離の感覚で、3つの地下基地を設置した。
「これで、完了ね」
「うん。帰るよ」
「はい」
私は、パープルの背に乗ったまま、転移魔法で、ミユのいる城まで、移動した。
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