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第2章 領主編
27.トード王国の軍港
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ローザの働きで、ウディーア王国の北側の海岸沿いは、すべて私達の領地として、買い取ることが出来たわ。
そして、その場所に漁港や漁村を造り、漁民を多数受け入れて来たの。また、警護には、マナドール兵士を配置させたわ。
漁民の村が栄えると共に、近くに自然発生的に市場ができ、色々な物が流通し始めたの。
隣の国のトード王国からは、貿易のお誘いがあったわ。国王の許可を貰って、船での貿易を始めたの。
特に、塩は、格安の金額で輸出することが出来たわ。暫くすると、トード王国の製塩工場は、廃業となり、塩はすべて、キリ商店からの輸入に頼るようになったわ。
トード王国は、人口3万人の小さな国で、街の数も多くないの。そのために、イーゼル王国の軍船によって、たびたび、攻撃を受けていた。
トード王国との塩の貿易をするようになってド-トムントの商業ギルド長のショーバがたびたび、漁港に訪れた。
「キリ殿、軍港もあるのですね」
「えぇ、形だけの物ですが、イーゼル王国に対抗するために造りました」
「イーゼル王国ですって! それで、攻撃をされたことはないのですか?」
「勿論、ありませんよ」
私は、念のためにカルロスを呼び寄せた。
「カルロス、こちらは、トード王国の商業ギルド長をしているショーバです。隣のイーゼル王国から攻撃を受けたことはあるか、訊きたいそうだ」
「攻撃を受けたことはありません。しかし、我が領海に侵入しようとしたことがあったので、我々の軍船で、追い返してやりました」
「そうか。ありがとう」
「キリ殿、軍船を見せて貰ってもいいですか?」
「ああ、いいですよ。カルロス、案内してあげてくれるかな」
「はい」
カルロスは、ショーバを連れて、軍港の方に歩いて行った。色々と、説明しながら見せているようだ。
暫くして、2人が帰って来た。
「キリ殿、凄い軍船ですね」
「そうですか? 大したことはありませんよ」
「実は、我が国には、大した軍船がないのです。漁船程度の船を軍船と呼んでいるだけです。そのため、たびたびイーゼル王国から、攻撃を受けているのです。その為、漁民たちも、漁ができない状態なのです」
「そうですか。それは、お困りですね」
「そこで、我々を守って貰えませんか?」
「いや、それはできません。他国の兵士に守って貰うというのは、可笑しいでしょう?」
「それなら、我が国の貴族になれば、いいですか?」
「えっ、私がトード王国の貴族ですか?」
「そうです。それなら、対外的にも、国内的にも、問題ないでしょう」
「そうですね。でも、そう簡単に貴族になれるのですか?」
「私が、何とかします。その代わり、我が国の海岸にも、軍港を造って貰えますか?」
「いいですよ。でも、その軍港は、私の物にしてもいいですか? つまり、軍港を造る領地を頂いてもいいですか?」
「分かりました。それも、何とかします。暫く、時間をください」
「分かりました。承認されたなら、直ぐに、建設します」
「よろしく、お願いします」
ショーバは、嬉しそうに、帰って行った。本当に、そんなことが出来るのだろうか? まあ、私は、待つだけだから、いいわ。
1月ほど経ってから、ショーバがやって来た。この度は、一人だけでなく、何やら大勢の貴族を引き連れているようだわ。
「キリ殿、お待たせしました」
「えっ、何のこと?」
私は、以前の約束をうっかり忘れていた。貴族にして貰い、海岸沿いの領地を貰うことを。
「正式に国王より承認されました。まず、キリ殿を我が国の辺境伯とすることと、勅命が下りました」
ショーバは、私に何やら証書を差し出した。私は、それを黙って、受け取った。
「次に、領地の授受です」
また、何やら証文を取り出して、私に渡した。また、私は、黙って受け取った。
「これで、完了です。狭い領地ですが、海岸沿いの土地は、すべて含まれています。現在ある漁港もキリ殿の管理下に置かれます」
「分かりました。それでは、早速、軍港の建造を始めます」
「よろしく、お願いします」
ショーバ達は、帰って行った。
私は、カルロスに思念伝達で連絡を取った。
「カルロス、以前、軍港を見学に来たトード王国の商人から、貴族にして貰ったよ」
「それは、おめでとうございます。それでは、キリは、トード王国の貴族になるのですね」
「そうだけどね。この国の貴族でもあるのよ」
「まあ、細かいことは気にしなくてもいいのでは、ないですか」
「そうね。カルロスの言う通りね。そこで、早速、トード王国に軍港を造るの」
「私も、お手伝いしましょうか」
「頼むわ」
私は、カルロスにトード王国の海岸沿いの地図を渡した。そして、軍港の立地条件を検討して貰ったの。
暫くしてから、カルロスがやって来た。
「キリ、出来ました」
私は、カルロスの計画書を見た。特に、問題は、ないみたい。
「カルロス、管理者と軍船5隻が必要よ。もちろん、マナドール兵士もね」
「分かっています。1週間、待ってください。用意します」
「分かったわ」
私は、カルロスが軍船等を用意する間に、計画書通りの軍港をトード王国の海岸沿いに造って行った。
