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第3章 教会(陰謀)編

52.勇者パーティのランクアップ

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 ダミーの勇者パーティを「ホワイト ドラゴン」として、冒険者登録を終えた。でも、実際は、私とパープルの2人だけで、行動しないといけないみたい。以前みたいにパーティ活動ができると期待してたのに、残念。

 ミユの考えでは、少し時間が掛かっても、このパーティをSランクまで、上げておきたいみたい。

 「それじゃ、まず、魔物を狩って、ランク上げをしてね」

 「はい、はい」

 「キリ、真面目にやってよ」

 「分かっているわ」

 私とパープルで、初級ダンジョンに潜って、魔物を狩りまくった。まずは、数で勝負よ。

 数時間で、ゴブリンとオークを各100体ほど狩って冒険者ギルドに向かった。

 「今回の収穫よ。ここに出していい?」

 受付の女性に私は、声を掛けた。

 「はい。どうぞ」

 私は、アイテムボックスの中に入っている魔物の証拠品をテーブルの上にぶちまけた。

 「えっー、こんなにあるのですか?」

 受付のノーバは、驚いてしまったようだ。一度に大量の魔物の証拠品を持ち込まれたことは、ななかったのだろ。

 「少し待って居てください」

 私がぶちまけた証拠品を整理するのに、ノーバは、忙しく動き回った。暫くして、テーブルの上が整理された。

 「どうも、失礼しました」

 受付のノーバが、待たせたことを謝った。でも、これって、私がわざとやったことなので、私の方が恥ずかしくなってしまったわ。

 「いえ、私の方こそ、数を予め言っておいたら良かったです。すみません」

 「気にしないでください。これが、仕事ですから」

 「それでは、冒険者IDを預かります」

 「あの、パーティの収穫なので、パーティのIDでいいですか?」

 「そうですか。パーティ登録されているのですね」

 「はい」

 私は、つい最近作ったばかりのパーティ用の冒険者IDをノーバに渡した。

 「はい、確かに。えっ、まだ、Fランクですか」

 「つい、この間登録したばかりなので」

 「今回の分で、1ランク上がりました。次は、もう少し強い魔物を対象にしてもいいですよ」

 「今、パーティのランク上げを目標にしているのです。お薦めの魔物はありませんか?」

 「そうですね。今、依頼が入っているものがあるのですが、これだと、1つで、1ランクアップできます」

 「引き受けます。是非とも、受けたいです」

 「それでは、こちらをどうぞ」

 私は、ノーバから、依頼書を受け取った。それは、森の中に潜んでいる盗賊の拠点の壊滅の依頼だった。

 私達は、冒険者ギルドを出て、直ぐに、盗賊の拠点に向かった。パープルの背に乗っての移動で、直ぐに到着した。

 「盗賊の拠点の破壊だけが依頼だけど、ついでに、捕まえようか」

 「うん、捕まえる」

 私は、直ぐに闇魔法の結界で盗賊の拠点を覆って、盗賊が逃げ出せないようにした。

 「それじゃ、パープル、お願いね」

 「うん」

 パープルは、盗賊の拠点の中に入ると1人ずつ、丁寧に気絶させていった。およそ30名はいた盗賊が、あっという間に、中央に仲良く並んで、寝ていた。

 「ありがとう」

 私は、パープルの頭を撫でながら、土魔法で盗賊を拘束した。そして、全員を転移魔法で、冒険者ギルドの近くに移動した。次に、風魔法で、全員を浮かしながら、冒険者ギルドの中に連れて行った。

 「すみません」

 私達を見ていたノーバが驚いて、私の所に走って来た。

 「キリさん、これは、何ですか?」

 「えっ、依頼のあった盗賊ですよ。言われていた場所にあった拠点から連れてきました」

 「盗賊を捕まえる必要はなかったのですが、・・・」

 私も、追い払うだけだと分かっていたけどね。

 「ギルド長を呼んできます。お待ちください」

 ノーバは、奥に走って行った。そして、ギルド長を連れて、直ぐに戻って来た。

 「キリ様、私は、この冒険者ギルドのギルド長のフェブリといいます」

 「私は、キリよ。こっちがパープルね」

 「この度は、当方の依頼を迅速に対応していただき感謝しています」

 「いえ、依頼された内容より、少し、変わりましたが、問題ないですね」

 「はい、勿論です。それで、報酬の方ですが、依頼は、盗賊を追い払うだけなので、少ないのですが、その分ランクアップに回させて頂きます。それで、よろしいですか?」

 「はい、その方がありがたいです」

 「それでは、通常1ランクアップの所を2ランクアップとさせていただきます」

 「ありがとうございます」

 これで、EランクだったパーティのランクがCランクになった。

 「まだ、時間があるので、追加の依頼を受けたいのですが、いいですか?」

 「分かりました。暫く、お待ちください」

 ギルド長のフェブリは、ノーバに何やら声を掛けて、依頼書を用意させた。

 「こちらです。どうですか?」

 「これで、また、ランクアップできますか?」

 「勿論です。最低でも、1ランクアップは、確実です。内容によっては、更にランクアップできます」

 「それで、期限は、何時までですか?」

 「特に、期限はありません」

 「分かりました。引き受けます」

 私達は、依頼書を受け取り、直ぐに、その場所に移動した。そこは、小さな村だったが、すっかり荒れ果てており、人が住んでいたとは、思えないほどだった。
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