完成したころに、カルロスが、軍船に乗って、トード王国の軍港にやって来た。そして、トード王国での管理者等を紹介してくれた。
私は、ショーバに軍港が完成したことを報告して、軍港や軍船を案内した。
そして、その場所に漁港や漁村を造り、漁民を多数受け入れて来たの。また、警護には、マナドール兵士を配置させたわ。
漁民の村が栄えると共に、近くに自然発生的に市場ができ、色々な物が流通し始めたの。
隣の国のトード王国からは、貿易のお誘いがあったわ。国王の許可を貰って、船での貿易を始めたの。
特に、塩は、格安の金額で輸出することが出来たわ。暫くすると、トード王国の製塩工場は、廃業となり、塩はすべて、キリ商店からの輸入に頼るようになったわ。
トード王国は、人口3万人の小さな国で、街の数も多くないの。そのために、イーゼル王国の軍船によって、たびたび、攻撃を受けていた。
トード王国との塩の貿易をするようになってド-トムントの商業ギルド長のショーバがたびたび、漁港に訪れた。
「キリ殿、軍港もあるのですね」
「えぇ、形だけの物ですが、イーゼル王国に対抗するために造りました」
「イーゼル王国ですって! それで、攻撃をされたことはないのですか?」
「勿論、ありませんよ」
私は、念のためにカルロスを呼び寄せた。
「カルロス、こちらは、トード王国の商業ギルド長をしているショーバです。隣のイーゼル王国から攻撃を受けたことはあるか、訊きたいそうだ」
「攻撃を受けたことはありません。しかし、我が領海に侵入しようとしたことがあったので、我々の軍船で、追い返してやりました」
「そうか。ありがとう」
「キリ殿、軍船を見せて貰ってもいいですか?」
「ああ、いいですよ。カルロス、案内してあげてくれるかな」
「はい」
カルロスは、ショーバを連れて、軍港の方に歩いて行った。色々と、説明しながら見せているようだ。
暫くして、2人が帰って来た。
「キリ殿、凄い軍船ですね」
「そうですか? 大したことはありませんよ」
「実は、我が国には、大した軍船がないのです。漁船程度の船を軍船と呼んでいるだけです。そのため、たびたびイーゼル王国から、攻撃を受けているのです。その為、漁民たちも、漁ができない状態なのです」
「そうですか。それは、お困りですね」
「そこで、我々を守って貰えませんか?」
「いや、それはできません。他国の兵士に守って貰うというのは、可笑しいでしょう?」
「それなら、我が国の貴族になれば、いいですか?」
「えっ、私がトード王国の貴族ですか?」
「そうです。それなら、対外的にも、国内的にも、問題ないでしょう」
「そうですね。でも、そう簡単に貴族になれるのですか?」
「私が、何とかします。その代わり、我が国の海岸にも、軍港を造って貰えますか?」
「いいですよ。でも、その軍港は、私の物にしてもいいですか? つまり、軍港を造る領地を頂いてもいいですか?」
「分かりました。それも、何とかします。暫く、時間をください」
「分かりました。承認されたなら、直ぐに、建設します」
「よろしく、お願いします」
ショーバは、嬉しそうに、帰って行った。本当に、そんなことが出来るのだろうか? まあ、私は、待つだけだから、いいわ。
1月ほど経ってから、ショーバがやって来た。この度は、一人だけでなく、何やら大勢の貴族を引き連れているようだわ。
「キリ殿、お待たせしました」
「えっ、何のこと?」
私は、以前の約束をうっかり忘れていた。貴族にして貰い、海岸沿いの領地を貰うことを。
「正式に国王より承認されました。まず、キリ殿を我が国の辺境伯とすることと、勅命が下りました」
ショーバは、私に何やら証書を差し出した。私は、それを黙って、受け取った。
「次に、領地の授受です」
また、何やら証文を取り出して、私に渡した。また、私は、黙って受け取った。
「これで、完了です。狭い領地ですが、海岸沿いの土地は、すべて含まれています。現在ある漁港もキリ殿の管理下に置かれます」
「分かりました。それでは、早速、軍港の建造を始めます」
「よろしく、お願いします」
ショーバ達は、帰って行った。
私は、カルロスに思念伝達で連絡を取った。
「カルロス、以前、軍港を見学に来たトード王国の商人から、貴族にして貰ったよ」
「それは、おめでとうございます。それでは、キリは、トード王国の貴族になるのですね」
「そうだけどね。この国の貴族でもあるのよ」
「まあ、細かいことは気にしなくてもいいのでは、ないですか」
「そうね。カルロスの言う通りね。そこで、早速、トード王国に軍港を造るの」
「私も、お手伝いしましょうか」
「頼むわ」
私は、カルロスにトード王国の海岸沿いの地図を渡した。そして、軍港の立地条件を検討して貰ったの。
暫くしてから、カルロスがやって来た。
「キリ、出来ました」
私は、カルロスの計画書を見た。特に、問題は、ないみたい。
「カルロス、管理者と軍船5隻が必要よ。もちろん、マナドール兵士もね」
「分かっています。1週間、待ってください。用意します」
「分かったわ」
私は、カルロスが軍船等を用意する間に、計画書通りの軍港をトード王国の海岸沿いに造って行った。
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